2020年10月18日日曜日

電気主任技術者の仕事-空調設備点検の基礎_(2)

前記事続きで10月に入社された電気主任さんとの1日です。
私はここの人ではないけどなったつもりで調べてみました。
先で何かあり相談を受けた時にまるで現地がわからないも
困るからね、現地機械盤の中には運転回路図面だけで自動
制御図面はないため、わかる範囲での調査です。詳細に
するなら部屋に戻り自動制御図面も勉強しますが今回は
とりあえず概略を知りたいと思いました。

下電流値は一定で異音もない=ベルトや軸受の駆動系に
問題なし、つまり★回転を阻害する機械的原因があると
電流値は脈動したり、異音を伴い通常電流値より上昇し
ベルトスリップでは下る、ベルトは回転状態を目視でも
わかります。電流とVベルトだけの確認ですが維持メン
テナンスは相応にされてる現場でした。機械類は運転
状態を見ればそこの設備の人達の仕事に対する意識は
わかる、★電流値の見る機会の多い電気主任が最初に
空調機やファンの機械的異常に気がつかないとおかしい
電流値は負荷VAを知るためだけに見てるんじゃない!

家エアコンの様に冷暖機械も同じ部屋にある場合は温度センサー
は吸込側で問題ありませんが、空調機の様に機械は別室では部屋
内壁設置が理想、間仕切りないエリアは空調機の吹出温度を制御
する場合もあります。ここは吹出温度を制御してると思います。
又冷房なら設定より現在温度が上昇すると、自動でバルブが更に
開いて冷水量が増え空気を冷やすのです。_当然水の循環量が増
加すれば冷水ポンプの電流も増加する。この場合の電流の変化
の意味です。_吸込側にセンサーがあり機械室に換気をガラリで
戻す方式をよく見ますが、機械室と部屋に温度差が発生すると
制御が上手にできない。寒い冬に50℃の熱気がアネモから出た
夏場ずっと13℃の冷気が出たままとか違う現場でありました。

盤内CTは1個、盤電流計はS相の電流を指示しています。
又保護は欠相や逆相は見れない、過電流だけというのもわかる。
スターデルター回路で52-1がメイン、42-1がデルタ、6-1がスター
のマグネットです。ELBではないため漏電してもこの空調機は
停止しない、その時は元変圧器でLGR警報が出て中央監視で
知る事になるけど、何階のどの空調機かわからないため全部を
調べないといけません。ただこうした乾燥した場所にある機械
でそれが発生する事はまずないのでそれほど恐れる事はない。
後はスターデルタタイマーの在庫があるかです、この起動方式
の起動トラブルの半分はそれが原因ですからあるとないでは
安心度が違います。ないならオーナーに言って買ってもらわ
ないといけません。想定できる故障には備えるのが大切です。

マグネット①52-1がメイン、②42-1がデルタ、③6-1がスター
最初に①と③がONしてスター起動する、5~10秒タイマー時間後
に③が切れて②がONする、つまり①と②でデルタ結線となる。
モーターにはスター起動時、電源電圧の√3分の1の値の電圧が
かかる、デルタ運転では電源電圧がそのままかかります。
とても基本的回路なのでまだこういう物を見た事がない方は概要
だけでも知っておいてください。スターデルタ起動がわからない
では電気主任は務まりませんから必須です。_又絶縁測定をされる
時は制御回路側を含まない様に運転回路MCBを切り、その二次側
で実施されてください。ここは対地電圧200Vなので250Vメガです。
正確に言えば52-1マグネット二次側にメガのラインリードを
当てて測定、表示FULLな良好な値、値的には100MΩはあるはず。
水槽の水中ポンプでは5MΩなんて見た事あるけどこういう乾燥
場所でもし1MΩより低いと法定値は満足していても要注意です。
最初100MΩ→0.5MΩになるのは劣化進行過程と判断します。

ノイズカット付I0測定ならば0.5mA以内には収まります。
他空調機はすべてI0=0.5mAなのに1台だけ10mAとかあればやはり
絶縁抵抗低下が影響しています。特にこれインバーターでは
ないからI0が上昇する要素がないのです。毎月1回I0測定して
年に1回Vベルト交換、半年に1回グリースアップ実施をすれば
10年は空調設備でのトラブルはないと思います。

最初電流計がありましたが、いつも30Aなのに27Aとかになれば
Vベルトがスリップしています、ベルトスプレーでも短期間なら
回復しますがいずれ交換が必要、それでもダメなら張り調整が
必要です。ここまでは設備の人でしますから電気主任もそれら
は仲間に習い習得しないといけません。逆に電流が上がるのは
回転力にブレーキがかかってるわけで軸受けとか不良で異音も
発生する場合もあります。工場設備ならこれの交換も自分らで
しますがビル管理ならば、ここで業者に依頼すると思います。

起動がかかった瞬間の運転回路の流れです。運転ボタンPB-1Aを
通じて青→に電圧がかかります、スター起動回路です、PB-1Aか
た手を離すと電圧が消失するのでそうさせないのが自己保持の
目的、SDTがスターデルタタイマー、自動切替CSを自動にして
おけば中央監視の運転信号でCX8接点がONする事で手動運転と
同じ動きをします。通常は中央監視で運転監視制御されます。
運転ランプは完全に起動完了となった後に点灯させるため42-1
マグネット補助a接点を使うケースが多いけど、この回路では
起動信報の受段階で即点灯します。

タイマー時間経過後にデルタ結線となった状態です。THR異常
でランプが点灯、更にALX1リレーに通電されそのa接点で中央
監視に異常表示させています。最初にあったCTは単に電流測
定用だけ、物によってはCTの電流値でマグネットを停止させ
る方式もありその場合THRはありません。こういうシンプルな
方式の方が現場でほぼトラブル対応できるので管理は楽です。
42-1と6-1でクロスした破線の意味は、同時にこの2個のマグ
ネットは投入されないという事、つまりコイル電源の投入に
互いの補助b接点を条件づけ(インターロック)しています。

直起動モーターならばこれで対応できます。とにかく起動
させて正常な運営を維持するのです。故障修理は後でする。
最初にマグネットのコイルにある既存制御線をすべて外す。
このタンブラSWでモーターの発停をさせます。MCBにモーター
を直結させるという方法はある現場、古いMCBで5.5KWの三相
モーターをそれで応急対応、業者が3日後に来るとなりでも
2日めの朝にそれで起動させたらMCBが火を吹いたと報告も
あるのでやめた方がいいです。下のタンブラSWはマグネット
の制御をしてるだけでモーターの起動電流を流してるわけで
はありません。この方法なら手の早い人で20分で運転開始
できます。直入れが手動でも可動しない故障はゆっくり考
えたら押釦故障とかそう深刻な原因ではないはず。ただ
基盤制御では手動運転もできなくなるのでそういう場合
はこの方法しか応急対応はできないです。基盤交換して
設定を入力してとか営業終了後行います。基盤はね取替
しただけでは使えないのです。

制御MCBの電源を切ると複数のモーターが動かなくなるので
切れない、一旦撤去した既存制御線はテーピングしておく事
端子を裸で放置してその電圧が盤金属部に触れると短絡します。
スターデルタはスター起動→タイマー→デルタ運転とプロセス
があるのでこう簡単にはいかないです。

よく見たら自動制御図面が1枚ありました。
ここってダンパーとかも手動のみで全開のままみたい、冷温水バルブ
はTr-31で24Vにして可動させてる、温度コントローラーの20と18をON
/OFFさせる事で冷暖切替をさせ温度に対するバルブ開度特性を反転さ
せてる、11~13番が温度センサーからの情報、25~27当たりが遠隔
監視の回路、16と17番からの4~20mAの信号でバルブ開度を制御させ
ています。有名な某社のあれとは違いシンプルな構成ですが病院の
様な質の高い空気環境を要さないないならば、この程度でいいと私
は思います。_こういう空調設備は場所によりモーター能力は違う
だけで制御回路はすべて同じ、だから1か所覚えたらそれでその
ビルの空調設備はすべて掌握できる事になります。_私達電気を
する者は人から教えてもらわなくても回路図面を見ながら現地
で検証すればたいていの事は習得できるのです。これも電気
主任の資質条件の一つだと思います。だから図面は必須です。


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