2017年12月24日日曜日

sanwa絶縁抵抗計 DG35aハイブリッドテスター

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター使用レポートです。
私はいつでも絶縁抵抗、電圧、電流測定が可能なスマートな仕事
スタイルに前からしたかったのです。それには胸ポケットに入れら
れた上にすべてが1個で測定可能
である必要がありました。興味
を持たれた方は参考にされてくださいね。実売は25000円程度(定価
3万円)と少し高めですがそれだけはあります。その事と絡めてこれか
らビル管理をされる方のために今更の絶縁抵抗測定について記事に
しました。

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターの大きさは市場で人気の
高い共立のクランプメーター付KEW2000(右)とほぼ同じで携帯性は抜
群です。ポケットに入るメガという点では合格です。

通常は電圧測定するテスターのリード線状態なので絶縁抵抗測定を
する時は黒側先端をsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター
付属のクリップタイプに変更して使用します。

まず電流測定(100Aまで可能)、肝心のクランプは背面に収納されていて
使用時はこの様に起こします。面白いアイデアですね。特に扱い難い感は
ありませんでした。100Aまでいけるからビルの空調機ではほとんど間に合
うと思います。(AC/DC両方測定可能)、その他で電圧測定は特に説明は
いらないと思うので省略します。


最後に肝心の絶縁抵抗測定ですが通常のメガ測定ではメガの電流は
機器内の対地間抵抗(絶縁抵抗)を通じてこんな閉回路を構成しその
微小な電流値でデジタルか針式で絶縁抵抗値を指示しています。当然
MCBはすべて切りで行います。ですからこの閉回路を確実に構成でき
てる確認がこの試験では特に重要
です。でないとする意味がない!

こんな感じで接地ターミナルがきちんとしてればいいけど接地の取り
難い小型の盤、樹脂製盤もあり年1しかメガをしない人では適当な
金属部にメガのアースをしてしまいます。導通試験を適当な金属間
で行い0Ω指示でも本当にアース端子に接続されてないかも知れま
せん。金属導体にメガのアースクリップをするなら金属部と接地ター
ミナル間の導通で確認しないといけません。上のメガ回路を構成し
ない状態で得られた絶縁抵抗値の結果は単にメガを開放状態で
測定した偽の絶縁抵抗表示です。

保安協会の方にこの方法を教えて頂いたのですがMCB一次側の接地相
にメガのアースリードを取付する事で確実にアースが取れます。
たとえば
三相の場合ですが接地相がわからないので最初に検電器で調べます。
偶然今回はS相の真中でした。R相が接地の場合もあります。

それか電圧モードにして黒を指で持ち赤を当てて≒0Vになったとこが
接地相です。対地間静電容量分が入るため電圧相では対地電圧の
200Vが140V程度で表示されますが電圧があるかないかの判断だ
けならこの方法でも可能です。表示されてる電圧はメガにかかるだけ
で後対地間静電容量にかかり残る人間には10Vも電圧はかかってな
いはずです。盤のアースターミナルに対してなら人と対地間静電容量
はなくなるので下の状態で200Vの対地電圧が表示されます。

MCBのS相の端子が狭いためsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスタ
ー付属クリップでは入らないのでいつも私が使うミニクリップで接地相S相と
アースリードを接続しました。クリップが難しい場合もあるので補助として
ミニクリップも準備しておきます。

後はsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターのラインリードを当て
て普通のメガと同じ様に測定します。メガラインリード⇒モーター⇒D種接
地⇒対地⇒B種接地⇒主幹S相⇒クリップしたMCB一次側⇒メガのアース
リード
という電流の流れで絶縁抵抗を測定しています。B種+D種の抵抗
値はビルでは50Ωもないので測定値には影響しません。DG35aではメガ
測定時に流れる電流は数10μA程度で変圧器低圧地絡LGRやELBの動
作に影響は与えず動作させません。空調機は運転中なのでその全熱交
換機を止めモーターの絶縁抵抗を測定、対地電圧200V回路のためメガ
は250Vレンジを使用します。(500Vメガは幹線メガのみ)

sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター側の操作はこうです。
3レンジ共に有効は40MΩまで。ですが年1の絶縁抵抗測定で法定値あ
るか検査では問題ありません。通常の漏電はビルではほとんどが対地
電圧100V回路で発生するので125Vレンジが一番使う事になります。
いつも記事にしていますが絶縁は正常ならば20MΩ以上あるのが常識
で40MΩあれば十分です。同じ形状で400MΩまで測定できるDG34aもあ
りますが0.1MΩまでしか測定できないので絶縁不良をテナントに報告
する場合に何MΩで不良か伝える事を考えたら0.01MΩまで測定できる
今回のDG35aが良いと思います。
逆に新築現場ばかりを扱うお仕事な
らDG34aの方が100MΩ以上測定できるので向いてるはずです。その他
バックライトやDH機能もあるので使い感に問題はなく、こんな小さなパッ
ケージの中にメガ一般機能をすべて追加できた点はsanwaの技術力は
素晴らしいです。sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスター


接地相による方法で単相三線式も測定してみましょう。モデルは私の住
んでる家の分電盤です。基本、盤一式測定なら主幹一次側真中N相で
子回路ならMCB一次側の白線(接地側)にDG35aのアースリードを接続
します。20AのMCBではミニクリップでも挟むのが難しいため一番クリップ
し易いのは主幹MCB二次側のN相根元です。欠線保護の線があるからす
ぐわかりますがここは触れても対地電圧0Vなので感電しません。外、外
は対地電圧100Vと決まってるので今更、検電器などを突っ込まないで
ください。検電器先端が接地の効いた金属部にも触れると短絡します。
特にこういう小型の狭い盤では必要な検電はする、不要な検電はしない
でお願いします。短絡事故は不注意や余計な作業で発生します。
お仕事でテナント盤を焼いたら会社がテナントに弁償と当人も始末書と
給料カットは最低覚悟しないといけません。

ここをsanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターのアースリードで
クリップします。子回路の絶縁測定ですからここでも構いません。子回
路のMCB一次側の白線とここは同じ意味ですからね。単相三線式で
子回路絶縁測定をする時は中性線でもメガのアースが取れる
のは知
っておいてください。

この盤ですが金属部分をクリップしてもこの様に接地が効いていないのです。
うっかりして導通テストを忘れてメガ測定をして異状なしが表示されてもそれ
は単に開放状態でメガを動作しただけで回路の絶縁抵抗測定ではありません。
こういう事があるから盤金属部だから接地が効いてるとは断言できないです。
アース端子との導通テストは絶対に必要です。前述しましたが盤の金属部で
アースクリップして盤の違う金属にラインリードを当て0Ωだから接地が効いて
るという結構の人が現場でされてる方法は正しいとは言えません。それと
下写真では見えないけど緑線にはメガのラインリードが接続されています。

これが今回クリップしたポイントなら100%絶対にアースは効いています。なぜ
ならアースその物に接続してると言ってもいいからです。ここで接地を取るなら
導通テストなしでも可能です。
この方法もメガラインリード⇒機器⇒D種接地⇒
対地⇒B種接地⇒電源回路N相主幹⇒この盤N相⇒メガアースリードなる回路
構成で微小電流を流して絶縁抵抗を測定します。又下の確認で0Ωでないとし
たらその盤の接地配線は飾りだけでされてないので施工業者に大至急連絡
された方がいいです。でも通常の盤アースで絶縁測定した場合は導通試験も
正常0Ω、メガ値も∞表示を示し異状なしで見過ごしてしますでしょう。保安協会
の方がこの方法が確実と言われたのは接地相でアースを取り絶縁測定すれ
機器絶縁と同時に接地とのつながりもCHECKできるからと後で感じました。

上の場合はこういう流れでメガの電圧はかかったのです。接地抵抗の値は
家ではビルより高いでしょうがMΩの単位から見たら0Ω表示になります。
MCB二次側からならば線路の対地間抵抗を通じてこの回路を構成するため
絶縁抵抗が測定できます。盤接地でのメガ測定では盤と配線間で変圧器ま
での回路は構成しません。どちらもメガの電圧は対地間抵抗を経由するか
ら絶縁抵抗を測定できるわけで問題はありません。今回は触れませんが
アーステスターの2点測定方法も下回路の流れでB種接地抵抗+D種接地
抵抗を測定します。ただアーステスターは充電状態で測定するとELBが動
作する可能性があるとの事で下の方法はメガ測定に限定する方法です。

測定する子回路を切り、家はすべて対地電圧は100Vですから125Vメガ
レンジにして実施!40MΩ以上で絶縁は良好でした。この様に接地相で
メガのアースを取っても今のメガならそれでELBがトリップしたりはない
です。保安協会の方が言う様にここなら確実に接地が取れるというの
がとてもいいですね。


主幹一括で絶縁測定をするならばこういう感じでMCB一次側にアースリード
をクリップしてMCBを切り、MCB二次側でメガを測定すればいいのです。メガ
による電流経路は同じくメガのラインリード⇒線路⇒D種接地⇒対地⇒B種
接地⇒主幹中性線(N相)⇒MCB主幹N相⇒メガのアースリードという流れ。
こういう広い盤ではアースターミナルを容易にクリップできるので従来のア
ースリードを盤アースに接続して測定しても構いませんがそれは線路とD
種接地間の対地間抵抗で漏電が発生した場合のB種接地までの流れま
では確認できません。結論的には接地相でメガのアースを取る方法が
最善と私は思います。ただ停電作業以外では充電部が隣接してるので
電気工事士以上の資格がある方のみがすべきです。
素人作業禁止!

ちなみに電流を測定するならこうですね。100Vタイプで一番大きい2.8KW
タイプのエアコンでは室温度が一定化したらこの様に3A程度しか消費しま
ん、つまり暖房器具で一番効率がいいのは間違いなくエアコンです。家の
回路の電流を測定してみると意外な省エネの発見がありました。

電源コード断線CHECK方法を意外と知らない人がいます。(時々テナント
の人とか見てほしいと持って来られますから電気主任がわからないでは
恥をかきます)正常なら雌側を短絡させて100Vメガすれば当然0Ωです。
このメガなら完全断線で40MΩ、それより良い数MΩでももう使用しない方
がいいです。外観で異状ないならたぶん線の途中にキンクを発生させて
いませんか?

その電源コードを使用するとMCBがトリップするという様な場合正常なら
雌側を開放してメガをすればこのメガなら40MΩです。上と同じ0Ωとなる
なら配線の中で短絡しています。メガを扱う場合で一番ヤバイのはSW
がONの状態の機器を接続して線間メガを行う事です。流れる電流は制
限されるので火花が出て短絡はないけど電子回路が故障する可能性
が高いのです。
それさえ気をつければメガでテスターの導通試験の代
用もできます。 DG35aは電圧と電流も測定できるのでテスターは不要。
ビル管理で18Ωとか抵抗値を知りたいシーンってまずないです。

さっそくお仕事でDG35aを使用しました。
そこは小さな飲食店ですが製氷機が最近時々切れて分電盤のELB
を投入すると何日か使用できるという相談でした。DG35aで絶縁を
測定したら0.05MΩと悪いです。ただ前に物があり製氷機も移動さ
せないと電源やコンセントが見れないので今夜業者を呼んでいる
との話でした。手で触れる場所に電源コード又はコンセントがある
なら私が修理、取替する時もあります。私の見解では機器内部15
mAのELBが動作してないのだから電源コードかそれのコンセント
不良の可能性が高いです。漫画を描いて店長が説明してほしい
と言うのでこんな感じで書いてこれを業者に渡してくださいとお願
いしました。

製氷機表面は検電器でも点灯せず=50Vはない、更に私が素手で
触り電気が来てないのを確認したのと今夜の修理という事で継続
使用としました。テナントへの損害は最小にしたいのです。近くに
コンセントがあればこう測定すれば確実に確認できます。人が電
気を感じ始めるという1mAつまり絶縁0.1MΩではELBは切れない
軽度の漏電ではELBが切れる事ができず感電する可能性あり!
この製氷機タイプだと15mAのELB内蔵だから7.5mA以上漏電
しないと自動トリップしません。だからELBがあっても感電という
のがまったく皆無というわけではないんです。
接地をしていても
対地電圧をB種接地とD種接地の値配分で分圧したD種接地分
の電圧が機器表面に発生してそれに触れるのが感電です。

漏れ電流(I0r)に対しての絶縁抵抗値です。計算上は0.0067MΩ
つまり針式ならほとんど0Ωでも30mAのELBは動作しないのです。
そのELBが切れる状態というのはメガ的にはかなり悪いという事。
この4個の数値程度は暗記しておきましょう。通常ELBはトリップ値
の半分の値から動作します。

大雑把に言ってこういう理屈で漏電が継続したままの機器表面電圧
を測定するのです。当たり前ですが同じ変圧器回路内である事。隣
の動力コンセントの接地を利用して100Vコンセントで配給される機器
表面電圧は測定できません。同じ変圧器ですからコンセントも機器も
マイナスは共通なのです。だから機器表面に電圧があれば測定可能
という単純な理屈です。接地がこの回路においてどういう位置づけに
あるのかよく理解されてくださいね。


sanwa絶縁抵抗計DG35aハイブリッドテスターは小さくテスター感覚
で扱えるので使用感がいいです。実際はこれを胸ポケットに片手には
リーククランプメーターというのが点検スタイルですが機動性は大きく
向上しました。貴方も機会があればぜひ購入されたら貴方の電気保
守業務に貢献する事になります。
業務命令でテナント各機器、コンセントまで接地抵抗を測定する指示が
出ましたが共立接地抵抗計 KEW4300という定電流インバーター方式
なる試験電流が2mA程度の通電中でも測定できる2点アーステスター
で行います。

仮眠室のベッドの下コンセントの接地抵抗ですがKEW4300使うとこんな
に簡単に測定できます。(停電不要)コンセントの接地側とアース間のB種
+D種の値で第1電気室のB種接地は2Ωなのでその差の4Ωがこのコンセ
ントの接地抵抗となります。本当はD種はB種より低い方が好ましいです。
法定値の100Ω以下は満足してるので合格です。ここは乾燥してるので特
に問題なしとします。来年は飲食関係すべてで機器やコンセントにて接地
抵抗測定を行う予定です。


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