工場に勤務してた頃に父から"制御回路を検電器で点検する奴なんて
素人だ"と教えられた事がありますが私はすべてそうとは思いません。
この検電器という便利ツールを使う点検事例を素直な回路で紹介し
ました。
誘導などの誤動作を考慮して使用するのは充電部に直接触れない
と点灯しないネオン式検電器とします。何だかんだと言ってもこれが
安心して自分の身を任せられます。会社に非接触式検電器があるけど
私はあれは使わないです。
ネオン式はホームセンターでも買えませんがNETでなら購入できます。
まずはこの盤位置で検電器が有効に効くのか電源に当てて確認します。
電源MCB二次側にて点灯確認、このタイプは手袋をしてはダメですよ。
AC24V回路はネオン式検電器には電圧が低いため反応しませんがそもそも
下100V⇒24Vという変圧器二次側は一次側接地から見たら非接地となるか
ら反応しないのです。又変圧器は単巻変圧器以外は電気的に一次側と二次
側は絶縁された状態となるのはわかると思います。
冬に使う空調機にある加湿器が動作しないというケースの場合です。
部屋の湿度についてはインフルエンザ時期になり低いと苦情を言わ
れるテナントがいますからこれは重要設備です。
この回路を基本に説明するので下記各記事と比較しながら読んでね。
まず加湿調節器HDに通電されてるか?となるので外線ターミナルの
3番端子に検電器を当てます。
3番は常時電圧がかかるのでこの様に点灯しますがとりあえずHDの
設定を強制的にFULLに上げて動作状態とした時に隣の4番端子でも
検電器が点灯するかです。これで点灯しないならHDが故障してる
ケースが多いです。一応HDの端子の緩みだけは確認してこの時点で
私はメンテ業者にHDの取替を連絡します。
実はメンテ業者がいるので電話したら調べて取替をしてくれますが
急に連絡しても相手も都合があり夕方しか来れないケースもあります。
リレー交換で症状を改善できる程度の故障は私が修理対応する
様にしています。別に★会社に強制されてしてるわけではありません★
お仕事から自分のスキルを上げるには何でも自分でまずしてみる事
が大切だと思います。ただ回路図を見て頭で理解してるだけはイザでは
思う様にはなりません。
4番端子まで点灯してるならばFX2のa接点を見てみましょう。
006の配線が接続されるリレー端子に検電器を当て点灯しないならば
このFX2リレーの接点が故障しています。
こういうリレーは在庫で持ってるので私が交換します。
このリレーには電圧がかかるとLEDが点等しますがこの動作ランプは
リレー内の励磁コイルに通電されているという意味で実際の各接点
が正常に機能してる事を保障するわけではありません。
ただ電気が通電されてるかどうかを知るには便利ですがこういう表示
があるリレーばかりではないので今回はないと思って読んでください。
FX2の006まで通電されてるのが確認されたならその下のWX1リレー
が動作してるかです。
WX1リレーの006から通電されてるので5番線が接続されてる端子
に検電器を当て点灯しないといけません。
検電器が点灯しないならばこのリレーの取替も行います。
それでも加湿器が動作しない場合は外線ターミナル5番でも電圧
CHECKしてここで点灯するならば加湿器本体の故障となります。
6番は単相三線式からの単相200Vなら検電器では点灯しないけど
三相200Vから2線で出した単相200Vでは偶然2線共に接地相に
該当してないと6番は点灯します。
とにかく5番、6番まで電圧がかかってるならば加湿器内部には
水を噴射する電磁弁がありそれが故障してるので電磁弁の取替
が必要になります、ここで業者に連絡をします。
業者が来て配線が緩んでるだけでした。と報告されたらそんな
簡単な事もこの電気担当はわからないのか?と職場の誰かは
思うからその程度は最低限確認して呼んだ方がいいですよ。
だから回路を研究してどういう仕組みで動作するのか知っておくべき
もし加湿調節器HDは正常だがリレーを持ってない場合はこうします。
つまりFX2からの電気を直にWX1リレー5番にかけたらいいのです。
あくまで応急対応であり消費電力も僅かの電磁弁電源ですから20A
のMCBでも問題はありません。
ただこういう事をする時はWX1リレーの006と5の配線を端子から外
して浮かせた線でその2線をジャンパーします。同じ動作をする回路
を並列に接続するのは止めた方がいいです。この状態で業者を呼べ
ばいいと思います。(出来るだけ使用不能状態のままで呼ばない)
加湿調節器HDが故障では外線ターミナル3-4間をジャンパーするしか
ないけど加湿したままだと場所によっては大量の結露が窓に発生する
可能性があります。(そのために普段は自動化されてる)
部品交換が3日後というならば30分おきに加湿電磁弁をタイマーで
自動開閉させれば問題ないでしょう。
こういう物の取替が必要な場合、オーナーから発注を受けてからが
基本でその他事情で取替修理が当日できない場合もあります。
前にも説明した様に業者は仕様と異なる改造はしないのでこういう
タイマーをつけるなら電気主任がするしかありません。
"故障してるので加湿できず申し訳ありません"とテナントに謝罪す
るよりかましだと私は思います。
実際はHDを切り離してジャンパーするという2点間にタイマーの
共通(C)とNO接点を接続すればいいだけです。
私の得意なTB15601Kタイマーの場合で説明しますとタイマーは
電源が必要なので1m位のVAを準備しそれで200Vを電源S1とS2
に入れてください。後は30分おきにONとOFFを交互に継続させれ
ばいいのです。
ただ開閉制御したい物が10Aを超えるコイル系ではこのタイマー
は適さないのでそういう場合はマグネットで行いタイマーが時間
制御するという方式になります。タイマーに記載してある15Aまで
可能とは突入電流のない抵抗負荷の様なAC-1級負荷の場合です。
では検電器が効かないAC24V部分の場合も少し紹介します。
FX1リレーが温度制御回路を起動させるリレー、FX2リレーは前述
した加湿器とOAダンパー開閉用のリレーとなります。
この制御回路は空調機にあるスターデルタ回路のデルタマグネット
のa接点と連動してるのでそれはA部分で外線ターミナル1と2間を
テスターで測定してAC24Vがあると接点は開放してるのでa接点が
動作していません。(a接点が動作ONならば0Vです)
端子電圧=電源電圧-電流×抵抗と考えたら電流が0なら端子電圧
=電源電圧となる、ONしてる端子間は0Ωだから電圧はありません。
朝時点で空調機の制御が効かないわけですが止めて取替してる暇
はないので応急としてこの間をジャンパーします。
特に夏場営業時間帯に冷房ができない事態は避け修理などは時間
外の夜に行わないといけません。
MCBは単にジャンパー時のSW代わりですから深い意味はないです。
ただ直に扱うのは仮に小火花が出たら危険なのでこうしています。
2P1Eで代用するならL側に配線は接続しましょう。
実際リレー程度に流れる電流は僅かですが前にジャンパーしてる
業者を見たらSW付のジャンパー線でしていたので私もそうする事
にしてあり合わせで作っただけの物です。
ですが外線ターミナルAが正常ならばFX1リレーの2番とS24番の
配線間でAC24Vがあるかテスターで点検します。
当然接点Aが正常ならばあるはずです、ない場合は稀ではあるけど
端子の緩みの可能性大でマジ締めしてみましょう。
ですが電圧があっても内部接点故障もあるわけでこのFX1リレー
の取替も行います。
このタイプのリレーは1個2000円程度で同じリレーをたいてい使用
してるので在庫で5個もあればいいと思います。
タイマーTMで15分後にFX2リレーを動作させていますがトグルSW
でモードは遅延になっているので必ずTMにも電圧はかかります。
つまり004とS24間ではAC24Vがあるという意味です。
そうなるとタイマーa接点が動作してるかの確認が必要なので
005とS24間で電圧を測定します。S24は共通Cだから測定が容易
なポイントに当てればいいです。
タイマーa接点故障ではタイマーTMを取替しますが交換はプラグ
インなので中学生でもできます。
上回路の左SWX1は冷暖切換回路ですが通常は中央監視で操作
しますがならない場合は冷房ならば001という配線が接続される
SWX1リレーの端子とS24間にAC24Vがあるかです。
現地で冷房モードにしたらSWX1リレーにAC24Vが直にかかる配線
となってるのでSWX1リレーがONしたらこの制御は冷房動作すると
いうのは図面を見ただけでわかります。
暖房モードはSWX1リレーをOFFにするだけなので1SHOT信号で
いいけど冷房モードは常時ON状態でないといけないので自己保持
接点が必要なのです。
冷房にならない場合はCX1とSWX1リレーを交換すればいいです。
通常制御関係の配線は黄色ですがその中で目にする青線は中央
監視システムからの別配線です。
こういう場合、盤電源を切ってもその青線だけには電圧がかかって
る場合もあるので注意します。
下シーケンスから上写真で16~18番の青線が確認ができます。
ここにかかる電圧は中央監視PCからでリモコンリレーと同じ一瞬
なのでテスターで測定しての点検でも無理です。
(テスターは一瞬の電圧変化は捕らえる事ができません)
不良と思われるならCX1とTX1のリレーは取替ますがリレーさえ
在庫で持ってればこんな回路内の不調は10分以内で私は直せ
ます。ですがコントローラーや機器その物が故障したらどうにも
なりませんから至急メーカーでの取替しかないです。
修理して又不調になればメーカーも信用問題、オーナーも不安感
ですからこうした業務機器は不調になれば即取替をするので修理
をしてどうこうという考え方は普通ありません。
取扱説明書には故障した場合にどの回路が悪いなんて書いてない
です、なぜならそれを有料で管理契約してもらわないといけないか
らユーザーにはそこまで情報をメーカーは与えてくれません。
ですが回路図面1枚で私も上の様な事位すぐに気がつきました。
どこの会社の機械でも回路図さえあれば相応に対応はできます。
電気主任技術者になる人ってこういう事ができる人なのです。
そうならないとお仕事に楽しさ・面白みを感じれないでしょう。
こういうのは電験出題範囲にありませんし職場では誰もわからな
いから自力で研究です。でもこういうのが好きだからできるのです。
それに人から教わる事を待って行動するのは私は嫌な性格です。
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