電気主任技術者 仕事:受電設備基礎説明

これから電気主任技術者を目指す方の参考に書いてます。
22000V受電室にはガチな骨董品に近いアナログ針メーター
が1個今も不自然にあるの
これは歴代の電気主任からの遺産だけど私もこのお仕事
をする様になりこういう針メーターが好きになった。
(受電22KVだから22000Vを示しています。)

もちろん下↓が正規の盤付きのメーターで22.1KV、60Hz
COSφ=99.9%と情報としてはこちらの方が便利。
切替えればRSTの各電流値や対地間電圧も表示できる
マルチメーターで今はどこもこんなだと思う。
ただこういうのは一旦デジタル値に変換して表示させてる。
針メーターは22000VをVTで110Vにしてるだけで電圧
が今確実にあるかないかを検電以外で的確に教えて
くれるので一番信頼しています。
経験上もっとも信頼できるのは高度で複雑な仕組み
ではなくもっとも単純な仕組みだと思います。
受変電に関しては中央監視室のPC情報のみでは一切
行動せず、必ず現場のメーターで確認するのが私のこだわり!

受電で異常が出ると下モニター部分の該当ランプが赤く点灯。
左から制御電源100/24、過電流、地絡過電流、不足電圧
地絡過電圧、過電圧、方向短絡、不足周波数、逆電力と
あるけどこれはその現場に着任できたらその製品の仕様書
を読んでまず最初に勉強されてください。
現場の電気主任技術者なのにこれらが意味不明ではお仕事
になりませんから
現場により仕様が異なるけどどんな現場でも過電流、地絡
不足電圧、過電圧の4個は必ずあります。


上の表示とリンクしてるのがこれで継電器と言います。
ここで各動作設定をしたりこちらにも異常の動作表示が出る。
よく電気屋さんがターゲットという会話をするけどターゲット
とは異常表示の事を意味しています。

こういう物の取扱説明を最初読んでも難解で慣れないと
すぐには理解できないけどこの次元では継電器内部の
電子回路の流れまでは必要ない
様は設定の仕方と設定の意味を知る事が大切です。
一例をあげるとこういう物は受電電圧を110Vに変換
して電圧制御ではこの110Vがある時にここでは22000V
があると認識しています。
(6600V受電現場なら6600Vの時110Vです。)

貴方が今後一番関係するターゲットは不足電圧です。
受電で停電した場合必ずこれが動作してこれを起点にして
非常用発電機が運転したり各高圧VCBが所定の動作をする
事になります。
(停電作業の時は発電機を基本動作させません)
不足電圧はUVRとか27という言い方でもしますがこの3個
の呼び方は必ず覚えておいてね。

UVRは何Vで?それが何秒継続したら?の2条件で動作します。
たとえば80Vの2秒で設定したなら先ほど22000Vを110Vにする
と説明したけど、その比率で言えば16000Vが2秒間継続したら
UVRが動作してメインのVCBをOFF、非常用発電機を自動運転
させます。

メインのVCBと非常用発電機の送電用VCBは同時に投入
できない様に安全装置が必ずあります。
こういうのをインターロックといい、ビル外に逆送電
を防止するためです。

UVRは電力会社から電気がくれば自動復帰するけど過電流
地絡だけは現場で安全を確認して手動復帰させるのが原則なの
でそのままでは復帰しない、復帰しなければVCBは投入できません。
復帰は原因調査し修理完了するまでは絶対に禁止です。
この場合は所内事故でメインVCBが切れて全館停電になって
いますがVCBの一次側の電圧はあるのでUVRは動作しません。
そう受電の電圧計やUVRというのはメインVCBの一次側の
電圧を見ているんです。
最初の針メーターのとこに電圧確認とあるのは所内事故
か電力会社の停電なのか知る意味もあります。

UVRの機能がある部分の継電器がこれです。
少し写真がわかり難いけど赤いLED点灯部分が不足電圧
この動作表示だけは残るため手動リセットすれば消えます。
UVRのターゲット表示はあくまで遍歴であって制御には
まったく関係していません。
上のモニター表示でも中央監視でも確認できるのでこの部分
の表示だけは停電作業の後もわざと残しているのは後で
職場の人に勉強会で教えるためです。

次に絶対知る必要があるのはCTという物です。
たとえばこういう電流計があったとします。
最大で2500Aの電流を直接計測するわけにはいきません
からこれを先ほどの22000V⇒110Vで認識すると同じ理屈
で電流もメーターの最大値⇒5Aとして認識しています。
この電流変換する物をCTと言いい、受電にある過電流の設定
もこのCTの出力値に合わせて設定していきます。

実際のCTとは私の勤務してる現場ではこれです。
赤い色の物体だけどこの場合の変換比率は2500:5の
CTがあるという言い方を一般的にはします。
(22000V特高室にあるのは接近するのが危険なので低圧
1φ3W盤についてるのをUPしたけど基本は同じ)

たとえば過電流の設定が4Aがならば上の場合だと2500Aの
時に5Aだから一次側が何Aで動作するか比率計算すれば
わかるでしょう?
受変電の過電流の設定をする物をOCRというけどそこでの
設定の基本はCTが5Aの時に一次側の電流が何Aかをまず
調べる事から始まります。
OCRの動作時間はそこに流れる電流に反比例して動作して
これは反限時特性といい、ある値以上の過電流では瞬時に
動作する瞬時特性もありこれが最初わかり難いかもしれません。
(いつかそれも記事にする予定です)

次にLBSや断路器の開閉などDS棒を使った実際の操作

頭でわかっていても経験がないと手が震えるでしょう。
それに不完全にブレード(刃)を投入しては熱を持ちますよ。
これを練習する機会も難しいのでもし未経験ならば
停電作業の時に業者に言ってまず見本をしてもらい
そこで練習されてください。
え?電気主任なのにそんな事もできないの?という顔を
されてもどこかでその恥をかかないといつまでも
何もできる様にはなりません。本なんか読んでもダメ!

前記事で変圧器を止める場合を記事にしたけどDS棒
を使いLBSを切ったりする操作は時々電気主任は
しないといけません。
切るのは簡単だけど投入する時にどの程度の力具合で
入れたらいいとかどの位手前から押し込めばいいかとか
その力具合などは文字にできないのです。
先輩に教わりながら自分の体で覚えるしかありません。


電験を取れたら電気主任技術者になれるかもしれない
けど現場の本当の電気主任技術者になるには現場着任
してからが日々勉強なんです。
難解な微積分を使う電気計算ができたとしてもそういう設備を
研究開発してるとこに勤務してる人や学校の先生以外
つまり現場の保守管理をしてる私たちではたぶん一生現場
では使う事ないです。
電気工事の仕事でも本にある高度な電気理論は必要ありません。

私はこの会社に入社する前に父が電気主任技術者をする
工場で働きながらそこで現場作業をいろいろ覚えました。
一般的にこういう受電設備に関して習えるとしたら停電作業
の時だと思います。

彼らは貴方の数倍の電気のプロフェショナルですから現場の
実務を習ってください。プライドなんかその時は捨てましょう!

一人でいくら本で勉強したとしてもたかがしれています
車を運転した事がない人が本で運転操作を勉強しただけで
東京まで運転したら絶対事故を起こします。電気も同じです!
実際の現場で発生する現象は頭で知ってる単一な知識
のみでは発生せず、それを生かせるのはよりたくさんの
現場経験がある方だけなんです。知識を技能にするのが経験