電気主任技術者 仕事:コンドルファ始動盤の火災発生

今回の話も父が電気主任をしてる工場に私が勤務してた時の話。
それは私が休みでいなかったんだけど事故の概要は朝、工場の
冷房のためターボ冷凍機を稼動させたらVCBがOCRで動作して
トリップしたという電気を管理してる人には有難くない話です。
すぐに電気室に行くと焦げた様な確かに何かが短絡でもした様
な臭いがしていたそうです。(OCRとは過電流トリップ)
VCBが過電流トリップするとアークを遮断する事でそんな臭い
までするのですね。


この工場も私が今管理してる現場と同じく22000Vで受電して
それを6600Vに変性した後にこの6600Vで冷凍機の高圧
モーターを起動させていました。
N02冷凍機のコンドルファ始動盤から異臭が出ていたので
点検したら焦げていたそうです。
そこには三相の単巻変圧器がありそれが逝っていました。

コンドルファ始動方式は、電動機の一次側に単巻変圧器を入れ
低電圧で始動開始させることで突入電流を低減させる始動方式です。
スターデルタ始動と異り、コンドルファ始動はリアクトル始動と
同じく減電圧から全電圧に切替える時にも電動機の電源電圧が
途切れることがないのでスターデルタ始動のようにスターから
デルタに切替える際発生する突入電流が生じないと言う
利点があるの

始動の順序はコンタクターB及びCが切りでコンタクターAが入る
次にコンタクターBが入り電動機には全電圧の中間タップ値に
等しい電圧がかかり始動を始めるの。
電動機が全速度に達するとコンタクターBが切れ電動機は
リアクトル始動の場合同様に電動機回路へ直列にリアクトルが
挿入された状態となり、その後コンタクターCが入り電動機は
全電圧運転となり始動は完了します。
コンタクターCの回路はバイパスした状態になり電源の一瞬
の開放がスターデルタ方式みたいにないのがわかるでしょう?

たぶん当時こういう事まで理解していたのは父、私、一部の人だけ。
意外と現在扱ってる人でもわからず操作してる人多いと思います。

すぐに冷凍機のメンテ業者に連絡したらそこの社員ほとんど
全員が来てこんなトラブルはめったになくてそこから専門
の電気屋さんを呼ばれました。
次の日は私も出勤したたんだけど大きなトラックに変圧器
を積み、レッカー車まで来ていました。今から何が?
なんとその変圧器は6600Vを3300Vにするタイトランスという特殊な
変圧器でああいうのを見たのは初めてでした。
見た目はOIL式の500KVA程度の変圧器だけど二次電圧まで
高圧と配電用変圧器とはまったく異なります。
写真がそのタイトランスで丁度この位の大きさでした。

重さも1トンはあるんだろうし、トラックからその機械室まで移動
させるのに相当の苦労されていました。

あれ?もしかしてこれで減圧起動させるのでは?
その位の検討は私でもすぐに想像はできました。
けどそれではスターデルタみたいに電圧切り替え時に突入電流
が流れるからヤバイのでは?しかも高圧でやるの?
でも業者さんがしてる事だし私が工場の電気主任でもないので
この対応を興味深く見ていました。
焼損した単巻変圧器は納期に時間がかかるのでそれまでの
応急対応との事でした。


いきなり機械室のこんな真ん中に高圧の変圧器がドンとある
なんて...でも今はそんな事を言ってる暇もないか?
当時の写真を撮ってないのだけが残念です。
冷凍機盤のコンタクターは生きていたのでそれに接続され
シーケンスもかなりいじっておられました。
さあ試運転開始になりました。
あの当時の私は今とは違い現場の電気が怖い女子でしたので
父の背中に隠れていつでも後に逃げれる様にスタンバイ!
人は見た事も自分の常識にない物を目の前にするとやはり
怖いです。ドカンと火花が出るのではと思っていました。

もちろん起動しました。
問題は電圧が3300Vから6600Vに切り替わる瞬間
ガチャンと大きな音を感じましたがその後は正常に冷凍機
は運転を継続しました。意外に大丈夫みたいでした。
ただコンドルファ始動方式ではカタンと小さな音がするだけで
したし電流もこんなに大きく振りませんでした。(突入電流)
まさにスターデルタで高圧モーターを回す様な物ですね?
冷凍機用のOCRがもし飛んだら受電に影響を与えない範囲で
設定をいじろうかと父は言っていたけどそれは必要なかった

変圧器は相当に頑丈そうでしたしこの電気屋さんはたぶん
他でも昔こういう事で急場をしのいだ経験があるから
迷わずこれをされたのでしょう、まさにこれこそ経験ですね。
経験のない者ばかりが理論だけでであれこれ言ってもこんな時は
何も前にはいきませんし結局何も解決できません。
実際に6600Vをかけるのだから意見ではなく完全なる答えが
必要なわけで本のお勉強だけの知識なんて意味ありません。

父から通常の低圧でのスターデルタ起動の切替時の事を思うと
確かに6600Vで突入電流を伴う方式で起動させるのは不安を
感じただろうけどモーターの運転電流は高圧だから低圧モーター
より逆に低いから俺は大丈夫と判断して許可したんだ。と聞かされました。

ちょっとこっちへ来いとつれていかれたのは高圧コンデンサー
のある場所。
もしこの低圧用のクランプでこの高圧ケーブルを挟んだらどうなる?
...お父さん、それってヤバイからヤメテとお願いしました。
普通はこんな事をしてはいけないんだけどお前にだけ見せてやる
父は高圧コンデンサーの高圧ケーブルに低圧用のクランプメーター
をケーブルに触れない様に挟んでしまいました...
あれ壊れないで普通にコンデンサーの電流を正確に表示してる!
そう100Vも6600Vも電圧を忘れたら1Aは同じ1Aなんです。

なんとなく今回のタイトランスでの作業を父が許可した意味がわかった。
ただクランプメーター取説に対地電圧が600Vを超える場所の計測
は感電の危険性があり禁止とあります。ので念のため!

私が勤務してる現場冷凍機は吸収式冷温水発生機で500冷凍トン
が3台と250冷凍トンが1台ありますが高圧モーターはないので
そういうヤバイトラブルとは無縁です。
(冷媒は水でそれを真空状態で蒸発させる事で冷す仕組み)
ちょうどこんなタイプで全体は防音のため箱に入っている
ので全体姿を私は見た事はありません。
中央監視PCでも要所の温度は見れるので通常は遠隔監視
で1日1回担当の方が巡回されて機械の様子を見ています。
大きなトラブルは1回もこれまでありません。

冬は暖房用温水も作れるのボイラーは必要なくなります。
これになると冷暖房に関してはボイラー技士などの取扱いの
ための一切の公的資格もいらない、誰でも操作可能!
(冷房時も暖房時もSWのONだけで何の操作もいりません)
高圧モーターがないので契約電力を今の2/3にはできるので
電気基本料金を下げるために契約電力変更も絶対にされます。
病院やホテル以外ではボイラーやターボ冷凍機はいずれは
なくなり吸収式冷温水発生機か完全個別空調になります。

ただ古いビルや工場では今だに高圧モーターで起動させる
ターボ冷凍機があるのでそういう現場の電気主任技術者を
される方は注意されてください。
冬にボイラーが必要な現場はまず間違いなくターボ冷凍機
があります。

それがいけないと言ってるのではなくてコンドルファ始動について
よく勉強されておいた方がいいです。

最初の話に戻るけど今の私が推測するとコンドルファ始動
に使用される始動用単巻変圧器には30秒とか60秒定格とか
あって通常は起動時の10秒程度しか使わない条件で設計して
あるので凄く全体が小さいのです。
言葉は不適切かもしれませんが過負荷状態で使用するけど
熱的に危険状態になる前ですぐ切るから大丈夫
という話
もしその切替タイマーが故障していて通常より長い時間それに
電圧がかかっていたのでは?

今思えば頼みもしないのにそういうタイマーとか電装関係まで
業者が2日目にすぐ交換していたのが気になります。

その故障時に冷凍機を運転した人は機械は好きだけど電気は
中学生レベルの人だったから減圧起動をどのくらいしてたか
聞いてもさっぱり状態????
運転電流計の変化を見ていたらそれはわかります。
最低限扱う以上は冒頭で述べたコンドルファ始動の動きを
知っていたらいつもより減圧起動の状態が長かったとか?
具体的な故障理由がわかったかもしれません。
特に電気主任技術者が運転して故障が発生した時に
状況がサッパリでは恥だと思うよ。