電気主任技術者 配電盤月例定期点検

今日は各共用部電灯盤の月例点検をしました。特別な事はなく地味な
作業ですが電気事故が将来発生したら電気主任は点検履歴の提出を
求められるので何もしなくていいわけではありません。漏れ電流で漏電
判断する方法はメガができない場合に保安協会でもされています。下か
ら表示が見え難い場合DHボタンを押して後で手元で値の確認をします。
この程度の盤主幹ならばI0は一桁mAが普通です。9mAの現時点でこの
二次側回路には絶縁不良は発生していません。停電は年1しかできない
ので通電状態で絶縁状態を知るにはI0/I0rの測定しかありません。
もしI0が30mAもあるならば抵抗分漏れ電流I0rで測定しそれでも同値
ならばまずどこかに絶縁不良回路が?たいていMCB回路にあります。
尚、この盤主幹にはELBありません。主幹にそれがあると子回路漏電
でメインが切れるので管理する私としてはあまり有難くないですね。

漏れ電流は1mA未満でないといけないと条文に確かにありますが実際
現場に入りこういう主幹で測定するとI0が5mAだったり15mAだったり?
これは絶縁が悪いのか?停電し幹線メガをすると500Vメガで100MΩ
以上問題なし、これを説明できる様になるのが現場電気主任になる
場合の最初の宿題かな?
わかる人は少し現場わかってますね。
ただ分電盤の子回路点ならば1mA未満であるべきですが稀に絶縁が
法定値内でも負荷によっては対地間静電容量が多いと漏れ電流が
1mAを超えるケースもある!でもそれは絶縁不良ではありません。

サーモグラフィーで温度分布状態を確認、エリア温度は30℃程度で
すから加熱もありません。私の経験上盤内は周囲温度~それに5℃
程度を加算した程度です。人が触れない温度(50℃)になる様では
ヤバイと思います。60℃までという限界値ではなくて平常の状態を
大きく上回るたとえば30℃⇒50℃に急になったとしたら何か異常
があります。私が測定結果で重視するのは前回からの変化量。
測定エリアには右の温度バー上の表示温度より高い部分がない事
が一瞬でわかります。私は受変電設備、空調設備点検にも使用して
います。サーモガンでは自分が望む1局所の温度しかわかりません。
スマホが媒体でこの表示状態を画像にして業者などにも即LINEで
送れるのでタイムリーな対応ができる点も素晴らしい。

これをスマホのマイクロUSBに接続して専用ソフトをNETから入れ
たら貴方のスマホがサーモグラフィーに変身します。標準ソフト
以外でもいくつか温度管理ソフトがGooglePlayでインストール
できるので楽しめます。尚サーモグラフィーのMAXやMIN温度
は相対温度ですから上でもし50℃のポイントがあれば50℃と
なります。私はあえて標準ソフトを使用していません!尚この
商品は処理と表示を携帯にさせる事で大幅なコストダウンを
可能にした商品です。

温度が高くなるとMCBは規定のトリップ電流より少ない値で動作する
ので温度測定は重要です。MCBの横に基準温度という記載があると
思います。特に屋外設置盤では真夏は40℃を超えるので特に注意
です。ギリAで運用してるMCBとか真夏に切れたら困ります物ね。
私が管理してる屋外キュービクルの中には触れない程に表面が熱
くなる物があります(45℃とか)ただそれら負荷電流が60%未満な
ので特別対策(MCBの容量UP更新など)はしていません。業者に
聞いたらああいう物の中には結露が発生する可能性があるので
クーラーの設置はできないとの事です。確かに温度差を作れば
水滴が発生しそれが箱内の高圧部にでも落ちたら大変です!

電力(KW)測定ですが2回測定で加算3.0+3.63=6.63KWがこの
単相三線式盤の消費電力です。I0r測定とは意味は違いますが
電流と同時に電圧入力が電力測定では必要です。回路限度に近
い電力消費状態ではこの作業は特に重要です。活線状態での測
定ですから電圧クリップ時に短絡しない様に十分に注意が必要で
す。基本電気主任だけがする点検です。三相はブロンデルの定理
から2個の電力計で可能ですから2電力計法の結線で各測定して
加算すればいいわけです。(この電力クランプメーターはISOマー
ク認定の会社のUSA製品です)

電流値(A)の測定ですがIr+Is=66.1Aなので上の電力指示に
違いないのはわかると思います。(単相三線式回路では負荷算出
に中性線の電流は不要)計算上では力率がわからないので正確
に電力(kW)を知りたいなら測定しかないです。30A回路の様な場
合では電力量計の定格電流を越してないか注意されてください。
上電力測定との判断で必要ならば電力量計を含めた盤更新工事
が必要になる可能性もあります。こういう個別盤まで中央監視PC
は監視しないので電力余裕がある盤でもせめて普段何A流れてる
か程度は電気主任として各把握しておきましょう。3本あれば真ん
中のケーブルはクランプメーターが微妙に入らないケースがある
のでフレキシブルクランプメーターがあれば便利です。

下は単相三線式の各線間電圧ですがI0測定は主幹、電圧測定は
逆に盤内のなるべく末端で行います。漏電では対地間電圧が重要
ですが通常運用においては線間電圧が適正か確認
します。同系統
の盤電圧が正常なら電圧測定は無用だ!は何かあった時の言い訳
にはならない。そのSPOTにおいてはそのSPOTで測定した結果だけ
が適正の根拠なのです。だから面倒でも個別に点検する必要がある
のです。テナント装置不具合調査で電気配給は適正かテナントから
問合せを受けた事があった時に"何月何日にその階EPSで電圧測定
した時は105Vで正常でした"と返答しました。何もしてないでは即答
はできません。意外と電圧って忘れた頃に質問を受けます。
上の言葉の後で今から再度測定します。が一番自然な対応ですね。
(適正か?という聞き方は停電してるという意味ではないのです)

この配電盤の接地は効いているのか?まず接地バーに測定ツール
の黒(-)を接続します。対地電圧測定を行うのが目的。一度テナント
から呼んだ業者がアースが効いてないとか言ってると問合せを受け
た事があるのでそれからこの点検もしています。そういう事はないは
ずだけど自分で確認してないと100%では返答できないのはあります。
機器コンセント又は室内機器点で下と同じ確認をしてるのかと思えば
現地に行けばテスターすら忘れ思いつきでそういう事をテナントに言
う電気屋もいるのです。業者だからって絶対プロじゃないです。金属
バーに接続してるのがテナント番号で各室内の分電盤の接地に接
続されています。つまりここで接地が効いていればこれらのテナント
は断線か(それはまずない)か接地付コンセントの不良がなければ
接地は効いています。この位置での接地抵抗はビル保安規定に従
い年に1回私が測定しています。


次に接地相に測定ツールの赤(+)を接続します。同電位なので0V
になって当然です。つまり接地相の対地電圧です。これがOVになら
ないで電圧が出る場合は接地が効いていない可能性あり。ただ電
路に漏れ電流が多い場合に数V地電圧が少し出る場合もあります。

今度は非接地側に赤を当ててみます。正常ならば単相三線式では
100Vが表示されます。盤D種接地と変圧器B種接地が接続されて
いないとこうはなりません。
してる事はご存知のコンセントの非接地
側とアース端子で100Vが出れば接地が効いてるあの点検と同じ事
をしているだけです。こんな簡単な事でもしてれば感電した報告が
あった場合に配電盤までは接地が効いていますが...と話できま
すが何もしてないと"わかりません"としか答え様がないです。
調べてみるとこんな測定をしてELBが動作した現場があるそうです
がそれは測定ツールが故障していたそうです。1000円のテスター
とかあるけどそんな廉価品で対地電圧は測定しない方がいいです。
きちんとしたISOマーク認定を受けてるくらいの会社の測定ツール
を使うべきです。100Wの白熱電球を下と同じ方法で接続したら点
灯しますが1000mAも流れてELBはもちろん変圧器で地絡警報が
出ます、故障したテスターは電圧レンジ内部抵抗が極度に低下し
ていたのでしょう

この程度毎月測定しておけば何があっても困らないと思います。
測定結果はエクセルでわかり易い書式を作成してそれに必ず保存が
必要です。要点に関しては測定器が値を示す状態を撮りエクセル書面
にも残しておくべきです。最善の点検ができても最善の結果報告書が
なくては何の意味もありません。貴方が見た時は正常だったと発言し
てもダメなんです。★電気主任は書類作成と管理能力もある程度は
なくてはいけません。

★停電作業時の絶縁測定について★
受電停電して都合発電機を運転するビルなら非常灯を点灯できると
思いますが発電機を回せないケースではこんな部屋の中は真っ暗
なのです。もちろん携帯ランプを使用しますが普通に部屋の照明が
使える時と比較してとても不便です。こういう状況下では体がテナント
室内の物に接触しての物損失事故に注意するのと盤の中でメガの
アースリードを挟むのも手探りで思いのほか大変なのです。適当な
金属部をクリップしメガ値も∞指示となったが実はまともに測定でき
てない可能性もあります。こういう作業を闇の中で連続数10ポイント
もしていたらどうせ誰も見ていない?事前に荷物を盤の前から退避
させる様にテナントにお願いしていたのに山の様な物がおいたまま
の状態...だんだん作業が雑になる人がいてもおかしくないです。

なるべく負担が減る方法で確実な方法を検証するのは大切です。
こういう場合は主幹を切り一次側の接地相にメガのアースリードを
接続してください。
ここならば誰でもわかるはずです。主幹一括測定
なら子回路を入れたまま実施、子回路単独ならその子回路を各切り
メガのラインリードを当てたら絶縁抵抗値は測定できます。この方法
は保安協会の方に教わった方法で私オリジナルではありません。

この場合はこういう閉回路を構成してその機器の絶縁抵抗値を測定
できます。B種+D種抵抗値はビルでは10Ω程度で100万の単位であ
るMΩからみたらないに等しいです。メガによる測定電流は私が使用
してる物は10μAや1mAなのでLGRやELBを動作させません。停電
してない場合の測定の理屈はそうですが停電してるのならばそれも
関係ありません。簡易接地抵抗測定法をご存知の方なら瞬時理解
されたと思います。ただそれの場合は盤接地と接地相間なので厳
密には結線が異なります。対地~変圧器B種接地~線路を利用
するという考え方は一般の方には理解され難いかもしれません。
但し、この方法で絶縁測定する時は電気室で業者が変圧器整備
をしてない時間帯に行います。理由はわかると思います。

その場合この3個の状態のどれかと思ってください。最後の状態では
測定して終わりではなく適切な処置が必要です。後で月末に結果報
告を出すのに値だけ書いて不良でした!では厳しいオーナーでは君
はそれでも電気担当なのかね?と怒られます。
配線、コンセント、プラ
グ、何が悪いのか調べてコンセントやプラグなら取替すればいいけど
配線ならばEPSの空MCBから露出でもいいので配線してとにかく使用
中の機器を使用状態にするというのが大切です。夜中ではテナント責
任者とも連絡が取れない事が多いので朝になってそれを停止させた事
により障害が発生したらヤバイのです。綺麗に本修理は後で業者にし
てもらえばいいです。電気主任である以上は不良を知ったなら測定し
て放置はいけません。

上の不良回路の続きです。
子回路を1個づつ入切するのではなくまず片側半分を切り主幹で
測定し不良回路がどちら側にあるのか、次に不良な片側半分を
切り主幹で測定してみる、これが一番早い効率的な調査方法で
す。暗室作業でライトを当てながらだと1回路づつメガを行うのは
時間もかかるし見間違い、リード線の当て間違えが容易に発生
します。その他営業中の全停電トラブル調査時でも同じです。

今回22回路で十分な絶縁抵抗RMΩに1個だけ法定値以下のたと
えば0.05MΩの子回路があるなら合成抵抗は分母は必ず1より大
きいため0.05MΩ未満となります。上みたいな方法について理由
を問われたらこうして計算で示してあげてください。主幹で0.003
MΩならどこかの子回路に同程度の絶縁不良があると言えます。

最後不良回路が確定すればそれさえ切りならば絶縁抵抗というの
は主幹で100Vメガで20MΩ以上になる物なのです。子回路が5MΩ
でその程度ならば問題なしとしてすれば主幹も5MΩとなりますが私
は20MΩに主幹でならない場合はその原因となる子回路だけは調
べる様にしています。あくまでそれは私の拘りです。

入居時にテナントが業者に工事させてるので不良回路のコンセント
レイアウトがわからない、盤パネル名はアイスBOXとあるがテナント
は何を自由に接続してるかわからないのでそれはあてにはなりま
せん。子回路の電源バーからの取り方や2P1E表示で100V機器
という事だけは判明していました。なんとか原因は見つけました。
外したコンセントを書類の上において汚したりとかない様に測定
する事だけに意識をおいてはいけません。住人不在の他人の家
で作業してるのと同じですからすべては最初にあったままで最後
は退出しないといけません。


コンセントが悪い場合では機器を外してもわからないのでどれが
絶縁不良回路コンセントか見つけないといけませんが停電作業
でなければテスターで電圧のないコンセント探せば該当回路がわ
かります。テナントが独自で工事発注してる場合は配線図面さえ
残さないでする街の電気業者もいます。又もらったけどテナントが
どこにあるかわからなくしてる場合も割りとあるのです。

停電作業で電気がない場合は私はこうして調べます。まずすべて
のコンセントをフリーにします。
線間には個人的に100Vはかけた
くないので25Vメガでしています。コンセント回路のはずが実は単
独機器が接続してあったとか?100%の保障がないからです。
テスターの導通では距離があると電圧を充電(吸収)され反応し
ない場合あり、停電作業のメガ測定で弱電用メガを私が使う理由
単相三線式200Vは対地電圧100Vだからこれでも構いません。
単相三線式盤は100Vメガだけあればいいです。三相200V回路
は単独回路で滅多に絶縁不良はないはずです。但し停電してな
い時は絶対にこの方法はしてはいけません。
(電圧があるコンセ
ントにしたらMCBトリップしますが瞬間火花が出て焼けどします)

その不良回路に3個コンセントがあるならば1個づつ配線を外せば
盤のメガの反応で見つけられるのでそのコンセントを取替します。
(漏電する様なコンセントはたいてい焼損してるので一目でわかる)
この場合ですと赤と白を間違えて接続すると機器の負荷電流は
漏電として感知されるので気をつけてくださいね。配給元がELB
なら切れますがMCBなら後は主幹がELBならテナント全停電、主幹
がMCBなら変圧器で地絡が出て大騒ぎとなります。停電作業で暗く
間違えたは理由にはなりません。

調理中の油のついた手で一度プラグを抜き差しした形跡、その脂分
を通じて漏電の可能性
、機器は稼動してるので中で断線はないけど
折れ曲り(キンク)は熱発生の原因ともなります。朝までは?たぶん
一週間は最低大丈夫とは思うけどとりあえず今夜はこれで応急対応
とします。テナントには購入店に連絡して電源コード一式取替をアド
バイスします。もちろん言葉ではなく社印のある正式文書で一個人
ではなく会社としてテナントに提出します。聞いた聞いてないという
のは時々ある事なのです。言ったも証拠ないですからね。

とにかく分電盤測定で絶縁不良回路を発見したら切りのまま又は
再度電源を投入の各放置という行為だけはされないでください。
ELBならばならともかく主幹MCB⇒子回路MCBなら最大20Aまでは
漏電できるわけです。0.1MΩを少し下回る程度ならば翌朝まで電
源投入しても持つでしょうが≒0MΩでは運悪く20A漏電してMCBが
動作しても出火するかも?
状況を知った以上はそこまで懸念すべ
きです。又逆に電源を切って朝食品がすべて腐敗してたら弁償だ
けでは済みません。危ないから電気主任として電気を止めたは確
かに正論でありますが客に損害を与えて黙って納得する事はあり
ません。世の中はすべてにおいて結果論なのです。
適切な処置ができないならばテナント責任者に電話して深夜でも
相談するべきです。連絡先はビル警備係の方に聞けば各テナント
の緊急連絡先はわかります。大人の対応が要求されます。
現場経験とは何か?とは感じて頂けたのではないでしょうか?
これに限らずいろんな故障対応こそスキルアップに必要です。

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