私の持論:急激な温度上昇こそ絶縁抵抗劣化の一番の原因です。
あの触れないモーターの実際の温度を把握されていますか?
表面52℃で適正?実は100℃超過でヤバいのかもしれません。
(使用温度が10℃上昇すると寿命が1/2になる、10℃半減説)
初めての方は以下を読んでから読み進めてください。
⇒絶縁抵抗計の使い方1
⇒絶縁抵抗計の使い方2
以上で実際の絶縁抵抗測定についてはある程度雰囲気を理解された思う
ので運用について今日は記事にしました。
どこの自家用電気工作物も保安規定の定めに従い年に1回は絶縁抵抗
測定を実施するスケジュールが組まれています。
この保安規定、誰がその現場の最終責任者かというと当然ながら所有者で
ある社長なのです。(つまり経営者)
実際社長は無理なので社長⇒誰か⇒電気主任技術者となっているはず。
私が勤務するビルではこの様に技術部長の役職になる方が電気保安業務を
総括されて、私は彼を補佐してここで定める方法で電気工作物の維持管理を
する事で対価としてお給料を頂いてます。
上第7条で主任技術者は上司を補佐してが私の役目なのです。
(私はオーナー会社に出向社員の身分で普段は私の上司みたいな関係)
ところがこの保安規定の点検項目は意外とAboutな内容です。
絶縁抵抗測定に関しては年に1回しなさい。とだけしか記載がありません!
現場を知らない方から言わせたら何でも絶縁抵抗測定すればいいのか?
とだけ理解されるでしょうねきっと?
実際現場の電気主任技術者となってわかるのはこのメガという機器で
絶縁抵抗測定ができないポイントが存在するのです。
もしもそれを行う事で利用者の設備が故障してしまう可能性があるのに
それでも行うのか?★絶縁抵抗測定は負荷接続状態で行う物ですから
切り離せばいいという判断はできません。
私が今の現場に着任して前任の電気主任がしていた絶縁抵抗記録を
見たらその様な測定が無理として省略した部分は記録として不自然な
ので項目から除外されていました。
(項目として除外するか値を捏造するか?という選択を迫られる、特に
捏造すれば電気主任が言わないと第三者にはわかる事はまずない)
表だってけして言えないその現場だけの隠し事でしょうかただ....
実際に電気主任になった人でないとこのジレンマは理解できません。
ただどうして絶縁抵抗測定に躊躇するのかいくつか理由はあります。
1.機器に衝撃電圧試験禁止の記載がある。
絶縁抵抗測定禁止と記載すると法的な問題が発生するのでメーカーは
こんな遠まわしな注意事項を述べているのです。
2.精密機器であり異常が発生する可能性がある。
可能性があると前任者が遠慮していた物を保安規定にあるからと実行
してやはりそうだった場合は社内の誰も貴方には同意なんてしてくれない
激怒したオーナーが電気主任の変更を管理会社に命令されるでしょう。
客商売において顧客財産に損害を与える事はあってはなりません!
3.テナントのシステム担当から変な電気をかけてもらっては困るの申し出
どうしてもするならビルを出ていくと言われオーナーがそこだけはするな!
と電気主任技術者に圧力をかけてるケース。
単なるオーナーと下請け管理会社の関係では逆らう事などできないでしょう?
その他、現場事情により理由はあると思いますがいくら保安規定でメガで
絶縁を年に1回は測定とあっても誰も絶対に大丈夫と保障できない部分に
ついては電気主任技術者と言えど過去されてたきた苦肉の策を無視して
行うわけにはいきません。
それで損害が発生したら電気主任を雇用してる会社が弁償するしかない
わけで絶対を強行すると必ず一部エラーが発生するのが万物の常です。
この様に絶縁抵抗測定をするに当たり★機器操作は簡単ですがそれを行
う対象物に稀に問題が発生するケースがあるのです★
ですがもし電気火災が発生した場合はどうなるのでしょうか?
過去のどのPAGEで記事にしたか覚えてませんが私が工場に勤務してた頃に
消防車が出動する様な電気火災が発生して明けての現場検証で普段の電気
管理内容についても提出を電気主任の方は消防担当官から求められていました
(その電気主任技術者とは私の父で出火箇所は発電機のDC回路で絶縁とは
違う理由でこの火災は発生、結局メーカーが全額弁償されました)
電気火災が発生して最初に係わるのは実際は消防関連なのです。
電気室、EPSなどから出火したら電気主任がまず調べられるのは当然!
(電気的な立入り検査は管轄が違うのでそれは後日別件となります)
ただ最初に問われるのは普段の点検内容の説明を求められます。
消防だから電気は詳しくないと思っていたら現場検証に来られる様な方は
電気火災においてプロでこうした電気設備についても素人ではありません。
ですからできないから何も絶縁管理をしてないは通らないのです。
夜中火災が発生したらすぐ朝8時から現場検証とされるのですから記録
を作り直す時間もないし、証拠隠滅をさせないため迅速に行われます。
私はそれを当時見ていたので着任したこの現場もヤバイと思いました。
上の火災は深夜の事故でしたが日中ですと下手をすると夕方のニュース
で放送される可能性もあるわけでオーナーには風評被害、大打撃です。
だから★電気火災だけは電気主任技術者は絶対に起こしてはなりません★
1.毎月テナント分電盤主幹でI0rを測定をして記録を残す。
この検査ならば★停電が不要なので毎月でも実施する事ができます★
火災事故が発生した場合に消防から問われるのは直近の検査をいつ
行いその結果がどうであったかが一番のポイントになるのです。
保安規定により絶縁測定を11ヶ月前にしたがここにきて電気火災が?
でも11ヶ月前の数値確認だけで問題なしとは世間の感覚からズれてる。
何かの方法で定期的に絶縁状態の数値的管理は必要と思われませんか?
絶縁測定が困難でされてこなかったポイントはI0rで管理を行う
(絶縁に係わる値はI0rだけでI0は厳密にはそうではありません。)
家庭における絶縁管理ですが今は絶縁抵抗計で測定する方法以外で
漏れ電流による方法を保安協会もされています。
これは私の住んでるマンションで彼らが行った報告書ですが言葉より書面
ですから自分のお仕事に役にたつ情報は捨てずに残しましょう。
個人が勉強した論説など言い訳としか消防担当官には通りません!
貴方だってこの事例を見てやっと私の話を信じる気になったはずです。
これは私がテナント分電盤主幹でI0rを測定した時ですが仮にも保安協会
ですから同じくI0rで測定してるはずでI0では余分な量を含むので正確な
対地間抵抗(つまりメガ値)により流れる電流を把握できません。
メガとはDC電圧をかけて対地間抵抗のみに電流を流してそれを抵抗指示
させる物でI0rとは電源電圧と同位相の成分つまり同じ抵抗成分の電流
だけを検出してるので両者がしてる事は同じなのです。
だからI0と違い線路電圧の入力が必要となります。(基準ベクトルとして)
ご存知の様にエネルギーは電圧と同じ周波数成分のみに発生するわけで
電源電圧と同相の漏れ電流I0rが感電や火災などの悪戯をするわけです。
(理由は歪波交流の話になるので省略します、いずれ機会がある時にでも)
I0rって聞かれて?意味はわかりません。では自分の正当性を相手に
主張できないのでこの部分はしっかり押さえておきましょう。
下ではI0=0.1mA、I0r=0.07mAと差はないけど絶縁値が正常だからです。
ですがどういう原理で測定した値かが重要で詳しい方からI0では対地間静電
容量を通じて流れる高周波とか含むので正確ではない?と突っ込まれます。
リーククランプメーターが商用周波数以外をすべてカット可能ならそれはI0r
ですがあるレベル以上の周波数成分をカットするだけでI0rではありません。
厳密に言えばリーククランプメーターは100%絶縁状態を反映してません。
主幹だけを測定するならセッティングして3分もかかりません。
I0r測定を全テナント主幹で毎月行い記録として私は残しています。
私の経験上★主幹でI0rが適正ならば子回路で漏電はありえません★
この子回路を測定したらI0では0.15mAでもI0rでは0mAです。
実際この回路を100Vメガで測定したら20MΩ以上ですが対地間抵抗
つまり絶縁抵抗値が低下すればオームの法則でI0rは増加する
I0rが適正なら絶縁抵抗は正常である。理屈に合っています。
この末端で言えばI0は必ずI0rより大きいのでリーククランプメーター
でI0が1mA未満ならばこの回路の絶縁状態は正常と言えます。
(通常は回路末端MCBにてI0が0.1~0.5mA程度ですね)
稀に電源回路とかだと3mAとかなりそういう場合はI0rで絶縁の確認
が必要となります。これが無停電絶縁CHECKの方法
(回路は生きてるので電圧クリップ時は短絡に注意します)
この件は電気主任技術者協会でもこの様に述べられています。
ただ接続される種類の負荷によってはI0では1mAを超えてしまいI0rで
測定して初めて1mA未満が確定するというのがある事だけは覚えておいてね。
こうすればこれまでメガによる絶縁測定を躊躇していたポイントの絶縁管理
はできると思いませんか?
2.日々発生した電気トラブルについてはすべて写真もつけてエクセルで
結果報告を作成して誰が見ても適正な対応もしてるという管理体制を示す
事ができる様にしておく事。
3.言葉ばかりの点検項目で単にそれの○×の記載ではなくて可能な限り
測定した数値で判定する点検内容に変更して誰が見てもわかる点検書式
を電気主任が作成する事。(日常、月、年点検など)
数値的な変化が一番誰にも説得力があり単に○×は状況を見落としたと
いう疑念を抱かれます。
4.保安規定はその当時の最低限のルールであり現状にマッチした連絡
体制、対応をよく考えてマニアルとしておく事。
5.電気保安教育はしても今の職場のメンバーでは意味なし、相手も面倒で
してほしくないと思っても最低3ヶ月に1回はタイトルを決めてその教育
資料を電気主任が作成して記録に残す事。
6.できだけ早く着任したこの現場設備詳細を研究して見えない状況や
問題点を更に追求する事。(整理整頓、現場各表示など)
保安規定の文言から言えばメガによる絶縁測定をすべてしていないの
は事実ですがそれに変わる効果的な点検方法は必要という事です。
一番いけないのはその部分の絶縁管理を何もせずか記録捏造です。
記録の捏造ではいつか上で述べた様な電気火災が発生するかもしれま
せん。
保安規定の文言が単に絶縁測定ならI0rも含むと解釈できそうだけど
ここでは絶縁抵抗測定ですから絶対にメガを使用した値になります。
この保安規定を設定した時代はハンディーでI0rが測定可能なツール
がないわけですからこういうのを含めて保安規定の点検内容の文言
を変更してもらえるか検討中です。
前任者は電気主任としての個人判断で測定項目から削除して異常なし
と報告しているので会社の技術部長もその事を知りませんでした。
しかも変わる対策を何もせずの状態で途中から今更それを会社に言え
ないので何年も絶縁状態が不明の箇所が存在していたのです。
これに限りませんが電気管理をする上で一度でもごまかすとずっと嘘を
つかなくてはいけなくなります。私はそれだけは嫌です。
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