自分が必要とされる環境とは?

施設管理をする上で病院、百貨店などはトラブルが多いのでBAT物件
といわれますが実際私が管理してる中で飲食以外では短絡や漏電は
ないに等しいのでそれは嘘とは言えません。つまり完全事務系ビルの事。
特にそれが新しい物件なら照明はLED、空調は完全個別空調方式です。
電球交換不用、機械運転操作も僅か、テナント、オーナーには理想的
環境です。設備員作業としても点検業務と軽作業だけトラブルもほとんど
ないので喜ぶべき環境でしょうか?いえ私がオーナーならば更に電気
主任は専任せずに保安協会に委託して経費節減する事を考えます。
ビル管理会社が委託する場合でも電気だけは保安協会に任せた方が
人件費は半分以下で済むわけです。電気主任が選任されない中小の
ビルはたくさんあります。コスト削減はオーナーの一番の関心事です。

病院、百貨店ではトラブルのタイムロスを最小限に対応しなくてはいけ
ないので電気主任技術者を経費がかかっても専任してるわけです。
むしろそういう物件での就職を目指す方が電気主任としてのお仕事は
見つかると思います。それか私の前職の様な何かの生産工場とかです。
一瞬もラインを止めてはならない責務があり大変ですが真に貴方が
必要とされるのです。楽ができるとは自分が必要とされない環境を
求めてる行為で自分のこれまでを生かす事ができません。

電験三種取得の言葉ばかり目にしますが生かせる環境で働くとすれ
ば私以上の苦労と経験は誰もがする事となる点を意識されてください。
仮に電気主任になれてもその覚悟がないと理想と現実の違いに耐え
難い状態となりすぐ退職されるケースも現実多くあるのです。


私の職種は百貨店系だから事務関係以外に病院や飲食店、SHOPも
あり特にトラブル発生の7割は飲食店舗というのが実情です。
原因はネズミ被害、接触破損、乱暴な扱いなど急に発生して経年劣化
とは違うので定期点検をしても完全に防げません。
そのトラブルでも一番多いのはBlogでも頻繁に記事にしてる漏電です。
保安協会の方も物件トラブルで一番多いのが漏電で出動する場合だそ
うです。
高圧や特高トラブルは故意又は誤操作でもなければ99%
以上トラブルはないです。(知らなくていいという意味ではない)
電気主任として保安規定遵守、年次点検、月例点検、停電作業などは
できて当たり前で業務の3割はトラブル発生時の対応です。
工場においても短絡はほとんどなく漏電により安全回路が動作して
ラインが止まるケースがほとんどなので漏電は電気を扱う者の永遠
のテーマーです。


たとえば飲食店舗のこの厨房で漏電が発生したとします。
貴方は電気主任としてこの現場に来たら原因を見つけだし可能な修理
はして使用再開に最大限の努力をしないといけません。
今お昼時間の一番忙しい時間帯で"今から業者に連絡するので我慢し
てください"と返答して笑顔で了解してくださるテナントばかりではありま
せん。"お前も電気屋じゃないのか?"と言われます。

不良回路が確定したら接続されてる機器を1個づつ切り離しメガ測定
をしていく事となりますが劣化が発生する部位としてはコンセントに接続
されてる機器類のコードの損傷、冷蔵庫などの電源コード損傷や電源
コードが厨房床面に接触してないかなどになります。
こうした電源配線劣化による原因が漏電の7割はあると思います。
又コンセント自体が外観でこんな状態の場合では測定するまでもなく即
取替しかありません。

タンブラSWの交換はしますがこれが漏電の原因になる事はないです。

機器本体故障はどうにもなりませんから切離して業務再開、メーカーに
至急連絡する様に店長には伝えます。
電源コード破損やコンセント劣化ならば私で即修理・取替をしますし床に
ついた配線はフックを取付けして床洗いで水に当たらない様にします。
(100円SHOPに行くとこうしたちょっとした事に役立つ物あり)
厨房だからすべてELBで給電されてると思えますが実際はこうした業務
用は機器内部にELBを内蔵していてMCB回路から電源受けしてるケース
も多いのです。後照明回路漏電というのは私は経験した事がなく天井内
のSPやFCUの配管でも裂けなければまずないです。

機器内部ELBが動作するのは機器内部漏電で分電盤から機器まで
の電源配線の漏電では動作しません。
漏電なんて後で原因を知ればこんなことかといつも思うのですがMCB
回路漏電では変圧器のB種接地のLGR警報でまず知る事となりその
時点では5~7階のどこかのテナントしかわからないので漏電してる
テナントを見つけるのが最初の課題となります。
その方法は私のBlogでは何度も紹介したので各過去記事を参照
されてください。(分電盤メインにELBを設置すると店舗全停電となる
から私が勤務するビルテナントの95%は主幹はMCBです)

今日は6/3に発生した漏電について紹介します。
これが第二電気室の一般電灯2の変圧器でまず地絡警報が出ました。
すぐに現場変圧器のB種接地でI0を確認したらいつもと同じ約5mA
しかなく一瞬の地絡感知でした。(5.48mA)


ここのLGRはI0方式なのでいつもの一瞬のノイズと判断して部屋に
戻るとまた同じ変圧器から地絡警報が再度出ていたので今度は2個
のクランプでB種接地を測定してしばらく様子を見ていたのです。
I0が5mAの変圧器でどうして漏電が発生するのか?
LGR本体故障もありえるし測定器が故障しているかもを?懸念して!
測定値に疑いを感じたら違うもう1個で同じ測定をしてみましょう。
これは絶縁測定をする場合も同じで測定器だって故障がありえます。

15分しても値が変動しないのでL1~L9子回路のI0測定も行いました。
でもこんな状態で漏電していません。結局その日は以後は漏電は発生
せず様子見としました。
営業に制約を与えるため根拠もなくテナント内に入室して漏電調査は
できませんし気難しい店舗では調査を断られる場合もあります。


ところが翌朝も地絡が発生したのでこれは確実に漏電個所があります。
ただ時間帯は朝方と言うだけで原因の特定までには至れません。
しかも一瞬だけ発生してクランプで漏電を追う暇もないのですから!
5年も同じ現場で管理してると漏電を発生させるテナントはほぼ決ま
っていていつもの様に変圧器からI0で終えなくてもいくつか不良店舗
の候補は私の頭にありました。
私でないとこのビルでは漏電を最短では探す事はできないと思います。
客が減る15時~16時の時間帯にて4テナント漏電調査を行いました。
いつも書いてる様に営業中ですからいきなり訪問して停電させる事は
できないので各分電盤の主幹にてI0を測定します。
充電状態ですから感電とレバーやボタンに当たりMCB/ELBをトリップ
させない様十分に注意します。


主幹でI0が5mA未満の分電盤の各回路の絶縁測定をしても絶縁不良は
その時点ではまず発見できません。

漏電なければ下ボリューム程度の回路なら私の管理現場では主幹でI0
は1mA~5mA程度ですからで20mAもあれば漏電してると言うのが私の
経験による基準です。又変圧器LGR警報が出るという事は一瞬100mA
を超えるわけでそれならELBは30mAトリップで15~30mAで切れるため
変圧器地絡発生からの調査ではELBは原因とはならないのです。

絶縁不良な子回路で10~20mAのI0箇所を発見できそれが原因です。
正常な子回路の絶縁抵抗値は100Vメガで20MΩ以上、I0では1mA
未満
で実際は0.1~0.5mA程度となります。I0rなら≒0mAですね。
電源装置などを含み1mAを超えた時だけI0rで正確に抵抗分漏れ電流
I0rは測定すればいいです。(それほど頻度はない)

もしI0が10mAもある子回路を発見したらその時点で事情を言ってその
回路だけを停電して絶縁測定をおこなえばこんな感じで0MΩ表示!
ただ完全0Ωなら対地間短絡でMCBがトリップするわけでそれがないなら
実際の対地間抵抗は100Ωとかはあり、メガではそんな値は指示でき
ずに0Ωとなってるだけです。もちろんこんな状態はいけません。
以上、漏電でもMCBが動作する場合があるのは覚えておいてね。
ここから最初に紹介したキッチン単体での調査となるのです。
ところが今回すべての主幹でI0は5mA未満で店舗特定ができません。

間欠漏電、一瞬しか発生しない漏電が一番難しく普段私が管理してな
い施設で調査するとすれば技術論では見えない運用の形態が詳細に
わからないのでこうした漏れ電流データーロガーが必要です。
実は今の現場に着任したばかりの頃はまさにそんな状態で業者にもっ
と高価なこうした類の測定器を借りた事が私もあります。
今はこの現場に関しては過去経験からそういう事を起こすテナントは
各変圧器回路でほぼ私は掌握してるしどういうポイントが漏電するか
現場を見て調査したら感じれるのです。

2店舗目のキッチン調査で業務用製氷機の電源コードが床に接触して
長年のそうした事で絶縁被覆が劣化、朝床を水洗いをした時にその
汚れた水が線に当たり一瞬の地絡を変圧器に発生させていたのです。
もちろんその時点では推定だけど私は見た瞬間にこれとわかったので
その部分を修理して絶縁性の紐で線を引っかけて台に固定しました。
あれから約1ヶ月になるけど地絡はその変圧器では発生していません。

漏電が変圧器まで戻らず現地分電盤間でループ回路を構成するのも
理論的には考えられそうですがそういう状態は過去5年間私は把握
してません。
漏電すればELBで切れてテナントから機器が動かないとHELPコール
があるかMCB回路漏電なら変圧器地絡で最初にこちらが漏電を知り
テナントはまったく気がつかずに営業を平然としてるのどちからですね。
今回記事にしたレベル程度では火災までには進行しません。
文献によるとI0が1000mAを越えると火災の危険性ありとの事ですが
だからこそそうなる前に早期に漏電は発見しないといけません。
普段の管理としては毎月各テナント分電盤主幹でI0の測定はします。

以前も記事で触れましたが工場勤務時代に電気火災があり消防が
出動する事態となったのですが後の現場検証で消防から直近の
絶縁を示す資料の提示を父は求められていました。
10ヶ月前に測定した後でその間は絶縁についての測定を一切して
ないは世間の常識では通らないと思います、せめて1ヶ月前の値
なら誰もが理解はしてくれると思います。
保安規定は遵守したと言っても消防からそんなコメントを言われたら
オーナーだって黙ってはいません、特に金銭被害が発生していては!
漏電は大事に至る事は滅多にありませんがそうなった時も考えて
最低限の店舗の絶縁状態を示す測定は毎月欠かせません。
過去1年分の平均値をそのテナント分電盤主幹においてのI0管理
基準
とし翌年は使います。(根拠は質問される事がある)



4階のフロアー責任者から天井から大きな音がしてると連絡ありました。
あるエアコンの室内機から発生していて業者が夜中にフィルター清掃をした
時にカバーをきちんとはめてなくて振動してるのかと最初は思いました。
普段は私はここを触る事はないのですがフィルターも撤去して聞いた音は
そういう種類の音ではありませんでした。

このタイプのファンでは中に異物が混入して異音が発生する事があるの
ですがそれはなし又、私の経験ではベアリングの音とは違うと思いました。
完全にケーシングと羽が接触してる音で私の勘では軸が何らかの理由で
ぶれている可能性が高くこれを本体から分離して下で修理が必要で今
ここでどうこうできる状態ではありません。
たぶん10年経過してるので一式交換が必要でしょうがまずは至急に業者
点検が閉店後に必要です。
とにかくここは飲食店通路のセンターでいつまでもここに脚立を立てている
事はできません。
ただこんな大きな音が飲食店のある通路でしていてはとてもまずいです。

空間を通してだと回りがザワついているとどこで異音がピンポイントでして
るかわからない時があります。
ちなみにこうした機械の異常音をより正確に聞く時はこうするのです。
その機械の異音がしてる部分に貫通ドライバーを当てて耳で聞く。
職場に戻れば機械屋さんが使う聴診棒はありますが簡易的にはこれでも
ただ離れて聞くよりはるかにわかります。
上の場合ですとこの方法で"カリカリ"と扇風機の羽が硬い物に連続で
当たる様な音
がドライバーを通して聞こえてきました。
ただこれは回転物に接近するので十分に安全には注意されてください。
人体が接触したら確実に大ケガをします。

この通路のある各エアコンはフロアー責任者がコントローラーを操作して
運転・停止してるので彼にこの音のしてる機器の停止を話をしたのですが
"できないって?????"もう男の癖にメカ音痴なんだから!
いつも一括運転をしていて個別ON/OFFはした事がないそうです。
私が交代して操作してみたのですがエアコンの何台かをグループに分けて
問題のはグループ2で3台のエアコンが同時起動・停止する制御でした。
いろいろしてアイコンを単独表示にできたのでこれで該当する機器だけを
選択して停止ボタンで停止するはず、ですが停止ができないのです?
音がかなりしてるから今更マニアルを暢気に探してる暇なんてもうない!
これのマニアルはフロアー責任者である営業が持ってるはずだけどたぶん
どこにあるかもわからないのは聞かなくても容易に想像しました。
バックヤードにある分電盤を探してそのエアコンの電源を切りました。

コントローラーで手動停止せずに電源を切ったために通信異常が!
業務用エアコンでは室内機の電源を切るとこれが出るのはわかって
いましたが他のエアコン運転には支障はないはずです。
余談ですが室外機が短絡、漏電でそれのELBがトリップしても通信異常
というエラーが発生します。
特に台風時期になると強風で室外機ファンに逆回転の風が運悪く吹き込
んでしまうと無理がかかり過電流で室外機ELBが落ちて通信異常が出る
事が私が勤務する現場では多いです。
通信異常のエラーが出た場合は室内機、室外機のMCBやELBがトリップ
してないか確認が必要ですので覚えておいてくださいね。
切れていたら投入する前に絶縁抵抗測定は必ず行わないといけません。

ところが奥にあるもう1台のエアコンまで同じ表示で停止したのです。
仲良く3個のMCBがある別電源になってるはずなのに電源が消えた場合
にでる通信異常が無関係と思われるエアコンでなぜ発生するのですか?
さあ貴方ならこんな時はどうされますか?
★ここからが電気主任技術者のお仕事STARTです★

飲食だからとねずみが天井裏で配線をかじった故障ではありません。
図面通りに配線されてないのですからそうなると既存の配線がどうなっ
てるか1から調査が必要です。

配線を指と目視でたどるとこういう関係になっていて照明のON/OFFで
使うリモコンリレーをエアコンの室内機運転に使用してるのがわかります。
どう考えても3台のエアコンの室内機は別電源になっているはずです。
ですが通信異常という電源を切った時に発生するエラーが該当しない
はずの室内機で発生してる★事実は事実なのです★


故障してる室内機用のリモコンリレーR-35を手動でON/OFFさせてみたら
この回路を生かせば3台目の室内機は正常運転する事がわかりました。
リモコンリレーは黄色のON/OFF表示を爪で反転させたら手動でON/OFF
させる事ができます。


つまり上の右側のR-36というリモコンは配線まで出しながら3台目の室内機
には接続されず実際は左のR-35のリモコンの配線と電源が共用になってい
たのです。
コントローラーで仮に単独で正規にR-35を切れても結局は2台が共用電源
なので3台目の室内機は運転できません。
R-36回路は10年以上も未使用でしたが絶縁測定は毎年してるので問題
はないでしょうからここに正規に配線しないといけません。
常に3台同時起動、停止で故障がこれまでなかったので誰もこの事には気が
つきませんでした。

天井裏で接続されてるなら今日の事にはならないと思いましたが束になって
る配線のインシュロックをほどいて1本づつ確認したらこの盤内で処理して
いたのでこういう接続変更で正規の状態に戻す事ができました。
これでR-35~R-37は正規に各単独電源となったのです。
念のためリモコンの出たとこで各I0を測定してみましたが1mA未満でした
から各室内機のモーターに絶縁不良はありませんでした。
あ!故障してるエアコンは電源がないのだからI0が0なのは当然でこれ
は携帯で職場に連絡して100Vメガを持ってきてもらい測定しました。
これも20MΩ以上で問題はありません。

業者点検の結果やはりシロッコファンの不良という報告で3日後に取替工事
となりました。
紙面では伝えられませんがベアリング(軸受)が経年劣化で発生する音とか
電気主任はモーター、空調機なども担当するので現場で聴く機会があれば
覚えておかないといけません。(Vベルトのスリップ音とは違います)
初期異常音が発生して放置すると完全にロック状態となるとTHRが動作しま
すがその手前で周辺の方には耐えられない様な機械音がして大迷惑です。
(音が小さい間に交換を至急行う必要があります)
テナントビル、飲食、病院とにかく人が利用する空間では停電だけでなく異音
がするというのはあってはなりません。




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