絶縁抵抗測定は万能ではありません。

最近の私の出来事を少し説明します。500KVA一般電灯2変圧器で
地絡警報が発生しました。今日は絶縁抵抗測定しても不良個所を
特定できない事例を紹介します。
時々こういうケースもあるのです。

テナント盤内ELBが動作したら変圧器で地絡警報が出る様な漏電は
発生しません、地絡で反応する前に現場で漏電をブロックするから
です。こういう場合は主幹がMCB、子もMCB回路で漏電が発生してい
ます。すべてELB化しMAXな安全を実現するとノイズ誤動作、主幹
ELB動作によるテナント全停電となるのも困るのです。漏電に対し
敏感な状態はリスクと表裏一体、とにかくI0が変圧器B種接地管理
基準50mA
を大きくOVERしています。確実にこの変圧器の二次側の
どこかで漏電が発生中。漏電調査は得意なので任せてください。

変圧器後の絶縁バリアーを撤去してD1~D8回路のI0を測定し
たらD5回路にて335mAを確認、I0は200~350mAで変動して
いました。漏電がない時のI0はほぼ一定値ですが漏電が発生
すると値が変動します。


ここで図面を見てD5回路の行き先とD5回路に接続されてるエリア
を確認
します。4階にあるこのMCBである事が判明したので今度
は現地のこのMCBでI0測定を実施。手前の22sqはI0が1mAで
問題なし、奥の60sqは358mAもI0が流れていました。この回路
には3店舗お店が絡んでいます。

各店の分電盤主幹にてI0を測定して漏電テナントの確定をしない
といけません。営業中ですから停電させてメガはできません。
漏電の可能性があるだけで停電させてくれるテナントはまずない
です。逆にその間の売上保障をしてほしいと言われかねないし
私もそれは最初から期待はしていません。

正常ならばテナント分電盤主幹ではI0は一桁、各子回路では1回路
1mA未満がI0での判定基準です。(小型の狭い盤主幹では逆に口
径が大きいリーククランプメーターが挟めません)もしI0が10~20
mAとなった場合は電圧もクリップしてI0rで判定
を行います。I0rで
問題がなければ絶縁は大丈夫です。下の場合I0で0.8mAですから
問題はありません。これならメガ値は100MΩはあります。

絶縁判定に必要なのはI0rなのですがI0>I0rですからI0が低い
場合はI0rも低いと判断して特に行いません。下の様な値ではメガ
のレンジの関係で測定できませんが100MΩはあります。乾燥してる
事務所関係テナントでは主幹I0r測定値はたいてい1mA未満です。
対地間静電容量等の影響で主幹I0が数mAになる事もある

本題に戻りますが2店舗目で主幹で200mAを検出、3店舗目は主幹ELB
ですから全停電してないという事はそこには漏電はない。100%漏電はこ
こで発生してるので店長に事情を説明するとお店をCLOSEするので調べ
てほしいと協力してくださりました。これは稀な出来事と言えます。盤が
狭いので1回路ずつ通電状態でI0測定はキツイと思っていたので助か
りました。ただ主幹を切り一括メガをしたらなぜか20MΩあるのです。
ですが主幹で200mAのI0がある以上、絶縁測定で問題なくても必ず
ここに絶縁抵抗不良があります。
こういう場合コンセント回路に接続され
る機器の内部漏電です。業務用機器はマグネットがある物が多いので
停電して測定する絶縁測定では絶縁不良がわからない事が多い、又
電子SWタイプでも停電させると回路が切れるため内部の絶縁状態は
わかりません。もちろん電源コード不良でこういう感じで≒0MΩとメガ
で判明する場合もあります。

再度主幹を入れて営業状態にしてもらい主幹にリーククランプ
を挟み1回路づつ切ると白テープのMCBを切ると主幹I0が3mA
に激減しました。
(30mAのELBは15mA以上で動作するのです
から故障原因のあるのはMCB回路です)この時点で停止した
機器を調べ再度不良回路を生かして今度は機器を1個づつ
停止させて故障機器を発見しました。後はメーカーに連絡し
修理手配を店長にお願いしました。絶縁抵抗測定では正常
なのに使用中に漏電する不思議な現象の意味
はご理解頂
けたと思います。


周辺状況が正常になった事を確認します。数字は正直で嘘は
つきませんね。
変圧器B種接地電流もわずか4mAとなりました。

絶縁抵抗測定は機器をONの状態で接続して測定しなさい。昔の
家電なら理解できますが最近の家電では通用しない物が多いと
思いませんか?業務用エアコンの電源ELBが漏電トリップした
メガで測定したら正常なぜ?そうモーターの絶縁は電源側から
では見れないのです。だからサービスマンはパネルを開けて中
の回路上で測定するわけです。
ここまでするならI0でなくても
メガで異状点検はできます。ですが貴方がそれをされた場合以後
の故障については全責任を負います。機器内部点検は取説で他
者が触れる事を禁止してるはず
、保安規定に従う絶縁測定で絶縁
不良回路があり原因が顧客機器であったら点検はきっぱりお断り
すべきです。テナントの方は何も考えず無料で点検してくれたら
有難い程度の意識しかなく何かあれば貴方が触ったのだから
責任を持って修理か弁償してほしいと必ずなります。

最後に自分が今日した事の報告書を作成します。1枚は
申し送りノートにもう1枚は会社管理部に提出します。
"漏電が解決しました"報告だけではダメです。
後で何か問題が発生した時は報告だけが自分の正当性を
示す物ですからこういう事こそ一番大切なのです。
スマホで撮影した写真をPCに入れて報告書を作れる程度
はできないと今の時代困るので特に中高年の方は練習さ
れておいてください。仕事しながら写真なんか撮ってら
れないというのが本音であってもそれは別にしてです。


コンセントや配線が悪く接続される機器負荷が軽い場合は
他回路に接続して絶縁不良回路を使わない事を希望され
る事もあります。(費用をかけたくないため)その時は故障
回路二次側の配線は必ず外しておいてください。テナント
財産ですから可能なら使わない選択肢もありです。

(テナント分電盤主幹引込以降の主開閉器からはテナント
が入居時に設置した物です)

テナント内での測定作業注意点
1.測定器、工具、絶縁手袋の置き忘れをしない
2.室内を汚さない
3.分電盤内でのI0測定は活線作業ですから指が触れて
正常な回路を切らない、感電、短絡等には注意する。
4.テナント様に暴言や聞かれてない余計な助言はしない
5.費用が発生する事は即答しない(コンセント、SW取替
配線の補修程度で原因解決する程度は無償で行います)

今回の記事で知ってほしいのは絶縁測定を年1で、毎月
テナント盤主幹でI0測定までしていてもそこに接続され
テナント機器の急な故障までは知りえないという事です。
飲食のない事務系ビルでは漏電とか1年に1回あるかない
かという状況ですが飲食店がある業種では10年経過した
厨房機器はこうした故障が多いですね。上司やオーナー
はその辺がわからないので管理が悪いのでは?と言われ
かねませんがその辺をきちんと説明できる様にしましょう
漏電事故を事前に100%予想するのは不可能です
ですが毎月テナント主幹でI0測定をしてる事実があるだけ
でいつ漏電が発生しても電気主任として絶縁管理してる
事実を弁明できるのです。

巡回チームの人から相談が私にありました。あるビルで定期的
に稼働させてる機械があるんだけどイベントをしない時はスケジ
ュールを解除しないといけない。ただそこは設備員が常駐してい
ないので誰かがそれを行う必要があるのです。こういうデジタル
タイマーは普通の方には難しいかもしれません。それだけで呼出
を受けるのでもっと誰でもできる方法がないかという相談でした。
現地回路を見ると様は必要ない時だけ既存タイマー回路をブロ
ックすればいいのです。
他会社の設備なのでタイマーを違う物
に交換してしまう方法は選択しませんでした。"事務品を買う程度
ならお金を出していい"とオーナー様も言ってるとの話でした。

確かホームセンターで前に見たあれなら数千円で準備できる!
巡回チームの人と車で買いに行き購入したのがこれです。
よく現場で見る照明タイマーみたいですが少し回路構成が違う
タイプでリレーみたいな使い方ができます。
ブロックしたい時間
が10:23~10:57とシビアでも10:00OFFピン挿入して11:30
ONピン挿入でいいんです。これなら子供でもできますね。この
タイプのタイマーは安いけど作動時間に分単位の誤差が発生
するのは取説にもあるのでAboutかつ確実に目的を果たすこ
ういう使い方を指示もしました。

普通の照明専用タイマーが下ですが中の回路が違います。
リレー的に使うならば上の方式(別回路型)でないといけません。
パナソニック製ですが5千円以下で買えるので特別な時間精度
を要求しないならばお徳です。ただ少しサイズが大きいかな?

ここまで仮取付してあげましたが一応はこのビル担当の方の許可
がいるので許可をもらえたならば既存タイマー配線に接続する様
に巡回チームの方にはお願いしました。同じ会社の仲間なので常
に協力するの当たり前です。実際運用を始めこれなら現地の事務
社員の方でも簡単にできる様になったと報告をうけました。よそ様
の現場ですから作業後は共用部であっても清掃をして綺麗にして
おくのは忘れてはなりません。細かい方はこういう部分も見られる
のです。




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