17:15に"〇〇が店舗全停電したと連絡あり"でもそこは水気もないショップ
系のテナントでこの5年間一度も漏電事故はありませんでした。ただ割と広
い売場でお客様の一番多い時間帯に全停電ですからヤバいです。現地に
行くと事務所の支店長、課長から店舗の方とかたくさんの方が不安な気持
で私の到着を待っていました。又事務所にいた社員の方も"手伝うので早
く復旧してください"とまで言われたのでとにかく急ぎ調査です。まずこうい
う場合は深呼吸して自分が落ちつかないといけません。テナント分電盤
各子回路が投入状態で主幹で絶縁抵抗を測定すると0.02MΩしかなし。
ここは子回路すべてMCBですから1箇所でも漏電すると主幹50mAのELB
がトリップするのです。(ELBの動作領域は表示の50%からなので今回の
場合はI0が26mA以上で動作しました)
メガはDCでの測定のため対地間静電容量による漏れ電流I0c分は測定
できないのでメガで判定した値以上にI0は多く流れています。ですが通
常ならば主幹では10mA未満で1~5mA程度が通常。だから主幹は子回
路にELBがない場合50mA以外30mAでも問題ありません。機器漏電が
発生すると100mAを超えるI0が急に流れるのでトリップするのです。
対地間静電容量回路を通じて高周波点灯する照明器具からのノイズ
と思われる原因で店舗停電を過去何回か経験した事があります。ELB
が漏電以外のノイズでの誤動作するのはACを電源とするために発生
する対地間静電容量のせいでELBの動作原理上やもうえません。そう
いう事もあるので各テナントの主幹点だけはリーククランプメーターで
I0を毎月測定しておきましょう。事故が起きると普段の管理状態の提
出を上司から絶対に求められます。わからないは基本許されません。
主幹で0.02MΩという事は同じ程度の絶縁抵抗が低い子回路が必ずある
のでその回路の確定をしなければなりません。50回路近くもある場合は1
個づつ測定していては無駄に時間がかかり測定間違いもありえます。こう
いう時は背中でたくさんのギャラリーが多いので慣れてないと結構なプレッ
シャーもあるのです。私はこういう方法でおこないます。まず下の例で言え
ばA側の子回路をすべて切り主幹メガ測定、これで改善しないならば原因
はB側回路なので次はDから右側を切り主幹メガ測定、これでも改善しない
ならば原因はCから左のどれかに必ずあるので今度は1回路づつ切り主幹
メガをすれば原因は確定できます。原因が確定したらその回路を切り残り
をすべて投入して主幹メガで問題ない事を確認します。正常なら主幹では
必ずと言えるほど絶縁抵抗値は20MΩあります。0.1~0.5MΩ程度でも法
定値以上なので合格とすると劣化途中状態ですからしばらくしてまたELB
が動作し店舗停電となる可能性が高いです。こんな事態が再発すると信
用を失うので私の経験上、1MΩ未満では合格にはしない方がいいです。
回路は5番回路のベース照明とあるので売場を確認するとある列の照明器具
7台が点灯していませんでした。子回路配線からこれら照明器具のどれかに
原因があるのです。店舗の方はそこ以外は電気が生きたので営業開始でき
ました。ただ原因調査は営業終了後21時からとなりました。技術部長から〇
電工のSさん呼ぶ?と言われたのだけど"O君のサポートもあるので大丈夫
です。最後までいけます"と返答しました。(原因の至急調査が技術部長の上
から出てるので今回はいつも以上にマジで行動しないといけません)
まず分電盤から器具の接続までで絶縁を調査したが問題なし、そうなると7
台の照明器具のどれかだけどO君が床に水滴があるのを発見して見れば
器具からなのでこの器具が怪しいです。この器具の電源と送りをバイパス
して分電盤でメガをしたら原因は確定できると判断しました。停電して
しまったので普段してるI0測定どうこは今回は関係ありません。どちらにし
ろこの水の原因も見つけないといけないので照明器具を天井から撤去しな
いといけません。水ですか...上が飲食階ですから見つかればいいけど?
器具のランプを抜いてカバーを外しボルトを2か所抜けば器具は下せます
意外と重いのでこういう作業は真下に人がいない事を確認して二人作業で
行います。その器具の真上から30秒に1回水滴を確認しました。フロアー
担当の男性が僕が天井に入って応急処置します。と言われましたが私で
ないとスペース的に無理、ここ点検口ではないので入るのが難しいかった
ですが下から男性二人のPUSHもありなんとか侵入できました。電気担当
してるので天井内で足をかけるポイントはわかっています。0君に自己融
着テープを持って来てと頼みましたが普通の防水テープしかない報告。
配管に巻いてなんとか水漏れは停止したのでしばらくは持つはずです。
ですが配管屋さんで配管取替が必要です。これがフランジ部とかでなか
ったのが不幸中の幸いでした。それのガスケットとか不良なら取替まで
上のお店は営業を止めてもらう必要が発生したかもしれません。
圧着でもいいけどこういうコネクタを使うの方が作業性はいいです。この状態で
分電盤で絶縁抵抗を測定したら20MΩ以上でした。漏電の原因はこの照明器
具で確定しました。飲食店の排水管からの微量水漏れが清水ならここまでなら
なかったのでしょうが汚れた水が器具内に侵入してしまったのです。安定器から
配線まですべて取替が必要です。今回の事故は老朽化やテナントの運用の問題
ではなく事故を誘発した者は何らかの謝罪か金銭的弁償が発生するはずです。
営業妨害にまで至ったのですから!電気主任はけして責任については意見であ
っても現地で語ってははいけません。小さなお店なら仕方ないですね。で済むケ
ースもあるけど大きな売場店舗で営業活動を停止させるとそれでは終わりません。
電気のトラブルが発生した時は最近は必ずコネクタを持参する様にしています。
応急対応では作業時間が一番大切です。
〇電工のSさんに器具一式取替依頼されるそうですが器具がたぶん5万円程度
で夜間だからetcで10万円程度と思います。実は新品安定器さえあるなら修理
は私でもできますがこの辺は技術部長の指示に従います。問題はその取替費
用だけど金額の大小が問題ではなく誰が負担するかです。漏らした飲食店かオ
ーナー側なのかその辺の交渉は私は無関係。念のため天井内に受を置き電源
を切った照明器具を天井に再取付したら本日の私の現地作業は終わりです。
中央監視室に戻りCADデーターから必要な範囲をトリミングしてJPEG画像に変換
それをエクセルにペーストしてエクセルの図形機能で簡単に書いてこんな書類を
作り申し送りノートにつけて職場の人にも何が起きてるか知ってもらいます。電気
主任の業務はここまでして今日は終了です。会社への報告書は今回はこのフロ
アー担当の男性が書く事になったのですが技術的な事がわからないので明日
報告書作成の手伝いをお願いされました。
建築図面には寸法補助線がありますがそれには番号があります。今回では
A3とB1の交点付近で水漏れが発生してるのでその上の階の同じポイント
を図面で見ればどこのテナントで水漏れが発生してるいのかわかるのです。
配管の様に一目でわかる場合だけでなくコンクリートから染みて出てる場合
は水漏れの確定は難しいです。いずにしても水漏れの原因を修理してから
でないと今回の照明器具取替はできません。
報告書を作成するのに今の店舗状態の絶縁が問題ない事をを示す最終写真
がほしいと言われるので最後に測定した分電盤主幹でのメガ測定の写真とこ
の店舗主幹回路のI0r測定状態の写真を提供しました。I0で一桁値だから
それでも良かったけど正式に絶縁に関する漏れ電流はI0rしかないのでRM
-1を使用してそれも写る様に撮りました。何でも最近は証拠写真が必要です。
電気主任レベルでいないと思うけど写真を撮りそれで書類を作成したり人に
mailで送れる位できないと今時笑われます。
0君に
22000Vの絶縁状態を日常的に管理するにはどうしたらいいのですか
と質問されました。低圧みたいに3線クランプメーターで挟むわけにもいかない
ので一瞬"考えさせて"と思いついたのがこうです。22000V回路にあるゼロ相
電圧V0を検出するGPTがこれです。オープンデルタ結線電圧を取込んで平常
時はベクトル的に零、地絡発生時は不平衡分の電圧が発生するのがメカニズ
ムです。尚6600V側はV0をZPDで検出してDGRに入力にしています。V0とI0
の位相を見て地絡遮断の方向性をこういうのは判断しています。
直接V0を測定するしかないというのが今の私の判断です。
各配線の対地間静電容量は厳密には一致しないので僅かV0が発生す
るとは学びましたがテスターで0.25Vと確かに非常にわずかその影響
を受けています。オープンデルタの出力電圧V0としては0Vで高圧地絡
はなしです。V0が30Vで2秒間継続で地絡が発生したと認識、方向性を
考慮し所内が原因であるなら受電VCBをトリップさせます。このV0に値
が発生する兆候が見れたら注意すると返答しました。V011~V014の
配線は電圧計に接続されています。V015とV016がV0で継電器へ入力
保安規定項目になくても電気主任が役に立つと判断するなら何でも記録
紙をエクセルで作り毎月実施すればいいのです。何かあったら一番先に
上司やオーナーから提出を求められるのは点検結果ですからね。ただ
限界値になったら警報が鳴る、遮断するからでは納得しない上司もいる
と思います。来年からこれを点検項目に加えようと思っています。
入社当時に受電22000VなのになぜGPT電圧が≒13000Vを指示してる
のか誰もわからないというので調べたところGPT二次側は線間110Vの
スター結線で指示は中性点と各線間つまり110÷√3で≒63.5Vを入力
してるからでした。単純に110Vの線間表示ならば22000V表示です。
結果22000÷√3≒12700Vで表示されているのです。V011V-V014間
で63.5V程度が測定で出るのもそれが理由です。電気主任で入社し
て来る様な方は図面さえあれば私程度はわかる人なんです。
これが私が管理する現場の受電VCBでDGR.OCR.UVRなどの作動
で自動でトリップさせるのです。もちろん事故で切れた事はありません。
通常はまずありえないです。今はN03の2500KVAの特高変圧器系
統だけで運用してるのでもし系統で事故が発生したら調査は後の話
で1秒でも早くNO1+NO2の特高変圧器系統に切替えるという動作を
意識しています。(継電器誤動作の遮断でも確認できるまでは事故
発生と扱う)低圧とは違うここはビル全体停電ですからね。発電機
が稼動しても1000KW分しかなくそれにテナント分電盤まで給電され
てないので早急に私による電源回線の切替が急がれます。ですが
所内が原因のトリップでは電力からの受電(VCB一次側)は生きて
るので27(UVR)は動作せず発電機は起動しません。
(所内事故で発電機の手動運用は禁止とします)
責任分解点の二次側でも受電VCBを操作する場合は電気室にある
電力への直通電話で操作理由と操作時間を伝える約束になってい
ます。事前に会社にも受電系統で異常あったら無条件で系統を切替
えるので20分程度は切替のための停電が発生する事を伝えていま
す。何事も段取りさえきちんとしておけば22000V事故発生もそれほ
ど私は恐れてはいません。冒頭の店舗停電と同じで事故発生時は
早急に故障箇所を切離し残された部分を生かす!復旧時点でその
原因を同時に追っては復旧が遅れて多大な損害を与える事になり
ます。その点を電気主任として意識しておきましょう。この現場での
切替はこうで操作は難しくないけどその時は上司、オーナーなど
ギャラリーが多いはずで人の無言の視線に緊張しないというのが
大切です。プレッシャーは賢者さえ凡人にしてしまうのです。
緊急時操作は遠隔ではなくVCBやDSが実際にある電気室で操作
します。異状時に電気主任が中央監視PCの前にいつまでもいては
現場の真の状況はわかりません。PCでは動作中の継電器点滅表
示と切れたVCBが赤⇒緑表示になるだけです。
危ないので電力の送電を止めてもらえば?と思わるでしょうがここは
他のビルの予備回線と同一回線なのです。電気を一旦止めてもらい
作業する以上は受電DS一次側に甲種アース取付指示が出ると思い
ます。ただそれはその他のビルにもお願いしないといけないのですが
ここなら私がしますが違うそこでは今日はできる者がいないと言われ
たら終わりです。相手にはどうでもいい事ですからね。だから152Rの
切り操作のみで切替は行うつもりです。構内操作なので電力も反対は
しません。なぜか?電力との配給規定に"客側で行った行為による波
及事故は全責任を負う"とすでに明記があり今更あれこれ言われない
電力会社にビル構内で発生した電気事故について質問するのはナン
センスですから電気主任がその時点で最善の選択をします。
この現場で絶対にしてはいけない行為、NO3TRだけ一次側にVCBがあ
るのはNO1+NO2TR運転中の受電状態でNO3TR追加をするためです。
DSは22000Vがあっても電流0なら投入できます。一次VCB切りでDSを
入れてそのVCBを投入すればNO3TRを充電できます。ですがNO1とNO2
には一次側にVCBがないため充電状態で一次側DSを1極づつ投入した
らガチにやばいです。三相モーターの単相運転と同じ理屈!充電状
態でのDS投入はDS二次側が開放されてないといけませんがそれが
無理なのでNO3⇒NO1+NO2への切替は一旦152RのVCBを切り完全
停電としないといけません。前任者もした事がなくこの危険性に気がつ
いてなく私にこういう説明なしで去っていきました。
★貴方は全部この現象を知っていますかではなく、経験しましたか?
私の漏電CHECK方法については都度紹介してるので今日はどこの現場
でもあるテスター、メガ、検電器の私流の使い方のアウトラインをまとめて
みました。上の様な事故時より"感電したかもしれないという調査"で私は
これら方法を状況に応じて使いテナントに説明したりもします。
コンセントの非接地側の口とアースの電圧を測定して100Vあれば変圧器
のB種接地と接続されこのコンセントのアースは効いています。もし反応
しないならまずは接続元の壁コンセント内でのアース線断線の可能性あり
こういう延長タップでは口の大きい方が接地側となってない事があるので
検電して接地側を先に確認しましょう。元の壁側はそうなってるはずです
がプラグを逆に接続してると延長タップでは反対になってしまいます。もし
漏電してるかもしれないと点検依頼があった時は赤いラインリードをこの
状態でその可能性がある金属部分に当ててみてください。尚、人が電気
を感じるのは1mAですから軽度の漏電では分電盤内30mAのELBは動作
しません。冷蔵庫のコンプレッサーが動作時に漏電し密接する金属台で
感電した事例は経験があります。
テスターがないなら検電器でも確認できます。電圧を測定する物なら構い
ません。通常のランプなどがこの2点間で点灯するかでテストをしたら変
圧器で地絡警報が出ますので注意されてくださね。大雑把に言って100W
ランプなら1Aつまり1000mAも地絡します。
今度は体を導体にしてみました。上の直接接地を通しての電圧値の違い
はなぜ?これこそ対地間静電容量が係っています。"電気には対地間で
目に見えない回路がある"意味が見えてきます。稀に絶縁不良がないの
にELBが動作したならこれが関係しますが電源にACを使う以上はなくす
事はできません。単線で電圧があるかないか検電器がない場合この方
法でも確認はできます。100V回路なら70V、200V回路なら140V程度
がテスターで指示されます。私はこれで電気を体で感じた事はないです。
ネオン検電器が点灯するのは対地間静電容量があるからです。これも
上もまったく同じ原理で測定器は反応しているのです。という事は検電
器は減圧された状態で動作してるために当てた電圧が50V以下では反
応しないという意味はわかります。だから人体ではなく接地に片側を接
続して検電器を使用するならより低い電圧にも反応すると理解します。
コンセントのアースと接地側の口に出てくる微量な電圧値が大きいほど
線路の絶縁状態が悪いと言われます。変圧器接地には微量ながら常
に漏れ電流が流れます。当然V=RIで電圧が発生。つまりこの漏れ電
流が多いとこの電圧値も上昇する事となるのです。厳密には迷走電流
とかの影響もあるらしいのですが一番大きな要因はこれだと理解して
います。ちなみにこの回路配給元電灯変圧器のB種接地電流は25mA
で問題なし(基準は50mA未満です)
つまり上はこの間の電圧を測定しています。
このメガは100Vが本当に出ているのですか?こうすればわかります。
検電器が点灯していますので大丈夫です。この検電器なら500Vメガ
までこの方法が使えます。停電作業メガ測定であまりに良好が継続す
ると逆にちゃんと機能してるか私は不審に感じるので時々このCHECK
をします。電池があっても回路が故障する可能性だってありえるでしょう
今の時代にあえて私がネオン検電器をNETで買ってまで使用してるの
はシンプルに確実に動作しこういう使い方ができるからです。非接触式
型で同じ事をしたら中の電子回路が故障するかもしれません?私が使
用してるネオン検電器はメガ指示では抵抗値が2MΩ程度らしいです。
絶縁抵抗計メガとはLとE間にDC電圧を発生させその間に流れる微量な
電流をメーター指示させてるだけなのです。LとEを短絡、実際で言えば
対地間で完全に漏電してる状態ではメーターはFULLで振り0Ω表示です。
そのメガでは感知できないほど絶縁が良いなら針が動かないつまりこの
場合では∞表示となります。100Vメガの電圧では20MΩまでしか測定でき
ませんが250Vメガなら電圧が高いので50MΩまで表示できるのです。
絶縁抵抗測定は対地電圧に応じ法定値以上あるかを知る試験で実際に
何MΩあるか調べる試験ではありません。コンセント回路に500Vや1000
Vメガを使用できないのですから!ただ故障して電圧出力が弱くても∞表
示となるし導通試験を忘れた上にアースリード接続を忘れたミス状態で
も∞表示となります。それとこの基本回路でもしAC充電状態の回路にLを
当てたらどうなるか考えてみてください。Eは接地に取付します。
実は私もうっかり充電状態な箇所にメガのLを当てた事があるのです。
短絡して危険という書込みをよく見ますがその件で電気工事の人と話す
機会があったのでそういう経験があるか質問したら皆さん一度はやはり
あるそうです、指示値は0Ω状態となるけど何もなかったと言われていた
のです。実際どうなのでしょうか?でも上の回路を見て気がついたのは
最初ダイオードを経由してL-E間で半波整流の状態で電源短絡すると
思いましたがLのとこに抵抗があるので電流は当然制限されるはずです。
私が使うメガは短絡電流は1.5mAなのでその役目をこういう抵抗がして
るならばヤバイ短絡事故は発生しない、私のお仕事の経験上では充電
状態にLを当て短絡事故が発生した話は聞いた事がありません。又そ
の時指示が0Ωとなるのは抵抗で制限しながらも最大電流が流れるか
らかなと回路を見ながら思いました。もちろんこれは使用してる測定器
に依存するので絶対とは言いません。結線は基本間違えないでね。
このコンセント回路に対しての機器の絶縁状態を知りたい、メガの接地を
取る場所がないならコンセントの接地側の口にアースリードを接続します
通常メガのアースリードはクリップ型ですのでライン側と同じ形状にすれ
ば使用できます。(通販、ホームセンターで売っています)分電盤メガ測定で
MCBを切りアースリードを主幹一次側の接地相に接続しても絶縁測定
は可能というのを前紹介しましたが単相三線式の真中とコンセントの
接地側は接続されてるのでこれも有効です。(通常の回路と盤接地間
の絶縁ではなく変圧器B種接地を利用して絶縁抵抗測定をする方法)
コンセント位置で行う時はMCBは入れたままで行います。
通常の回路と盤接地間の絶縁抵抗測定では変圧器にメガの循環
電流は流れません。メガのラインリード⇒線路⇒盤の接地⇒メガの
アースリードという閉回路に流れる電流で絶縁抵抗が指示されます。
盤が狭い、樹脂製など盤で接地が取難い時に電気工事の方は上
の方法で測定をされる方もいます。私が知ってる保安協会の方も
この方法を時々使うと言われていました。両方できたら便利です。
"水道管でもアースが取れる"という話を聞きますが実験してみました。
会社の流し台でまずメガのアースリードを単相2線式電源の接地側(白)
に接続しラインリードを水道蛇口に当てたのが次の結果です。水道管で
もアースが効いてるなら0Ωになるはずです。知らない方からみたら電源
配線にメガのアースリードを接続していたらヤバイと思う方がいそうです
がけしてそうではありません。ただ黒線は100Vが生きてますからこの方
法を行う場合は検電器で検電は絶対に行ってください。配線の色なんて
信用しない位でいいのです。(感電と誤結線の可能性はあります)
水回りなので20MΩありませんが法定値を十分にOVERする絶縁抵抗
値で水道管にはアースは効いていません。この場合メガのラインリード
⇒水道管(流し台含)⇒対地⇒変圧器B種接地⇒単相三線式主幹N⇒
単相2線の電源接地側白⇒メガのアースリードという閉回路を構成して
電流が循環して絶縁抵抗値を指示してるわけです。尚、私が使用して
るメガは短絡電流が1.5mAなので変圧器地絡LGRやELBの動作設定
にかかりません。30mAのELBなら16mAから動作領域です。
ついでに電気ポット単体の絶縁抵抗を測定しました。機器金属部にメガ
のアースリードを当てて電源プラグにラインリードを当てる方法も間違い
ではないけどこの方法はB種接地経由でメガの電流を流すので漏電時
の実際の流れに近いです。
家電の絶縁抵抗は20MΩあって当たり前です。こういう物が0.2MΩで
たとえ0.1MΩ以上でもヤバイです。人が感電するのが1mAで対地電
圧100Vとしてオームの法則で逆算したら0.1MΩが法定値の根拠。
絶縁抵抗測定で法定基準以上あればその機器が正常を保障する物
ではありません。家電以外電気製品もすべて新品の時は100Vメガ
の絶縁抵抗値は20MΩ以上あります。それが1MΩ未満になるなんて
誰が考えても内部で何か異状が発生しています。自分が現場管理
を任される様になれば"法定値あればいい"なんて管理をしていた
らそのツケは自分に戻り痛感します。
もしその機器がフレームアース(ボディーアース)が効いてるのか
調べるならば機器の塗装のない金属面に当てたら0Ωとなります。
コンセントの非接地側の口とアースの電圧を測定して100Vあって
も機器側で接地が断線していたら意味がないので電源の接地側
の線を使うメガ方法なら一瞬でわかります。メガは機器の絶縁状態
と接地が効いているかを調べられる事に気がつかれたと思います。
主幹にELBが1個あればすべての回路の漏電保護が可能でコストを
抑えられるメリットがあるのです。水周りがない事務系テナントではそ
れでも通常問題は発生しませんから主幹のみELBというのが多いの
です。ですが想定外の事態で子回路が漏電すると全停電となります
私と違い完全事務系ビルで漏電なんて年に1回あるかという環境の
方はこれからもその状況が続くと安堵してはいけないと思います。
電気主任となったらテナント全停電の急な対応も普段から意識して
おきましょう。その時1秒でも早く電源復帰が必要で業者に連絡なん
て暢気な事はしてられません。と言うかこの程度できないと電気主任
としての資質を疑われオーナーから解任されるかもしれません。ビル
ではテナントから苦情が出る様な対応力のない人をいくら凄い資格が
あろうがスタッフとして使えないのです。顧客対応ができる事が知識
以前に必要です。判断力は知識よりかなりの部分でその人間の性格
に依存します。ビルで働くスタッフは業種は違えど全員顧客にサービ
スを提供するためにいる事を忘れてはいけません。
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