2017.5.24の故障報告です。
事務所から電話があり保存書庫の換気扇の音が高いと連絡があり!
後輩の23才A君と掃除機で清掃作業を行いました。
お掃除する事をバカにされてませんか?私はお掃除は嫌いではあり
ません、自分の頑張りで何かが見る々綺麗になるのが快感なんです。
結果、老朽化するとベアリング劣化で器具一式交換の場合もあります
が今回は目詰まりによる異音でした。たいてい換気扇はこうです。
音は静かになりました、ただこの換気扇も10年物で電気的劣化も懸念さ
れる時期です。
ここは2P1Eの1回路で照明、換気扇、コンセントに配給されていますから
ついでにこの12畳程度の部屋の漏電CHECKを電源で実施しました。
漏電なんかないと思っていましたがI0は≒24mAもあり漏電していました。
2月の法定絶縁測定では異常がなかったのでそこから今日までの間に
発生しているのです。配線はそんな短期で絶縁低下しないけどそこに
接続される機器は10年経過してるとこうなるので保安規定で定める年1
のメガ(絶縁抵抗測定)だけでは不足なのです。
メガは持参してませんでしたがこのI0値なら絶縁は0.01MΩ未満です。
飲食みたいにネズミがいるわけではない、普段誰もいない、コンセントには
何も接続なし、照明器具と換気扇だけを使う単独1回路状態ですからI0は
1mA未満でないとおかしいです。エアコンは別回路ですから無関係。
尚、対地電圧150V未満の乾燥した場所ですからELBではなくMCB配給の
部屋なので漏電しても部屋の電源は自動では切れません。
又特殊な装置がない通常の100V単独回路は健全な絶縁状態ならばI0
は0.5mA~0.1mA程度です。
電源装置などがあると2~3mAとなる場合があるのでその時はI0rで測定
して1mA以下である事を確認します。特に制御回路、自動制御電源など
精密な装置類では不調になる可能性があるのでメガによるDC電圧をかけ
る絶縁抵抗測定はすべきではありません。
たとえ100V又はそれ以下の低圧メガでも不調になれば業者からそれが
原因で故障した、貴方が悪いとオーナーに報告されてしまいますよ。
リーククランプメーターでも完全なる抵抗分漏れ電流(I0r)を測定してる
わけではないのでI0rクランプメーターが必要な場合も稀にあります。
対地間抵抗値(対地間絶縁抵抗)により対地間に流れる電流がI0rです。
I0>I0rだからI0が1mA以下ならI0rを普段は測定しないだけです。
ただ24mAものI0ではI0rを測定するまでもなく絶縁が悪くI0≒I0rです
から通常のリーククランプメーターでも絶縁状態の判定はできます。
つまり絶縁劣化するほどI0中のI0r成分が急速に増えるのです。
同じ100V回路で他回路のI0はこんな値ですね。(メガしたら20MΩ以上)
この部屋の照明はタンブラSWにてON/OFFではなくAUTOセンサーライト
で今は無人で切れてるからA君に24H運転したままの換気扇のSWを切
る様に指示しました。
するとI0は0.2mAに低下したので換気扇回路不良ですね。
(I0で0.2mAならI0rで≒0mAでメガで測定したら20MΩ以上あります)
又SW切りで正常になるという事は電源~SWまでは正常でSW~換気扇
の間で漏電が発生しているのです。
3日後の月例電気点検をした時にこの盤の配給元変圧器B種接地で
普段10mAが20~30mAで測定されるかもしれませんがその値程度
ではまだ地絡警報は出ないので偶然ですが見つけて良かったです。
ただ職場の上司は細かい人なので、たとえば照明器具不良も同時に
発生してるのではないかとか言いそうですから調べておきます。
照明器具カバーを外すと昔ながらのこの方式が露出しました。つまり
この安定器周辺が怪しいのではないかという点検です。
もしどれかの照明器具に不良があるなら天井から降りてる電源線を各
外してメガで1台ずつ機器単体の絶縁抵抗測定をすればいいけど台数
が多くなると面倒ですよね?
ここの照明器具は100Vですが200Vで片切り照明SWではSWを切にして
も1本には電圧がかかってるのです、その場合壁の照明SWを切りでも
完全に故障要素は除外できません。(片切りは多いです)
だから200Vの場合は照明SWによっては"切りで電源I0が下がらない
からその照明回路は無関係"とは完全には言えないとこがあります。
配線なんか外す必要はなく照明器具もI0でCHECKすればいいだけです。
(I0測定なので照明電源を切ってはI0は測定できません)
通常こうい照明器具単体ではI0は正常なら0mAです。
照明器具だからランプを取外したらいいのではと思われてる方がいます
が★ランプだけ外しただけでは照明器具漏電は消えません★
念のためランプも装着した状態でもI0を測定しますが正常なら0mAです。
1mA未満なら正常とは思うけど私の経験では照明器具単体でI0が0.5
mAより大きいのは見た事がないです。
照明器具は0.5mAを越えた場合は配線を外して独立させてメガで測定
を私は行います。(私が決めた自分のルール)
後脚立を使う時は天板には足をかけてはいけません、ギリの低いのは
ダメですよ。
4灯分確認しましがすべて異常なし、次に換気扇の漏電点検をしました。
前述した様に壁のSW切りで漏電が消えるのだからこの器具単体でI0を
測定してみれば一目瞭然です。
換気扇の更に中カバーを外すと電源を配給する配線が見えてきました。
C(赤)と強(白)の配線になってるのを換気扇に貼ってある回路図で確認。
ただ配線がタイトでクランプが挟めないのでこの1本を抜いたら電源の
I0が24mAから0.2mAになるのを電源元MCBにて確認しました。
漏電は換気扇本体で確定ですが念のため換気扇の端子の配線はすべて
FREEにしておきました。後は換気扇の業者取替までこの状態にしておけ
ばいいのです。
照明器具でもない、換気扇でもないならば壁コンセントの点検が必要です。
コンセントに何か器具が接続されてるならコンセントからすべての器具を外して
部屋電源I0の変化の確認が先です。コンセントに接続された器具が不良な場合
もよくある故障原因です。接続機器が正常ならばNEXTです。
コンセントを壁から出してこの場合なら黒、白でI0を測定すればいいのです。
★機器未接続ならばI0は0mAで機器があっても1mA未満★でないといけません。
ただコンセントは単独ではなく送りになってるのだから全部外す必要はなくまずは
送り元のコンセントから点検すればいいのはわかると思います。
そこで異常ないなら残りのコンセントでも異常なしという事ですからね。
たとえば写真のコンセントがそうなら配線AでI0が0mAなら残りコンセントにも漏電
は発生していません。(各コンセント配置を見ればわかると思う、か図面を確認)
配線AとBでI0が10mAとかなら隣のコンセントを同じ様に点検します。
飲食店ではコンセントは劣化の有力候補だけどこういう書庫でコンセントが漏電
短絡はまずないです。ただ漏電には絶対はない点だけは常に意識しておきましょう。
これで不良コンセントを見つけたらそのコンセントを交換すれば解決です。
接続されてる機器をすべて外し、コンセントBに漏電があるならI0測定点
1、3では10mAとか値が出ますが4は0mAになるのはわかると思います。
2、5はコンセント内部で外から測定はできませんが支障はないです。
(コンセントBが漏電だから5に10mAのI0が流れている)
外せない機器(停止できない)があるならば接続したままで行ってもそれ
が不良ならこの測定で最後に残るのでわかります。
どう漏電調査って簡単でしょう?漏電は電気を生かしたままI0で調べていく
のが私流で気にいったら貴方もされてみてください。
ただ活線状態ですから力づくで配線を引っ張ったり無理にして配線が抜け
たりしたらスパークや感電する可能性もあるので繊細に優しく扱いましょう。
接地と電圧側極コンセント口(小さい)間で100Vあればコンセントの接地は
変圧器B種接地と接続されている。
接地と接地側極コンセント口(大きい)は同電位だから0Vは当り前.....
実はここに数Vと電圧が出る場合があります、この間の電圧というのはあの
B種とD種に流れる漏れ電流による電圧降下の和を測定しているのです。
こういう対地に現れる電圧を地電圧と言いますがもし接地と接地側極コン
セント口間の電圧を測定する時があり高い値が出た場合は系統の絶縁不良
で変圧器の漏れ電流が増加してる可能性があります。
現場事に接地抵抗と変圧器漏れ電流は異なるので何Vで異常とは言えませ
んが普通は0Vか5V未満だと思います。コンセント点検ではぜひ測定されて
みてください。単相三線式電路の中性線の対地電圧が完全に0Vとならない
場合はこの辺も関係しているかもしれませんね。
下のAとBが同じ意味である事に気がつけば上の意味はわかると思う。
8.3ΩはこのコンセントのD種接地抵抗値+変圧器B種接地抵抗値の合計なので
これからB種抵抗値3Ωを引いた5.3ΩがこのコンセントのD種接地抵抗値です。
地電圧が高いと誤差が増えるので停電させてでないと測定しても意味がない
です。"感電した、接地は効いているのか?"と問われたらここまで示せてこそ
完璧だと思います。(夜勤者の仮眠室ベット下のコンセント)
絶縁抵抗測定を年に1回されない現場はないでしょうが接地抵抗については
電気室などを業者がするだけでテナント分電盤などされた事がないのでは?
保安規定では負荷設備についても接地抵抗測定が義務づけられてるはずよ。
お釣でなんとなく購入したのですがなんとこれダイキで700円でした。
ほとんど信用してなく試に使用したところリングスリーブの使用について
難が少しある以外ではすべて使えるレベルで機能しました。
VA2.0も難なく先端で切断、M5のネジもちゃんと切断、ストリッパーに
1.6がないけど私は手加減で上手にしたら難なく剥けました。
実は私ワイヤーストリッパーというのは一度も使った事がなかったので
すがこんなに簡単に被覆が剥けるとは思っていませんでした。
ただリングスリープの圧着では握力の強い男性ならいけるかもしれませ
んが小型で力が正規品よりかからないので締めが不足しそうです。
リングスリーブの小2本なら正規圧着工具と遜色ないほどきつくジョイント
できるのだけは確認しました。(買った方は自分で試し判断されて)
小型で携行に便利でちょっとした軽配線工事では役に立つと思います。
この製品は藤原産業という明治30年創業のきちんとした会社が開発
した物なのでけして怪しい商品ではありません。あくまで個人感想です。
飲食店で"ネズミに機器の配線をかじられた至急修理して!"と言われ
た時にはこれ1個でいけるので今度から使ってみるつもです。
けしてプラスチックの様な柔ではない金物なので壊れる事はないでしょう。
ただビル管理とかで修理でたまに使うならいいけどお仕事で毎日使う様
な人には向かないかもしれません。(切れ味の急な低下など)...ですが
どう考えてもその会社の利益なしの社会奉仕品と言えるかもしれません。
100円台の工具と甘くみた私の間違いを認めます。ごめんなさい。
★⇒私のブログの最新記事へJAMP