電気主任技術者 スターデルタ始動方式

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スターデルタ始動方式の故障の半分は切替タイマー絡みです。
これはどんなビル、工場でも必ずあるモーターの始動方法です。
実際7.5KWを境に直入かスターデルタ始動方式に分かれます。
マグネットの交換方法は私の過去記事で読者の方は理解できたと
思うから故障時に在庫パーツがあるなら交換すればいいです。
又切替用の制御タイマーは通常プラグインでパーツさえあるならば
復旧には10秒で修理完了となります。
各空調機のマグネットの容量はモーターに応じて各所異なるけど
制御用のタイマーはすべて同じ物が通常使用されています。
しかも1個の価格は1万円もしないので1個でも事前に購入して
おけば電気主任技術者の方も緊急対応ができるのです。


内線規定では3.7KW以上のモーターは始動装置を使用する事
になっていますがファンやポンプなどでは現場を見てると製品として
5.5KWまではまず直入れ、7.5KWでは負荷しだいで直入れか
スターデルタ始動というのが実情です。
(内線規定は技術基準を補完する位置付けで絶対ではない)
実際ファンの様な手回しができる始動トルクが低い物なら7.5KW
でも直入れ起動で全然いけます。工事用仮設排気なんかそう!

そうは言ってもその切替タイマーがない場合はどうすれば?
私ならこうするで記事にしてみました。
★無理解なオーナーでは購入してくれない現場もあるかもしれません!
まず私の現場の空調機のスターデルタ始動方式で説明します。
(過負荷時はCTで読んだ電流で通電を停止する電子制御のため
この動力盤にはTHRはありません。)
今日1stに私のBlogを閲覧した方のために動作を説明すると
メインマグネット(M)が投入⇒スターマグネット(S)が投入⇒
10秒後にSが切れる⇒デルタマグネット(D)が投入という動作
制御タイマーが自動で行っているのです。
短絡金具がマグネットにあるのがスターマグネットなので貴方の
現場の場合はそれで見分けてね。

この回路は通常のスターデルタ始動動作もすべて基盤でしている
ので専用のタイマーがありません。(基盤で時間制御もする)
基盤制御かタイマーを使用した回路制御かは新しい現場はまず
基盤制御だと思います。
そうした場合でも有効な様に既存のシーケンスが故障してしまい
起動させるべき回路が使用不能な状況を想定しましょう。

まずモーター主電源、制御電源を切りにしたら3個のマグネットコイル
には既存制御回路から接続されてる線があるので撤去してください。

次に線を準備して各マグネットコイル端子にこの様に配線接続をします。
(流れる電流は僅かなので制御線がなければIV1.6でも可能)
当然ながらこういう作業では電気工事士の資格は必要です。

マグネットコイル端子とは過去記事マグネット交換で説明した主接点
の奥にあるここの事です。
ここに電圧をかけるとマグネットは投入されますが通常は回路がその
制御を自動しているのです。
(マグネットは投入すると頭の部分が引っ込むので目視でわかる)
外したここにあった既存線は後で戻すので必ずテーピングしてわかる
様に目印をつけておきます。

各マグネットコイル端子からの配線を以下の様にモーター主電源
MCBの二次側に接続します。
実際赤ー白端子にすべて挿入は無理なので線間で適当に接続。
制御電源MCBは単相の上小さいので6本線挿入はできないと思う。
Mの回路は直、SとDの回路は片側にSWを間に入れます。
SWがないなら通常の20Aの分電盤にある2P2EのMCBでもいいです。
もうおわかりかもしれませんが各マグネットを順番に手動で強制投入
させようと言うのです。(人間が自動制御の代わりをする)
これはとにかく今始動させる必要がある場合の緊急対応です。

SW-1とSW-2は必ずOFF状態でMCBを投入すればすぐにMが投入
まだモーターは始動しません、次にSW-2をONした段階でスター回路
が構成されるのでここでモーターは減圧始動します。
通常のスターデルタ始動方式では10秒もあればいいけど一応既存の
タイマー設定を確認してその秒数間はそのままです。
★次が一番注意されてください。★
必ずSW-2をOFFにしてスターマグネット(S)が切れたのを確認して
すぐにSW-1をONしてください。
尚、この時に一瞬無電圧になるため突入電流が流れガチャンと大きな
音がしますが故障ではありません!
とにかくこれでデルタマグネット(D)が投入されて正常運転となります。

スターからデルタに回路を切替える時、電動機は電源から切り離され再接続
されます。この時、電動機は回転しているので残留電圧を持っています。
残留電圧は、残留磁気のみによって発生されるものではなく、二次巻き線内
の残留電流によって鉄心が励磁されるために発生しています。
この残留電圧は再接続されるときに電源の位相と一致していれば問題はあり
ませんが逆位相の場合は、過電圧で直入れ始動したのに相当し直入始動
電流以上の大きな突入電流を発生させます。


SW-2を切りSW-1を入れるタイミングは自動でなら1秒未満だから手動
でも同じくすぐに、ただ慌ててSW-1とSW-2が一瞬でも同時にONされた
状態になると短絡するので注意が必要です。
モーターを停止させる場合はMCBを切れば停止します。
停止後はSW-1は必ずOFFしておかないといけません。

この間に新品のタイマーの手配をされてください。
家電SHOPでは販売されてないので電材屋さんです。
基盤制御なら専用の基盤が必要となりますがそのメーカーしか
なく納期に時間がかかるので発注を急いでください。
でも機械は動かせてるので苦情が出てない点では安心。

私は以前勤務していた工場では動力に440Vを使用していました。
その場合はモーター回路のMCBから電源を取りマグネットに配線
するとマグネットは焼けてしまいますからこれは三相200Vのモーター
の場合です。
440Vの場合は必ず200V別電源から接続される必要があります。

★スター始動まで完了するがデルタに切り変わらない場合
スターマグネット(S)の投入にはそのb接点が関係しないため一旦モーター
起動できますがタイマー時間10秒後には停止してそのままという故障現象。
タイマー交換しても駄目ならスターマグネットの補助b接点が故障してるの
でスターマグネット(S)の交換が必要です。(基盤制御でも同じ理由)

場所で言えば下の配線につながるこのb接点の事です。
応急でというならここにも前述した様なSW付配線を接続してスター
マグネットが切れたのを確認してすぐONにすれば回路を構成する
ためデルタマグネットは投入できます。
これは工場に勤務してる時、実際に父が行った応急対応です。

★最初からまったく起動しない場合
とりあえずTHRや電源MCBが切れてないかは確認してね。
THR動作やMCBトリップしてる場合はモーター本体劣化の可能性
があるので絶縁測定をまずされてください。
その確認をせずリセットで再起動なんて絶対にダメですよ。
スターデルタのメガをどこでしていいかわからない人が現場では
意外といるので説明するとUVWにつながる充電部です。
MCBの二次側やマグネットの一次側ではモーター要素が入らない

乾燥した場所にあるモーターなら通常50MΩ以上あるはずです。
もし1MΩ未満ならまず違う測定器で再度測定を行いそれでも同じ
ならばモーター交換を私ならオーナーに報告します。
法的0.2MΩ以上あっても近い内に短絡を起こす可能性がある!
★絶縁測定判定値は人の感電の危険性を問う物で機械本体の異常
有無を確証するわけではありません、だから対地電圧が基準なんです★
放置して焼けた後に0.2MΩ以上の0.3MΩありました。という返答は
現場を知らない知識だけの人で電気管理の考え方が間違っています。

後で事故調査を業者がした時にそんな低い値を放置してるのが
発見されたら電気主任の判断ミスを一番に指摘されるでしょう。
人が電気を感じるのは1mAで200Vならばその時の対地間抵抗は
0.2MΩ、絶縁測定判断値の根拠とはそれだけの事なんです。
(動力変圧器二次側は通常デルタ結線なので対地電圧も200V)
対地電圧100Vはだから0.1MΩでよく絶縁測定の根拠を仲間からも
問われるので電気主任レベルは即答できなくてはなりません。

尚、トップランナーの省エネモーターにするなら同じ出力でも
起動電流が増える
のでマグネット交換が必要となる可能性があります。
業者にもその点は検証させてください。
電気屋の営業マンが直に打合せに来た場合は特に注意してね。

上現象ないならばON/OFFはまず故障しないので以下の方法で!
最初からメインマグネットも投入されないならタイマー交換!
メインマグネットは投入されるがスターマグネットが動作しない
という状況ならばメインマグネットかデルタマグネットの補助接点
が破損してるのでどちらかの交換が必要です。
マグネット取替を外注する場合一般の電気工事士ではなく専門の
盤屋さんがするのでパーツ準備と人の手配で一週間は覚悟です。
そうなると今回紹介した様な方法でも応急起動は急務です。

10年以上経過して毎日使用するモーターでは計画的にマグネット
交換が必要すべきと言うのはこういう故障に遭遇しないためです。
盤屋さんの代わりに現場の電気主任が主要な部分だけでも事前
に交換できるならそれが管理上は最善と言えます。
ただタイマーを在庫として1個でも準備してれば故障のかなりを
瞬時に回避できるのでその程度は準備されておくべきです。

★これは2コンタクト方式です。
この場合でもタイマーは制御の中核を構成しているのです。
B2-2がON⇒88RがON⇒タイマーTLRと52Y-MCが同時ON⇒モーター
スター始動完了⇒タイマー時間後⇒TLRのb接点切り、TLRのa接点入⇒
52Y-MCがOFF⇒52Δ-MCがON⇒モーターデルタ始動完了!
(この方式は常時電圧がかかり絶縁低下し易いため3コンタクト始動
が一般的には多いです)

初めてこういう物を扱う場合、回路上では理解していても実際のパーツ
配置でどれがどの線かわからないと何もできません。
通常配線には線番がどこかにあるのでまずそれで確認して図面
と現場の配線配置を日頃からリンクしておきましょう。
職場の先輩なんかに聞いてもここまではわかるはずありません。

たとえば赤い矢印の配線番号(線番)の見方だけど線番001に接続
される配線はすべて線番が001と見るのです。
シーケンスを触る場合はこれで現場の配線が何かを見分けるのです。
逆に接点などにあるのはそれの端子番号と言いますが、この場合だと
加湿センサーHDの3番にR24の電源線が接続されてると読むのです。
私は別に誰かに教わったわけではなくて扱う内に自然に理解しました。
パズルが得意な人ならシーケンスは簡単に習得できると思います。

上の様な温度や圧力制御などの自動制御はどこの会社も業者契約して
いますがスターデルタ始動方式の様な動力盤までは通常されてはいません。
ですから動力盤故障ではすぐ来る義務のある業者はいないのです。
夏場暑い時に冷房ができない、重要な何かが使用できないなんて相当の
苦情が利用者より出てしまいます。
しかもまだ数日となるとオーナーがテナントに対して陳謝に回る必要まで
出て来るのでオーナーから"現状のなぜ?"を質問されるでしょう。

そこでオーナーから電気主任の人に言われるのは電気技師と言う
なら応急でも何とかならないのか?
という話になるのです。
NOならば"なぜできないのか"を弁解までしなくてはいけません!
もっともこんな時こそ自分をアピールする最高のチャンスでもあります。
トラブルこそそう思え、実際に対応できる人はすぐに職場の要として
仲間やオーナーからも技術者として認められ高く評価されます。
電気主任として着任したら必ずいつかそれを試される時が来ます
それに挑戦するか退くかで職場での立場が決まっていくのです。
もちろん成功しないと評価は下がるからプレッシャーは私もあります。
★電気主任なんて点検と巡回だけして、何かあったら業者という意識
でこの職につくと手痛い洗礼を受けてしまいますよ。★

何かトラブルが発生した場合の処置において大丈夫か?という判断
は過去の経験で上手くできた事、できなかった事の蓄積が大切です。
本や当事者でない他人の安易な意見はそれが発生してるその現場
条件まで見てないから、想定外が絡むと失敗や事故に至るのです。
自分が自信を持ち対応できるのは自分が経験したキャリアしかないです。
更にお仕事日記はつけましょう、現場で感じた事や業者など熟練者から
学んだ事はすぐにメモしておく様に私はしています。
(本や資格試験の勉強では学べない事の方が現場では必要な事が多い)