私が勤務するビルでは今月8月は500冷凍トンの冷温水発生器を
3台運転しないとテナントや利用者から苦情が出ます。
ただ昨年共用部のほとんどをLEDにしたせいか今年は4台運転の必要
がないのは驚いています。
自社ビルなら明日から館内省エネのため夏は28℃で我慢させる事は
可能だけど商業ビルではそれは不可能なんです。
常に室内は23~24℃でないと現実無理だから夏場はエネルギー消費
は1年で一番高くなります。
ビルではその構造の違いでどの程度の温度の風が必要かは現場により
かなり異なります。
こういう物は実際に目的を達成できた状態がすべての答えですからその
結論で言えば私が勤務するビルでは空調機からの吹き出し温度(SA)
は夏場15℃より低い温度でないと部屋の温度を快適温度にできません。
(仕切りで完全区画された事務所ビルならば20℃でしょうね)
特に商業施設では間仕切りもなく吹き抜け構造にでもなってれば15℃
より低い温度でないと館内冷房は効きません!
この時期では外気(OA)が35℃もあるためダクト内では空気が圧縮
されるので38℃にもなりたとえ全熱交換器があってもOAは相当な
冷凍機の負荷となってしまうのです。
夏場はOAをいかに減らすかが省エネと迅速な快適温度環境にする
一番効果のある方法であるのは昔から言われています。
冷温水発生器もターボ冷凍機もCTの水温度を見れば負荷状態は
わかるのですがCT入水温が37℃、出水温が32℃でMAX状態。
それでいくと12時の時点でこんな状態だけどこれからピークとなる
ので各負荷は90%、90%、100%に14時にはなります。
もしもこの温度が3台共MAX水温度になるなら4台目運転が必要
ですがまだそこまでは今年はありません。
定格負荷を超えてしまうと今度は冷却水温度が必要以上に上昇
してターボ冷凍機ならば高圧カットで強制停止になります。
CTの入水温度を絶対にこんな状態にしてはいけません。
冷温水発生器は構造が違うのでターボ冷凍機の様な強制停止
はないけど逆に能力が落ちてしまいます。
長期にこの状態ですと何がしかの故障もありえるかもしれません。
CTは入れた水を5℃冷やす機械ですから出は35℃となりこの温度
では32℃を超えてしまうのです。
ビルの電気主任をする場合は交代で空調管理をしないといけない
ので各冷凍機器の仕様は知っておかないといけません!
係長から空調の事をわかってない人もいるので勉強会をしてほしい
と言われたので今回はこれをテーマーにしてみました。
これはある空調機のSA温度(サプライ)の温度変化をグラフにした物。
(中央監視PCはただ遠隔操作するだけの物ではなく分析もできるの
ですがほとんどの方は操作も知らずされません!)
あえて利用者の少ない日に1000冷凍トンで運転をしたのが下です。
9:30~10:00に大型空調機が運転すると18℃まで上昇して14℃まで
低下するのに夕方までかかっています。
これでは利用者が通常の営業日では苦情が出てしまいます。
冷房では冷凍機単体の知識だけでなくその現場空調システム状況
を把握しておかないと快適環境は実現できません。
中央監視PCで過去の温度変化の状況はわかるので外気温度と
重ねて検証していくとその現場で一番必要な運転方法は自然
とわかります。こういう分析するのが私は好きです。
次に3台運転の1500冷凍トンの場合が下ですが同じ負荷条件でも
目的の14℃を外れていません。
とにかく14℃の風を相応の風量で空調機からダクトに出さないと
私が勤務するビルでは快適環境にならないこれが結論です。
先輩の中にはいつも冷凍機の画面を出して監視してる方がいます
が冷凍機もだけどこの空調機のSA温度がもっとも重要なのです。
もしポンプの二次側にあるバイパス弁が故障して空調機への冷水
の量が不足するとSA温度が上昇してしまいます。
私が空調担当の時はこの★空調機の冷房の結果を重視します★
それでは3台運転の状態をどのタイミングで台数を減らせばいいか
今丁度良い写真がないので暖房の場合で説明すると空調機の
送りと戻りの温度差が少なくなったらです。
空調機のバルブは負荷が下がる事で閉まりだすと熱交換をあまり
しなくなるので冷房なら水の温度が上がらない、暖房なら下がらない
つまり冷房時期なら送りが9℃で戻りが9.5℃になればそうです。
その状態でCTの温度を見ると入り32℃出が28℃とかに必ずなる。
冷房中に送りの温度しか見てない人がいて温度が下がらないから
冷温水発生器を何台も無駄に運転...だって負荷がないから容量
制御を機械自体がしてるからなのです。
冷水の送りと戻りの温度差の意味を知ってれば気がつきます。
大先輩から凄く怒られていたのを見た事がありますが貴方がもし
そういう現場に着任したらそういう失敗はされないでください。
電気主任ともあろう人がそんな程度では笑われてしまいます。
ダクトから出た冷たい空気は天井内にあるVAVという可変ダンパー
で室内設定に応じて風量制御されるのです。
この吹き出し点では15~17℃程度の風が出ています。
ただテナントや店舗は時々変化するので基本空調で不足する部分
では個別空調(家のエアコンの規模が大きい物)で補助冷房をします。
こういう各所を冷暖房する設定装置ですがオレンジが設定で緑
が現在温度、バーコードみたいなのが冷水バルブへの開度出力
開度出力が100%なら空調機のSA温度は14℃になっています。
ただこの現在温度表示はレターン温度なのでそのSA温度はここ
では確認できません。
中央監視PC上で前述の様に確認するかダクトにある温度計です。
とりあえず今8月時期は開度出力が100%に昼間はなってないと
いけません。
ただこの状態では冷水バルブは全開ですからより冷やすならばもう
設定温度を下げても駄目でNO4冷凍機を運転させて冷水その物の
温度を下げるしかありません。
つまりTotalで1750冷凍トンの運転という事です。
空調自動制御の基本ですがこの様な動きをします。
熱源が冬はボイラー、夏は冷凍機という昔の方式と違い今はセントラル方式
では冷温水発生器となりますので1個のバルブに夏は冷水、冬は温水を通し
て冷暖房を行います。
そのため夏と冬では温度に関するバルブ動作が逆になるので動作切替が
必要となります。
バルブが全開では設定変更では対応できない意味もわかると思います。
もちろん私たちも快適環境の努力はしています。
私は猛暑時にタイマーで熱い外気を自動遮断する改造をすべて
の空調機で会社に許可を得て行いました。
★私物ではないのですから絶対に無断施工はしてはなりません★
自動制御図面でダンパー制御の仕組みを確認32-31間が通電
されてダンパーが開き、OFFになると33-31が通電されて閉まる
のがわかりますがこの制御をするリレーをタイマーで強制ON/OFF
させればいいのです。
これがそのOAダンパーでこれが閉まる事で熱い外気がなくなる
ので冷凍機の負荷が相当減らせます。
もちろんビル管法で言う室内C02が1000ppmを超えてはいけない
のでOAダンパーの開閉は30分事に行う事にしました。
これを行うのはデマンドがピークになる12時~15時までです。
尚、こういう物は高い位置にあるので人が手動操作で日常的に
操作するのは現実的ではありません。
まずこの現場のシーケンスを見るとFX2リレーでOAダンパーの開閉を
しており他の自動制御に絡まない単独回路である事を確認できたので
FX2リレーの上側の間にタイマーの接点を入れたらいいのです。
その上に何やら接点があるけど空調機運転中は常時ONになるだけ
なので今回はそのまま変更の必要なしですね。
もしFX2リレーが複数回路と絡む場合はこのリレーと並列にもう1個
リレーを増設して既存のOAダンパー接点をこちらに接続変更が必要!
あくまでOAダンパー開閉の動作だけをタイマー制御したいのです。
その辺だけは確認しておかないとOAダンパーをタイマーで強制閉鎖
したまではいいけど冷温水バルブが全閉のまま開かない、冷暖房が
できないなどなど思わない不具合が回路上発生する場合もあります。
だから複数回路が絡む場合は挿入するタイマー接点はFX3の頭で
FX2リレーには影響を与えてはいけないのです。
タイマーの接続だけど本体上部分に見えてると思うけどCOMとNC
間に接続を今回はします。
通常時はOAダンパーは開けておくため専用リレーはONとして閉鎖
時間だけそのリレーのコイル電源を切りたいのです。
(つまりピンを倒した時だけ接点が切れる動作にする事)
照明で使うNO接点を使うとOAダンパーを開けておきたい時間帯
すべてのピンを倒す必要があるので面倒ですからね!
このタイマーを起動させる電源が当然必要ですが自動制御回路
では多くがAC24Vや更に整流してDC24Vが主回路の電源である
ケースが多いので使用されるタイマーの必要電源に合うポイント
から取らないといけません。
タイマー施工自体は簡単なのですがそれをして不具合が発生しない
かの検証がシーケンスを改造する場合は大切です。
送風用モーター電流値が18.5Aから15.9Aに低下していますが
これがその証拠です。
業者に依頼すれば設計費etcですべての空調機でその改造をお願い
したら100万円でも不足だったと思います。
私の場合はタイマー代金のみですから20万円はかかりませんでした。
これは会社の改善提案募集で特選に選ばれて賞与も10万円余分に
頂きましたので私も恩恵はありました。
それより自分が計画した何かが正式な設備として採用された事は
自分の自信につながりました。
上の空調機の場合で省エネ効果を試算してみましょう。
空気比熱0.24(Kcal/Kg℃)、密度1.25(Kg/㎥)、OAダクトの通過
空気量を仕様書から15000(㎥/h)として省エネ効果を試算しました。
㎥/hは質量ですから重さを求めるには密度を掛けるので1時間当たり
の空気の重さは15000(㎥/h)×1.25(Kg/㎥)=18750Kgの熱い
空気を削減できます。
又この時の空気温度を35℃と想定すれば熱量は0.24(Kcal/Kg℃)
×18750Kg×35℃で157500Kcalの熱量をOAダンパーを1時間閉める
事で防ぐ事が可能になるのです。
★全機械で行えば最低1割は熱源エネルギー消費を削減できます★
前年度の同時期と比較すれば冷温水発生器ならガス料金、ターボなら
ば電気料金と数値に必ず表れてきます。
又冬は厳寒時の冷たいOAを制限すれば暖房熱源の負荷を減らせます。
年間で言えば100万円は超える削減額で20万円パーツ代がかかっても
必ずそれ以上の効果があり不要に多いOAは削減すべきです。
まずオーナーに提案する場合は上の様にまず期待効果を数値で示す
のが最初のアクションですね。
問題は室内CO2濃度が1000ppmを超えてはいけないので施工前にOA
ダンパー制御リレーを強制OFFで運転させ可能かどうかの検証は必要です。
ハンドバルブはあっても高所にあり危険なのでそれでOAの開閉を行う
場合は十分に気をつけて、普段操作しないので固着の可能性もあり。
人員が多く常に1000ppmを超えてる場所ではこれはできませんがよほど
狭い空間でなければ通常CO2濃度は500~700ppmのはずです。
ですから全台無理でも何台かの空調機ではできると思われます。
業者に依頼したら100万円はかかるので現場の人が取付する事に意味
があるのです。必要なのはタイマーで1個1万円前後で買えます。
(業者は設計費、人件費などがやたら高いのです)
上手くいけば★貴方の会社での評価は必ず上がりますよ★
その時は会社での立派な省エネ推進リーダーですね。
更に電験三種以外でエネ管の資格まであれば言う事はありません。
タイマー部品代は台数分相応の金額になりそのお金を出すのはオーナー
もし失敗したら?任せてください!大丈夫です。どちらの気持を自分
で持てるかが今後の自分の立場(将来)を決めるのです。
今の時代はその程度の積極性がないと電気主任と言えど明日の保障
はなく、なぜ自分がこの現場で必要なのかアピールが必要です。
特に高圧受電ビルの場合、記録と巡回だけの電気主任なら資格があれば
誰でもいい事にオーナーが気がつくと経費節減も可能な保安協会に委託
されたら終わりです。(保安協会なら人件費を1/3にできる)
高圧受電の現場では保安協会、外部の電気管理技術者と契約したら電気
主任を選任しなくていい特例制度があり、昔聞いた話では契約電力1000KW
の現場なら年間150万円程度で可能です。
又この金額で年次点検、月点検もしてくれるのでオーナーには魅力的な制度
で現場で常駐する電気主任となると下請けにさせても最低300~400万円は
かかるのです。常駐した人を雇うのが一番人件費がかかります。
(小さなビルではほとんどが保安協会管理ですが契約電力1000KWのビル
でも保安協会が管理してる物件はあります)
それ以外にも動力低下をさせない様に1年に1回は空調機
Vベルト交換を設備全員で分担して行います。
男性より力で劣る私がどうしたら男性と同じ作業ができるか
女だからできないは悔しいので工場に勤務してる時に研究した
一人でVベルト交換する方法です。
本来はモーター位置を移動させて取替後は張り調整するのは
わかってるけど緊急時に即交換するならこの方法しかないです。
今の職場でこの方法で4本交換を一人でしたら職場の男性が
びっくりしていたけど男職場で働く以上はできないは許されない
のは私の拘りですね。
1.Vベルトの外しはカッターで切ります。
これなら手袋の汚れも少なく済み新しいベルトを汚す事がありません。
それと女の私では長い時間力を出し続けるのが難しいので最初の
段階の外す時に余計な力を使いたくありません。
小さい方のプーリーに最初かけるのはご存知の通り
2.大きいプーリーにかけていっきに真っ直ぐ引けば割とすんなりと
入ります。一瞬の倍以上の力を出す方法は息を止めていっきに
引けばいいんです。ただプリー以外を手で持たない事!
指つめの下手はベルトを持って引っ張るからです。
私も練習中に何度か指を挟み悲鳴が出るほど痛い思いをして
自分の何が悪いのか身にしみて感じました。
3.後は同じ事をすればいいんです。
でもされてみるとわかりますが2本目で大プーリーにベルトがかかった
瞬間に小プーリーが隣の溝に脱線する事が多く4本がけの交換作業
では絶対3本目、4本目はベルトが脱線します。
その場合は指で正規の溝に押し込みながら反転させれば
正規の溝の位置に戻せます。
コツは大プーリーにカタンとベルトが入ったら即手を止めてねじれが
ないか?あれば上の方法で即修正、ねじれたまま回してしまうとベルト
が180度反転した状態となるので修正が少し面倒になります。
その場合は正常にすでに装着されてるベルトと抱かせて体重をかけ
ながら反転、指で反り返りを少しづつ起こす様に回します。
★Vベルト交換は力ではなくコツと力のタイミングで女子でもできます★
私の方法ならカッターとグリップの良く効く手袋さえあれば交換可能!
どうしてこんな説明写真があるかというとここの職場の人から私の
方法を教えてほしいと言われたのでマニアルを昔作成したのです。
機械担当の方は家で使うあのエアコン洗浄スプレーを会社で
100本くらい買ってもらって空調機の熱交換機を洗浄されてる
みたいですが私だけでなく各担当も考え努力されています。
こういう職場は理屈を知っていても何もできない何もしないは
誰も評価なんてしてくれません。
私は電気巡回を毎日しますが他の方は空調機巡回点検などを
されるので経年劣化でプーリーや軸受けに異常があれば早急
な対応をされりたりします。
電気担当でも機械担当の方のメンテナンスを手伝いますし仲間
で協力して作業をしているのです。
それより人に負けたくないから他人のできる事はすべて目で見て
自分の物にしたいんです。
条件が絡むので本にある単一的な記事が必ずしも適用できない
場合も多いのが現場ですが何がそこの現場では正しいのか日々
の勉強と研究しかないと思います。
書物だけの世界から1日も早く現場に就き自分の身で感じ学び
自分だけの最高のオリジナルを目指しましょう。
電気主任技術者のあり方は★現場に応じた自主保安体制なのです★
(保安規定を厳守する事は忘れません)
電験三種取得でいつまでも野外で遅れを取っていてはなりません!
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