⇒受変電設備月例点検・⇒動力盤月例点検 など毎月1回行う
自主点検を月例点検と言いますが月例点検で電気的な計測はする
ので日常点検は目視が基本です。
日常点検では異音、異臭、温度に意識を私はおいています。
日々巡回する時にユニフォームのポケットに分けて持つ私のアイテム
がマイナス、プラスドライバー・検電器・携帯温度計・ミニライト
ジャンパー線は他の人には無用かもしれませんが、マイナスドライバー
はこのサイズの先が細いのが設備員をしてると何かにつけて重宝します。
感電調査では検電器、天井裏の機器確認する時はライト、モーターや
変圧器など機器各所の温度測定ツールです。
会社にも温度測定専用ツールがあるけど携行には作業性が悪いです。
最後にもう1個言えば携帯、故障状況は常に写真に撮るべきです。
特に現場経験の浅い方は異常を正確に先輩に伝えるのが難しくその報告
を軽視して重故障までに至ったケースが私の職場でもあります。
逆に詳しくない仲間に状況を説明するのでも写真を見ながら伝えた方が
間違いが激減できるからです。(職場は正確な情報の共有が必要)
下は私が勤務する現場のポンプなど機械がある場所の一つでこういう
ポンプ場所はどこのビル、工場にも必ずあります。
モーターも電気設備ですから日常点検を行いますが振動、異音の点検
と兼ねて本体表面温度の測定を私は行います。
冷温水ポンプの1台(出力30KW)の温度測定をするとどんな値でしょうか
モーターですから負荷がかかった状態ほど発生熱量が大きいため温度
は高くなるのは容易に想像できるでしょう。
だから気温が昨日と同じでも微妙レベルでは日々温度って変化します。
58℃となりました。50℃を超えると素手で継続して触れてはいれません
がこれは異常か?という事です。
職場でも夏になり触れないほど熱いヤバイと騒ぐ人がいるでしょう。
人が触れていれるなら温度的に機器は大丈夫という考え方は限界点
は違うけどまったく間違いではありません。
ただ今の気温が35℃もある時期はどこの現場でも触れないモーター
は必ず数個はあるはずです。
モーターのプレートを見るとINS.CLASSというのがあるけどこれが
大切でF種というのがわかりこの場合は155℃です。
コイル絶縁の限界温度でモーター本体表面ではありません。
屋外用モーターですから屋内用より丈夫なのです。
ただ屋内タイプではE種が多いので不明ならE種として考えましょう。
内部の絶縁階級がE種で120℃限界で業者によると表面で20℃
程度下がるため表面測定で★100℃が限界温度★と判断します。
屋内仕様のモーターでは表面温度が85℃を超えたら要注意で
95℃まで行けば取替を検討する必要があると思います。
今日は真夏ですが冬なら表面温度は屋外モーターで40℃~50℃
屋内モーターで50~60℃程度でしょう。
ただ夏場50℃を超えると触る事ができないので触れる事が無理
なら51℃も100℃も同じ異常としか思えないのでこういう温度を
計測できるツールが必要なんです。
前に負荷電流は定格未満なのに94℃までなったモーターがあったの
ですが電流を計測してるからモーターの温度は絶対大丈夫は無理!
絶縁体が限界温度を超えると相間短絡を起こし焼けるでしょう。
ポンプ点検では圧力計指示とグランドからの水漏れ量も必ず確認
しなければなりません。
ポンプを見たのに温度だけ見てグランドから水が出てないのを見逃し
焼いたらリーダーに怒られてしまいます。
即ナットを緩めて水量調整をしたり、圧力計やグランドパッキン交換は
電気担当の私も一人でできます。
機械的な事は電気担当なのでわからないは恥ではないから入社後に
先輩に実技で習ってください。
EPS内部温度測定
毎日すべてのポイントの温度を測定なんてできません。
1日1個所のEPS内部にあるMCB、リモコン、配線などの
温度測定をすれば全館一回りするのに1ヶ月もかからない。
MCBの温度だけど8月のこの時期で31.8℃ですね。
正常ならばほぼ室温度に近いはずです。
手で触るという点検方法はELBなんかのトリップボタン
に指が当たり間違えて電源を切るとテナントに迷惑を
かけてしまいますからそういう方法はお勧めできません!
(係長と二人でテナントに謝罪にいくはめになりますよ)
MCBの背中側のこんな記載を見た事がありますか?
このMCBは周囲温度40℃までは規定の性能でトリップしますが
40℃を超すと20A未満の電流値でトリップしてしまうのです。
それと通常こういう物は周囲温度60℃が限界です。
リモコンリレーも調べましたがそれも同程度が限界でした。
つまり人が我慢してでも立ち入れる周囲温度までなら大丈夫。
同じEPS内にあるケーブルだけど8月時期で29.8℃です。
これも正常ならば室温度に近いはずです。
CVTケーブルの許容温度は80℃くらいですが触るのが辛い
50℃にもなっている場合ケーブルの許容電流を超過し
てると考えるべきです。
すぐクランプメーターで計測すると許容電流OVERしているの
で先で接続されてる負荷の分散工事が必要です。
こんな太いケーブルは移動しないのでクランプを挟めないなら
電気室の送りMCB二次側での測定ですがあそこは充電部が多
く感電には十分注意されてくださいね。
私はMCL800Dという口径φ80mmのクランプメーターを使用しま
すが5万円程度なので会社に言って買ってもらってください。
漏電I0rもそうだけど★機材なくして適正な管理はできません★
メガと精度の悪いクランプメーターでは無理という物です。
点検とは数値による管理を基本にしないと自分が良いと思うだけ
で異常なしと記載しても何かあった時は説得力に欠けるのです。
温度による保守管理をする上で大切なのは一度にALLしなくて
もいいので1ヶ月ですべての温度の測定が終わる様に点検する
のが大切だと思います。
それにはエクセルで記録用紙を自己流でもいいから作成して
過去の記録を残さないといけません。
熱いのですがと報告しても過去との変化が示せないと他人には
話にはなりません。(点検は数値による管理を基本とする事)
点検項目だけ一応ある○×式は今や時代遅れです。
デスクの右の引き出しにトラブルがあればすぐ出せる様にいつも
置いてますが名刺もすぐ出せる様にしておきます。
設備なので稀にしか使用しませんが新しい業者や店長に挨拶
に行く時は必要なのでわかる場所に置いておきましょう。
名刺には役職だけでなく電気主任技術者という記載もして
もらってると後々で有利な展開になるのでそうしてもらってね。
尚名刺は会社が個人に貸与した物で文字変更、追加には
会社の許可が必要です。
私はdata可して持つので紙での書類はほとんどありません
から引き出しの中はいつもクリアーです。
次に検電器ですがテナントから感電したという報告の調査ではこれが便利。
これは父からもらった物ですが私はこのネオン式を一番信用しています。
非接触式は便利に思えるけど対象回路に電気はないのに近接した回路の
誘導を広い点灯する事が過去何回かありあれから私は使用しません。
感度を最大落としネオン式と同じ状態にするなら意味ないでしょう?
光具合は同じ場所での測定ならば対地間電圧に明るさは比例しますから
単相三線式からの2P1Eと2P2Eは線間電圧が違うけど対地間電圧は同じ
なので点灯の明るさは同じです。
三相の場合では変圧器二次側がデルタ結線のため単相三線式より対地
電圧が高い違いがわかる程度に明るく点灯します。
詳しい人は対地電圧の実際は変圧器B種接地と機器接地との分圧
....と思われたでしょうが"同じ場所での測定ならば"と前置きした
のはそれを考慮してです。
又床の絶縁状態も関係するでしょうから点灯の明るさで電圧を判別
するというのは同じ場所での比較目安に過ぎません。
一般的にはそういう接地抵抗は0と見て対地電圧が100とか200V
とか扱いますが危険度を意識するだけならそれで十分です。
そういう事で申せば単相三線式の対地電圧は100Vで三相では
デルタなら200V、スターならば200÷√3V(115V)です。
職場でテナントから"このコンセントに電気が来てるか"と質問され
検電器を当て片側が点灯したので異常なしと報告された方がいました。
ところが片側が点灯しないのは正常状態の接地のせいではなく
コンセント内部で断線していた故障だったのです。
検電器が点灯しないのは接地が効いているか、断線しているか
コンセント診断は必ずテスターで行いましょう。
後途中に変圧器で電圧変換してる二次側は非接地になるので検電器
では反応しません。DC電圧ではDC専用の検電器でないとダメ!
検電器は用途に合わない測定をすると電圧があるのにないと反応
それを信じて感電事故に至ります。
3年前に退職されましたが当時60才の方がいてその人とポンプの
グランドパッキンを交換した後に"京子ちゃんチョン回しして"と
言われた事があります。
何それ?と思いましたがインチング運転(起動、即止め)の事ですが
特にスターデルタ起動でそれをすると故障の原因になるのですべきでは
ありません。又THRが動作してトリップするケースもあります。
父に聞いたら昔の人は電気というのを信用してないなごりらしいけど
試運転するならば最低限デルタ回路に切り替わるまではモーターを手動
で強制停止はやめましょう!
5.5KW未満の直入モーターでも電気を知ってる人がインチング運転を
してはいけません。
通常のビルにある動力盤回路はインチング運転には不向きです。
数回した程度で壊れる物ではないけどマグネットもAC4級という
過負荷専用なんかでは普通ないので寿命も激減するでしょう。