電気の使い過ぎ

テナントにおいて電気の使い過ぎでMCBが切れるケースが忘れた頃
に発生します。ただELBでもMCBでも回路が切れたらまず絶縁測定
を100Vメガで私はします。通常20MΩ以上、その上で電気の使い過ぎ
を疑います。
普通の人みたいに切れたから何もせずとりあえず投入はダメですよ。
電気の使い過ぎならばアドバイスしてあげるのが親切と思いませんか?
ただ電流測定のためテナントの電源コードに細工をするわけにはいき
ませんからこんなコンセントを作り、これに機器を接続して機器単体
電流を私は測定しています。

つまりここをクランプで測定すれば電流は測定できます。
機器記載W数はあくまでMAX値ですから実測で機器を振り分けしても
私の経験では問題は発生していません、MAXでするとすぐに20A分
を超えて増設工事のため費用負担がテナントに発生してしまいます。
その前にできる事はしてからの方が増設工事提案もスムーズに行く
のです。
回路は電力Wでトリップするのではなくてあくまで電流でMCBが
切れるわけですから流れる電流だけを考えます。機器の力率がどう
こうとか考える必要はありません、もし500Wと記載があってもその考
えで言えば5Aより多い理屈になるので電流を実測すれば確実です。
100Vコンセント回路でのこうした調査では写真にある共立クランプ付
デジタルマルチテスターがコンパクトで使い易いのでお勧めです。

通常1回路20Aには2~3個のコンセントが接続されています。
1箇所あたり15Aまでですから負荷が19A分あるならば上手く分散
させてコンセントには各機器を接続します。物にコンセントが塞がれ
1個のコンセント無理に19A分の負荷を接続してはなりません。
下の様な状態がヤバいのです。

コードリールをコンセントに接続使用していて煙が出て燃えた事が今年
の冬にテナントでありました。
コードリールを使用してるのを発見したら焼損がないかの確認、線を
収納した状態では500W程度しかコードリールは使用できないので負荷
電流を測定します。これがその時の事故写真で一瞬なら燃えませんが
15A近い電流を巻いた状態で30分も使用したら熱がこもり焼損します。

普通かつ適切に使用していたら漏電や焼損事故など滅多にありません。
毎月テナント分電盤の目視と主幹で漏電I0測定程度はしています。
ですが扱うのはほとんど電気の性質を知らない人なのですから点検を
していてもトラブルはなくなりません。特に最近はバイトが多くテナントの
火元責任者には注意事項を伝えても守れてきれない現実があります。

とにかく焦げ臭いとなると電気主任に即電話がかかってきますので迅速
な原因の発見が大切です。
上の2例では漏電はない20Aではないから保護回路は動作しないわけ
で焦げ臭いは通常20A未満の状態で発生する事が多く、それを放置
して漏電や短絡となります。だから焦げ臭いは事故手前なので"原因
がわからないので様子を見てください"はあってはなりません。

私の保守範囲は22000V~100Vまでです。
トラブルというのはビル現場では対地電圧100Vの回路がほとんどです。
電気設備安全管理においては対地電圧で物事を考える癖をつけましょう。



係長の指導で毎月1回職場の誰かが講師となりテーマー自由で
勉強会を行います
、今月は私が勉強会の先生なので500KVAの
三相変圧器で地絡警報が出た時の話をしました。
それに電気主任は定期的に保安教育を職場でする様になってるの
で私には都合がいいです。

まず第一変電室に行き問題の変圧器のB種接地のとこでI0を計測
したら300mAもある。ここは毎月の測定では15mAで明らかに変!
そうなると変圧器の各系統のI0を計測する必要ありますから後の
絶縁バリアーを外して各MCBの二次側でI0を計測してみました。
どれも順調に10mA未満。

ところがA3という回路で272mAを検出、異常回路は間違いなくこの
ケーブルにつながる何か?です。

一旦中央監視室に戻り図面で系統を確認したら2階のM-2Bという
分電盤に行ってるのがわかり今回は空調機かシャッター関係の異常
かと大まかな検討は感じたのです。
これは今日の事故調査として申し送りノートにつけるために作成した
物で職場の皆さんにも起きてる状況をきちんとつたえる書類はどんな
時でも必要なんです。下の測定値で差引きが合わないのは計測時間
の違いによる物でI0は通常微妙に上下するからです。

ところがM-2Bの主幹では10mAで問題なし、M-2Bから分岐してM-3B
にも行ってるんだけどその分岐に300mAを確認...結局原因はM-3B
にある設備かと判断、ところがM-3Bの主幹でもI0は17mAしかない
これって......ケーブルの劣化かもしれない
又は飲食のテナントが近くにあるからねずみが配線をかじった事も考
えられます。しばらくするとA3回路のI0は182mAまで低下しましたが
依然多いのでI0rも測定を行いました。この系統のボリュームならば
他正常回路と比較してI0rなら5mA程度のはずです。

太いCVTケーブルのI0r測定ではテンパール工業のI0r測定ユニット
RM-1を私は使用しています。所持してるI0rクランプでは口径40mm
のため3本をはさめないからです。


RM-1のダイヤルを回して一番小さい値がI0rという成分で118mA
どちらにしても正常な状態ではないのと、この状態は負荷を含むため
正確な絶縁判定にはケーブル単体で絶縁抵抗測定が必要です。

幹線絶縁抵抗測定ではSPOTで停電となるので事前許可をもらいその
日の22時から開始しました。M-2Bの主幹を切り更にM-3Bの主幹を
切る事で負荷を回路から切り離しました。最後に送り元A3のMCBを
切りここから絶縁抵抗測定を行えばいいのです。

A3二次側で500Vメガで絶縁測定しましたが約1MΩしかありません。
(低圧幹線ケーブルの絶縁抵抗測定は500Vメガで行います)
CVTケーブルは内線規程では1MΩ以上、国土交通省の基準では5MΩ
以上との事なのでこれは限界ギリな状態ですね。
ちょうど○○電工のSさんから携帯に電話があり"丸山さんいかがでしたか"
かと言われました。すでに部長が根回ししていて私の判断で取替が必要
ならすぐに手配します。との内容でした。取替してもらう方が最善と判断した
のM-2B~M-3BまでCVTケーブルの取替をお願いしました。

電技第58条で定められている絶縁抵抗値は、開閉器等で区切ることが
できる電路ごとの最低値です。今回のケーブルは対地電圧100Vなので
1MΩなら0.1MΩ以上を満たしていますが幹線ケーブルメガをそんな低い
値で平気で管理してる現場はそうないと思います。
幹線は重要な設備なので内線規程や国土交通省の基準の基準に従う
管理をしていた方が何かあった時に言い訳もできます。

国土交通省公共建築標準仕様書(電気設備工事編)
低圧配線の電線相互間及び電線と大地間の絶縁抵抗値は開閉器等で
区切ることのできる電路ごとに5MΩ以上とする。ただし機器が接続された
状態では1MΩ以上とする。


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