水冷式エアコン故障対応

7/7朝方に飲食店舗厨房のエアコンが動かないと連絡がありました。
調理をする場所なので室内温度が30℃もなっては生ものはまずい
業者に連絡したら他で作業してるので夕方しか来れないらしい
あそこは水冷式エアコンで故障したら業者が修理してるので私はほと
んど詳細を知らないのですがとりあえず見てみました。
コントローラーのエラーコードから高圧カットと判明、冷却塔の冷却が
上手くできてるのか確認をする事にしました、下がその冷却塔です。
ファンは運転してるけど冷却水ポンプが運転してないため水が循環
してないのでこれでは高圧カットが出て当然です。

又は冷却塔の清掃が不十分とかこういうテナントが所有してる物は
管理状況が悪い物が多いので冷却塔内部状態の確認も必要です。
電気のエアコンでも高圧カットが出たら室外機を水洗いで表面洗浄
したら使用可能になる事があり水冷式も理屈は同じです。
夏場はエアコンが高圧カット、台風時期ではファンに負担がかかり
トリップして通信異常がよく出るのは知っておいてくださいね。

私の場合は取扱説明はいらないからこれの回路図が見たいのです。
盤の中を見たら手書きのこんな図面がありました。
回路初心者の方が勉強するには手頃な内容なので今回あえて記事
として取り上げ解説をしてみました。
(現場で電気主任をされてる人は全員この程度は理解できます)
24HタイマーON時間帯のみタイマー接点TMがONとなりRXリレーがON
RXリレーのa接点と自動交互リレーの直列回路でポンプマグネットを
交互運転するのが自動モードであるのは一目でわかりました。
通常内機からの信号で室外機が運転されるわけだけどこのエアコン
は室外機に当たる冷却塔設備の運転は完全にStand alone運転
をしてる珍しい作りでした。
欠点はタイマーON時間外の深夜や早朝にエアコン運転したら自動
モードでは冷却塔設備は停止してるから高圧カットが出てしまいます。

まず原因調査の前にこのポンプを早急に運転する必要があります。
上回路図から手動モードでNO2ポンプを運転させました。
これで冷却塔に水が入るので厨房エアコンは冷房運転可能です。
取扱説明はなくても回路図が1枚あれば私の様な人種は操作方法
や故障を追う事ができるのです。

参考までに冷却水ポンプの絶縁状態も見ました。
先にメガを測定すれば良かったけど冷房中でポンプは止められないので
I0で行いました。単体回路1mA未満ですから0.56mAは合格、I0rなら
≒0~0.2mA程度でしょうね。

冷却塔ファンのI0は0.42mAでこれも絶縁は異常なし。
モーター回路で漏電が発生したらELBは投入不可能となりほとんどで
絶縁抵抗値はほぼ0Ωの状態になります。MCB電源配給されるモーター
ならば運転中でI0が100mA以上となり異常はすぐに判断できます。
MCBで電源配給されるモーターで漏電したら電気室の動力変圧器
B種接地線で地絡警報が出て知るのが最初になるでしょうね。


モーターは修理又は整備(OH)すると人件費が高いため新品取替とそれほど
差はないのです、絶縁が0Ωなんて状態では新品交換するのが懸命です。
(コイルの巻き直しなんて高圧モーターでもなければしません)
ただマグネット二次側で絶縁0Ωだからモーター交換を業者手配するのは早い
ケーブル劣化だと交換すべきはモーターではありません、指示したのが貴方
なら面倒な事になるので必ず費用がかかる事は確実に原因調査する。
最終的にはモーター側の端子台でメガをしてモーター不良を確定させ
てからがモーター交換の手配となります。

上の様なモーターはラインポンプといい水中ポンプと同じ一体物なのでモーター
とポンプが新品になる、つまりフランジ間でそっくり交換になります。
それ以外のカップリングでモーターとポンプが連結される物ならばモーター
だけの交換ができるのです。ラインポンプ交換は設備員のベテランの人なら
できるかもしれませんがカップリング方式だとスペーサーで高さ微調整をしたり
そういうモーターは大きく重いためほとんどで業者依頼します。
上のポンプを業者に取替してもらう場合、部品代が15万円で取替工事費が
15万円、計30万円程度だと思います。これが深夜なら2割増しで足場が悪い
と工事費は更に高くなります。


点検前に端子緩みがないかすべて増し締めを行います。
配線が緩んでいて原因がわからないは恥なので最初に確認!
モードは手動でもこの回路のタイマーにより自動回路のRXのa接点
はONになるのでRXリレーの動作表示がない点がまずおかしいですね。
と言う事はタイマー接点TMが切れた状態である可能性があります。

推測ではいけないので実際RXリレーに電圧がかかっているか確認
が必要です。今回はここに200Vがありませんでした。
動作表示でそのリレーに電圧がかかってるか見る癖をつけるとそれ
がないリレーの回路に遭遇するとお手上げです、最後は必ずそこは
テスターで電圧をあるかないかで原因の確定をする事。
つまりタイマー接点TMから電圧がこないからRXリレーが動作せず
自動モードでポンプが運転しないのです。

更に言えば自動モードでRXリレーのa接点が切れてると開放電圧
200Vが発生するので電圧測定でもわかります。正常ならばこの間
は0Vとなります
配線にある番号を線番といいその番号で回路を追っていきます。

タイマー接点が悪いと判断したなら最後にここで電圧測定してON時間帯
であるのにNO接点に電圧がなければ完全にタイマーは故障しています。
故障で多いのがOFF範囲中に現在時間の時計機能が停止する事です。
最初に書くべきでしたがこうしたタイマー制御してる場合は最初にそれの
現在時刻を確認された方がいいと思います。

こうした物は消耗品で寿命は環境によるけど5~10年程度でしょうね。
だからいつか故障するわけで古くなると点検日の翌日に故障してもおか
しくありません。基盤関係で10~15年程度と思います。だから家電も
10年経過したら壊れて動かなくなるのです。仕方ありません!

少し難しい故障がこの回路には1個あります、自動交互リレーです。
前の日にNO1冷却水ポンプで運転して停止したら翌日はNO2冷却水ポンプ
に切り替える機能です、これが切換らないと同じ側のポンプばかり運転
してしまいますが意外と気がつきません。
モーターは運転されないまま何年もこうした放置すると内部の温度がまったく
上昇しないため絶縁抵抗値が低下してしまいます。
年数が経過してるモーターでは運転前と運転後では運転後に絶縁抵抗値
が高くなる
のを私は測定で確認した事があります。
モーターを完全密閉し乾燥した倉庫に保存するならともかく放置された状態
では空気中の湿気もあるし酸化もするので使わなくても劣化するのです。
その点で自動交互が故障したままというのは好ましい状態ではありません。
空気中の酸化と湿気の影響を受ける物はマグネットの接点もそうです。
10年も未使用のマグネットの接点を見るとネズミ色に変色してしまいます。
電気物に限らず物は適度に使用してこそ長持ちするのが私の持論。


リレー動作表示は内部コイルに電圧がかかっているかを表示する
だけで接点劣化で実際は回路がメイクされてない場合も稀にあり。
動作表示があってもそういう場合はRXリレーを交換します。
使用されてたオムロンリレーは在庫で持っているからもしこれが
悪いならばこの程度は私の判断にてサービスで取替してあげます。
今回はRXリレーが原因ではないのでその必要はありません。

パナソニックの私の得意な24Hタイマーかと思ったら週間タイマーで何
かの都合で仕様を業者が変更されていました。
おそらく前述した様に24Hタイマーでは設定時間外の深夜又は早朝に
運転すると冷却塔が動いてないので休日以外は24H運転方式に変更
したのだと私は想像しました。ただこのタイマーは在庫にないので後で
店長に業者にタイマーを準備して持ってくる様に伝える指示をしました。
手ぶらで来られたら取替できずタイムロスが生まれますから私が今の
時点で調査する事には意味があるのです。


もし冷却塔ファンが自動で運転しないならばターミナルのこの間にて
ジャンパーしてみればいいのです。
こういう場合はたいてい温度センサー接点が故障してるのでこれで
起動すれば温度センサー不良というわけです。
尚テナントに報告する場合は冷却塔本体にある温度センサーの端子
の緩みがないかだけは確認してからです、交換までは応急に手動側
にして強制運転をさせます。

ジャンパーは安全のため私はMCBを接続した物で行っています。
切り状態でジャンパーしてから入とすれば安全に接続できます。

業者がすぐ来れない場合はなんとかならないか必ず電気主任に相談が来
るので自分で可能な事なら対応してあげているのです。
自動故障は部品がないとたいてい修理はできませんがとりあえずはその
機器用のモーターを手動運転か回路のジャンパーを行う事でとにかく強制
運転させるのが先決です。
現場を早急に通常使用可能状態にする。

この回路は内機と連動していない、冷却塔ファンは温度だけで発停してる
ので冷房してない夜中でも時間に関係なく運転するので無駄な運転となる。
月にすると夏場では数万円は無駄な電気を払っている事になります。
正直、技術者が組んだ回路にしては作りが悪いです。この回路を見て私が
最初に感じたのはどうしてこう回路を組まなかったかです。
今更部屋からここまでの配線は無理でも冷却水ポンプマグネットのa接点
経由で冷却塔ファンの励磁コイルに電圧をかけても簡単にポンプと連動
できるのです。後今の週間タイマーをデジタル式にして毎日厳密に時間
制御すれば冷却水ポンプの運転時間も削減できます。

参考までに冷却塔(CT)とポンプの運転状態の表示だけどこんな組み方
をされてるので各マグネットの補助接点はa接点が空いてるのです。

CTのマグネットの励磁コイルの1本をこんな感じで配線すればいいのです。
(補助接点がマグネット本体の前面にある配置は初めて見ました)
ポンプが運転するとその補助a接点経由でCTの励磁コイルに電圧がかかる
それと2台あるから各ポンプでパラ接続するのはわかりますね。
この様にポンプとCTを連動させるだけなら15分もあれば配線できます。
これが共用部設備ならすぐ改造するけど保守業者に無駄で改造したら
店舗と業者の関係悪化になるのでこの件には触れませんでした。
電気主任が見れば回路図からこうした運用上の問題点もわかるのです。


係長から巡回で通る時に店舗Aで書類をもらってきてください。と頼ま
れたので用件をしに訪れたら店長から給湯器のとこから水漏れすると
言われたので見ると給湯器本体ではなくそれに給水するラインポンプ
作業をするつもりで来てないのですがとにかく化粧板を素手で外そう
として鋭い角で指を切ってしまったのです。
この程度の話だけど設備現場の仕事は油断すると常にケガと隣合わ
せですから気をつけましょう。

★漏電でもないのに店舗全停電した事例紹介
数日前、朝開店前に分電盤の主幹が切れたというのです。店員さんは
すぐそこを開けて主幹が切れてるので投入されたらしいです。
その後は何事もなく使用されていたのですが店長が後からその話を聞
いて心配になり相談されてきました。とりあえずは分電盤主幹でいつ
ものI0を測定してみたのです。営業中のため原則メガはできないです。

主幹で約2mAだから問題ないです。ここは毎月の主幹I0測定でもこ
の程度で絶縁状態の経年劣化は認められないです。
どうしてELBが落ちたのか不思議ですがその時に掃除機か何か使用
してなかったか質問したけど照明とファンコイルをONしただけでまだ
開店前で何もしてなかったとの話でした。
見たわけではないので故障当時の状況は話を信じるしかないですね。

照明はすべてタンブラSWはON、ファンコイルは高速運転にしてみたけど
I0は主幹で2.15mA⇒2.16mAになっただけで問題ありません。
絶縁測定と同じで接続された機器は可能な限りON状態でI0も測定
しないといけません。

もしファンコイルを運転して主幹I0が急に10mAとなる様ではこれに何か
問題があります、この程度の分電盤ボリュームでは主幹では通常10mA
未満というのが私の経験上のルールです。(主幹で5mA程度が多い)
工場の様な動力機器が多い場合はその現場なりに高くなりますがこれ
はあくまで私が勤務してるビルの分電盤の場合です。

問題はないと思うけど子回路のI0をすべて測定してみたのです。
0.28mAとか絶縁が正常ならば子1回路はI0で0.1~0.5mA程度。
余談ですが撮っていたら"測定器を持ってる手が可愛いね"と男性店員さん
から言われたのですが私のそんなとこを見てるのかと思いました。

ところがある照明回路が約2mAです。どうして1mA未満ではないのか?

10mAとかなら完全に私の経験ではダメだけど2mAというのは微妙ですね。
負荷の種類によっては抵抗分漏れ電流又は対地間抵抗が良好でも1mAを
超える場合があるのです、とにかく事情を言ってこの1回路だけ絶縁測定
をさせてもらいました...ですが絶縁対抗値は20MΩ以上なのです。
(メガで確認できるなら何もI0rで測定する必要はありません)

この照明回路のダウンライトは電球1個が5千円以上する特殊球なので
専用の電子式安定器が各あります。
どれかの器具のそれがノイズみたいなのを出してるとしか思えません。
実際メーカーの仕様にもこうあり照明器具が原因でELBが誤動作する
ケースが稀でもあるという意味です。確かに今回の様な事例は私も
このビルでは初めてでした。

あれからELBをトリップさせるまでI0は上昇してませんがその照明回路
のI0が気になるのでここを工事した業者で調査が好ましいとは店長に
伝えました。
絶縁は異常ないのでこのままでも問題はないけど忘れた頃に昼間に全
停電したらヤバイです、こうしたダウンライトを1個づつ天井裏で切り離
しながら確認するのは夜中でないと調べる事はできないです。

それかここは洋服屋で対地電圧が150V未満の乾燥場所ですから主幹を
MCBにしてしまうのも方法の一つですね。
絶対にシステムが落ちてはいけない装置に電源は普通ELBでは配給し
ないのと同じ理屈です。
(家庭の場合は主幹にELBを必ず設置する必要があるけど事務所ビル
ではそういう制約はありません)

結構面倒なので対応が悪い業者で話が前に進まないなら私的にはこの
場合は主幹をMCBにします。それなら私でも取替できるので部品代だけ
で格安でしてあげます、そうなる可能性も高いかもね。
今回の様な事例で私が体験したをケースをいくつか紹介します。

1.工場に勤務してた時に絶縁は問題ないのに動作中の何かのタイミング
でELBが動作してしまうのでMCBに父が変更していたのを覚えています。

2.ボイラーのプロテクトリレーが制御途中で暴走、この時は父も私も
考えられる点検をしたが原因不明、メーカーすら原因が特定できず。
工場は動力は440Vだったので一部制御電源はトランスで200Vに下
げていたのです。偶然父がそのボイラー制御回路電源を通常の200V
からではなくそのトランスから配給したら嘘みたいにその現象が消滅
したのです、この事で変圧器というのはノイズを下げる効果があると
思いました。

3.UPSを更新したら同じく電源ノイズが急増したので電源に絶縁トランス
を業者が増設していました。
こういう過去の体験は実際にそうして解決できた事例なので新しい現場
で人に説明するのでも説得力があります。


自分が本でただ勉強した知識をイザで他人に平気でアドバイスするの
は私も極力控えています。対応策はすべてお金がかかる事ですからね。
実際に解決した。という最大の根拠(体験)があってこそ物事は他人に
自信を持ってアドバイスできる
という事をこのお仕事を始めて痛感しま
した。とにかく日々発生するすべての事例から何に気がつき経験として
生かすかその人しだいですね。お仕事は習う物ではなく学び取る物!
お仕事ができる人というのは気づき、学び取るセンスがある人です。

職場で頼りにされる事が職場での地位と人間関係を向上させる事に
最近私も気がつきました。免許をただ何個持ってるとかではありません。
あまり触れてきませんでしたが★人間関係が円滑にいかないと何の
お仕事をしても長く持ちはしません★大人ならおわかりでしょうけど

去年私の家に迷い込んできたクワガタです。
彩音が世話してるんだけど今朝久しぶりに手に乗せてみたらガチ元気
生きてるって何でも素晴らしいと思います。



⇒私のブログの最新記事へJAMP
ページ最後では"前の投稿"をクリックしたら過去記事が読めます。