2015年6月13日土曜日

電気主任技術者 仕事:低圧配電設備

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22000Vで受電⇒6600V変電(第1変電室)⇒各低圧変電室
という流れで私が勤務してる現場は電気が変化していきます。
今回は屋外にあるキュービクルの一つから200Vの電源CVT
ケーブルをテナント入居に当たり配線する工事空MCBがない
ので増設のためキュービクル内の動力変圧器を1台停止させ
ないといけません。
このキュービクルは6600Vで受けて100や200Vにします。

キュービクルの裏を開けると変圧器があります。
幹線ケーブルの工事になると電気工事業者にさせますが
その場合幹線を接続するMCBがないと盤内に増設をする
ためMCBの一次側の電源を停止させる必要がありつまり
変圧器を停止させないといけません。
この変圧器を止めるのは誰がするのか?

工事業者というのは基本的に電源の操作はしない.
電気主任技術者が変圧器の停止操作をしなければ
いけません。
電気主任技術者になるとこの操作は時々ある
ので
これから目指す方は知っておいてね。
彼らは指定したルートのCVTのケーブリングとテナント
室内分電盤工事が仕事でこの変圧器の影響範囲まで
知らないので無断で切ってトラブルが起きてはまずい。
だから必ず貴方に変圧器を止めてください。とお願いされ
ますし、何かあった場合に業者が操作していたというのでは
電気主任技術者として言い訳ができません!

尚、実際のこういう作業は変圧器に絡むテナントすべてが
停電となるので場合によっては夜中でないとできない事が
多いと思う。
工事日は関係するテナントすべてから承諾をもらえる日
となるので工事日を決めるのも電気主任技術者の仕事!

最初にその変圧器の二次側のMCBをすべてOFFします。
こういう物のレバーは基本上か右にするとONになり
この場合はこのレバーを下にします。
初めて操作すると家にある20AのMCBとは違い思いほか
操作に力が必要ですがそれが正常です。
1個切ったら必ず指差確認で"ヨシ"と声に出してください。
馬鹿みたいだけどKYT(危険予知訓練)をする様なまともな
現場では指差確認は必ずします。
つまらない事故は不注意から発生して今自分が何をしてるのか
アクション事に確認の声を出す事でかなりが防げる

次にLBSをDS棒で操作してトリップさせます。
これで変圧器一次側6600V給電が停止するので変圧器が
停止できますが、すぐに接触接近してはいけません!
この時アークシュート(白)からブレード(刃)がガチャンと
降りてきますが初めての方はびっくりしないでね。
後LBS一次側には6600Vあるのでどこに電圧があるのか
ないのか確認して業者にも一言注意してください。
彼らは慣れてるかもしれないけど安全確認の指示をしたか
というのは事故が発生した時に問題になりますから

特にこういう区分停電での作業はすぐ隣は充電状態で
電気主任技術者とは○○の保安監督ですから作業員が
感電死傷事故でも起こしたら貴方の責任になります。
けして変圧器を止めたからと部屋に戻り一服しながら
作業の完了を待っていてはいけません。

作業の立会いとはだから必要で意味があるんです。
後下請け作業員の服装にも気をつけてください。
一度夏の作業で年配の作業員で半そで姿で作業
していた人がいたので外してもらった事があります。
電気主任技術者は不適切な工事を中断する権限が
あので遠慮していては災難は自分にかかります。

よくこういう安全チェックシートというのがあるけど大手の
電気工事業者では必ず今はされる時代でこういう数名
でする電気工事ではされる事はあまりないので自分で
作成してされたら電気主任技術者として万全です。
職務中のケガは必ず労災問題になりますからそんな
あってはならない事が発生した時に貴方は保安監督の
責任者として何をしていたかを証明できます。

LBSを切ったら盤表の電圧計が0Vである事を確認
この状態で電気工事業者に合図すると彼らは検電や放電
処置、場合によっては接地処理をされます。
高圧検電器を業者が持参してない場合はこちらで準備
してLBSの二次側、変圧器一次側の検電はされてください。
上の盤付メーターは変圧器二次側のみの確認です。
(安全チェックシートにはこれらの項目も必ず入れる事)
スィツチ切りを何度も確認したから安全確認OK。は通りません。
電気が消えてる事を確認するのが安全確認です。

停電はどんなに大規模な受変電設備でも末端から
切っていき最後にメインのVCB又はLBSを切ります。

これがどこでも停電作業の基本
でもいきなり大元のVCBやLBSを切ったとしてもその
程度で機器は壊れはしないんです。
短絡ではなく通常の負荷状態での急なトリップ程度
で壊れていては使い物になりません。

負荷電流が最小の方がVCBに負担がかからないと
思ってる方もいるかもしれませんが負荷電流が通電
状態での手動トリップは性能保障範囲でましてそういう
作業をする時は負荷は停止しています。
つまり電流もほとんど流れてないのでそれならいきなり
メインを切れば1動作で停電作業は完結します。

ではなぜ末端から順次切り操作をするのか?
意外とそれを質問されて全員が答えられないと思います。
実はこう切る事で設備に帯電する電気の量を最小限
にする事ができるのです。

機器のためではなくこれから作業する人の安全対策
のためにこういう操作は必要です。

上の様なキュービクル程度の範囲でならいきなりLBS
切りで停電を行ってもほとんど影響ないかもしれない
けど22000Vの引き込みにある大元のVCBでいきなり
これの1動作で全館停電をさせるのは絶対ダメ!
もちろん放電処置は必ず高圧作業ではしますが操作と
しても帯電量を最小に抑えるのは大切という意味だと
思います。
もし作業員が感電したら必ず停電作業の操作手順から
調べられます
から基本通りにしておけばいいんです。

実は前任者はいきなりMain切りでビルを全停電させていました。
まだ入社したばかりの私はそれを見てビックリしたと同時に
この人がいない来年の作業からはきちんとした方法で作業を
行う事を誓いました。
ましてこの現場はあの保安協会を下請けとして雇い作業を
してるのですから大恥です。

こちらがお金を払ってるので保安協会はあえて何も言わないけど
この現場の電気主任技術者はど素人と絶対思っていたはず。
どうも彼の素性は資格だけ取ってその前の前任者から引き継いだ
みたいですが他の現場を知らないから先輩の悪い習慣が
正しいと信じていたんです。

彼がいなくなった最初の年の停電作業からはすべて方法
を変更して私が父の工場で覚えた正規方法で作業を行いました。
こういう事に限らず電気の操作と言われる事には意味があって
それを知らないと自己流で楽な方法をしてしまう現場もあるかも?

前述の作業の話に戻るけど電気工事業者が作業が終了
しました。と言ってきたら二次側のMCBがすべて切りの
状態で変圧器二次側から対地間絶縁測定
をしてください。
相間は100Vメガレンジで測定するのが無難でしょう。
これは工具などを充電部に置いたままにしてないか確認
するためです。
もしそうなら0Ω状態となるのでそれでLBSを投入したら
大変な事になるのは想像できると思います。
★変圧器の二次側~MCBの一次側間での短絡事故は一番
してはいけない事★で被害は相当になります。

最悪この変圧器は数日使用不能となり、店舗が絡んで
いるとその間の売上げ保障など修理費も入れたら数百万円
の費用が発生してしまいます。
電気事故は一瞬で発生してこういう変圧器周辺でのそれは
甚大なので安全確認は何より大切だと思います。
当然起こしてしまったら電気主任技術者は解任でしょう。
忘れた業者が悪いでは済みはしません!


電気を生かす時は停電の逆でLBSを投入して
電圧計で変圧器二次側電圧を確認したらMCBを順次投入します。
何もないはずだけどLBSを投入して変圧器を生かしたら
まずは電圧がきちんと出てる事は必ず確認してね。
MCBを投入する事はテナント財産に通電する事で変な値の
電気を送電してはいけません。(電気の品質の確認)
そうあるはず。という思い込みの裏で事故は起きます。
いくら物知りでも事故を起こしたらすべての信用を失う
技術論より安全への意識が現場の電気主任技術者には
優先される事項です。

貴方がいくら凄い物知りでも実作業をしてる作業員は必ず
しもそうでない場合もあるから安全確認は必要なんです。