2017年6月4日日曜日

Ryobi スマートフォン用赤外線放射温度計 ES2000 レポート

Ryobi スマートフォン用赤外線放射温度計 ES2000
電気保守管理をする上で毎月テナント分電盤主幹や幹線でI0測定
し絶縁管理をするのは大切な業務です。
同時に電気機器の温度管理も大切な業務ですが今回私が見つけた
面白ツールを紹介します。
見た通りスマホに専用センサーを取付し携帯の機能も利用する事で
低価格と機能性を両立
させてるアイデア商品と言えます。
職場のサーモガンより低価格でスマートな扱いができると思います。
又前面からサーモガンと同じ様にレザーポインターが発光します。
業者が使う高額なサーモグラフィー(20万円~)は会社にお願いし
ても購入してくれないでしょう。これなら個人でも買えます!

楽天やYahooで5~8千円だけどアマゾンで3800円という破格値段
でした、この商品なぜか販売元の違いで価格差が大きい輸入品なん
です。けして3800円は中古品ではありません!
同じ新品販売でも倍近い価格差があるのは日本語解説とかが付属し
てるのかもしれませんが販売元にサポートは確認されてみてね。
3800円ではそれがなくても仕方ないのは納得済みで購入しました。

さっそく私が管理する現場で温度測定を行いました。
EPS内のMCB表面温度を測定してるのがわかると思いますが測定
中の状態は画像データーとして残せる優れ物で温度以外では日時
も表示するので写真を見ればどのポイントの温度をいつ測定したの
か一目瞭然です。
画像dataとして出力し報告書貼付、mailなどにも即利用できます。
これからの時代"確かにこうだ"という証拠写真が必要な時代です。
正常ならこういうMCB類は25℃~35℃程度と覚えておいてください。
ただ部屋温度が30℃を超えてると正常でも40℃近くいくかも?

参考までにテナント分電盤で温度測定をした時は私はこういう表を
エクセルで作り記録に残しています。
人が我慢しても素手で触れるのは50℃までです、そんな温度になる
様なMCBがあれば即取替を提案します。
何度まで大丈夫なんて言っていてもし投入できなくでもなったら相当
な苦情が出るので製品のレッドゾーン温度で管理してはダメです。
事前に調べている事で事故を起こしたら終わりなのです。


今度は高圧変圧器の表面温度を測定しました。
夏場は電気室は冷房するから年間通じて40~60℃程度ですが
屋外キュービクルは結露防止で冷房できないので夏場で65℃位。
測定開始~終了の間の最小と最大値の差ですがピタリと同じ1点
を狙うのは難しいです。差があるのは私の手元が微妙にブレている
せいです。ポインターを当てたら脇をしめてその手元を固定し一旦
測定をOFFして再度ONした方が少しでも差を減らせそうです。

2500KVA特高変圧器放熱フィンの温度測定
上の500KVAの高圧変圧器と運用において何ら変わりないです。
変圧器は人間では肝臓で凄く丈夫で一番故障し難い機器ですね。
とにかく今度は上で書いた様に手元のブレを意識して測定しました。
これなら完璧です。サーモガンで"42℃"と点検用紙に記録するの
と違い少し気を使いました。こうした心臓部に当たるポイントについ
ては今後ES2000で写真でも記録を残そうと思っています。

受電VCB正面操作パネル
実際はこの入れ物の中に本体はあるからここで温度測定は意味
ありません、尚この位置で直接VCBは操作はしないです。
VCBは単に電流を通過させるだけで変圧器と違い熱は出ません。
(ポインターを適当に当てたので最小と最大に差が発生)

上VCBのIN/OUT部分温度ですがこんな場所を触るわけにはいき
ません!通常は周囲温度+α程度で室温度を大幅に超えない。
こういうとこで熱が出るのは接続部の緩みで温度を測定するのは
接続部がある部分を重点的に、たとえばDSのブレード部分とかも
この現場の場合過去記録で言えば35℃とかでも私は異常を疑い
ます。
何度まで大丈夫かという考え方ではなくて日常の測定値を逸脱
する温度となった場合は劣化、不調の始まりでそれを早期に発見
するために私はこんな測定を毎月しています。
何度まで大丈夫か?という意識は絶縁抵抗測定と同じで現場管理
してる人の意識ではないです。レッドゾーンを管理基準にしない!

たとえば対地電圧100Vのコンセント回路で0.2MΩだから問題なし
として処理し来年の測定まで放置する意識、そういうとこは元々
100Vメガで20MΩはあったのです、半年後に誰かが感電したら?
測定時のその瞬間の値だけさえ基準値あれば構わないとする
管理は私流ではありません
、温度についても同じです。

22000V回路受電CTの温度測定
月例電気点検では主要個所のこうした温度を記録に残しています。
今後はサーモガンからこのES2000で測定画像記録も残します。
もしこういう物が焼損したら必ず温度管理についてオーナーから責め
られるから必ず測定はしておかないといけません。していてもそれを
証明する物となると写真しかありません。
サーモガンでの液晶指示状態を別にデジカメで撮るのは難しいです。


絶縁物の耐熱温度を越せば寿命は著しく低下する検証

こういう事を職場で質問される事は100%ないのであくまで参考までに!
電気に係わる人は寿命を判定するモルチゲルの公式と10℃半減説は聞かれ
た事があると思います。
①がその式です。②は絶縁物が130℃まで上昇した寿命T1③は10℃半減説
を適用して定数βを逆算してみました。
次にA種絶縁物が定格の105℃まで上昇した時の寿命を示す式T2が④でそれ
に②③の結果を代入してみます。(★計算は電験三種の範囲です)
定格温度になった時の寿命T2が資料としてあるならば130℃まで加熱した時の
絶縁物の寿命時間T1は計算できますが今はわからないので適当に1000Hと
するならば176Hでこの結果から、定格温度105℃のA種絶縁物を130℃で
使用すると寿命は1/5以下になるのだけはわかります。

解説:指数計算の公式の確認、次に③は10を二乗したら100ですよね、逆に
2は10を底とした100の対数であると同じ考え方で変換すればいいんです。
⑤のεは自然対数の底で2.718それを1.7325乗すれば5.65が得られます。

関係式が判明したのでエクセルで式を組んで105℃を1とした場合の温度超過
による寿命の推移をグラフ化してみましたがありえないけど160℃になんかなる
と一瞬で絶縁破壊してしまうという事ですよね。


購入時はBasic(基本)モードで黒背景の温度だけ表示となります。

スマホでこれの専用ソフトを起動させこの操作画面まで移動します。
途中で解説ページにJAMPするか英語で聞いて来るからすべてskip
して操作画面まで、尚この時点でES2000はスマホに取付状態です。
すべて英語マニアルのため今日は使いながらこの程度まではわかり
ました。(まだ私もすべてを把握してない)

設定画面で以下の操作を行う事で上の操作メニューとなります。

撮影すると画面左下にそれが表示されますが画像を下の様に指で移動
してください。これがどの画像ホルダーに入るかはその携帯機種による
ので保存場所を確認しておきましょう。
たぶん通常のカメラ機能を使った時とは違う場所に画像保存されます。
設定して扱える様になるまで少し大変かもしれませんが頑張って使
える様になったら貴方のお役に立てます。


iPhoneの方はApp storeからその他の方はGooglePlayから専用
ソフトを入手されてください。ES2000は携帯に接続しただけでは使用で
きません。Phone Worksにて検索すればダウンロードページあります。

取付、電池交換時の注意事項

実は何回しても専用ソフトが認識しないので私のネクサスでは無理?
と思いましたが赤外線を出すという事は相応のエネルギー源が必要
でそれを接続するイヤホンジャックからは考え難い、そうなると本体
に電源があるのでは?に気がつきました。
硬い裏ブタをマイナスドライバーで引っ掛けて開けるとやはり...
単4が装着されてたけど電池が切れていました。輸入品なのでありえ
ますからこれを購入された方は最初に電池交換を必ずされてください。
上でも説明してますが中のツメの向きを良く見て慎重に外す事!

イヤホンジャックを刺す場所に接続しますが写真でもわかる様にこの
ES2000は4極式なので昔の3極のイヤホンジャックを使うスマホで
は専用ソフトがES2000を認識しないのではと思います。
あまり古いスマホでは使えない気がしますが確認していません。
私の携帯はネクサスでこれやiPhoneでは今回のRyobiスマート
フォン用赤外線放射温度計ES2000が使用できるのは私で確認
できています。これらはもちろん4極イヤホンジャックが使えます。
配送中の破損事故以外では返品不可で自分の携帯との相性問題
やどうしても自分で設定できないという理由、つまり開封したら返品
できないのであくまで自己責任で購入されてください。
そういう条件の物だから安くても会社では購入してくれません!

購入希望の方は参考までに........................
アマゾンRyobiスマートフォン用赤外線放射温度計 ES2000
で検索されてみてください。


同じく携帯に接続する物でなんとサーモグラフィです。
これも海外輸入品で購入店により相当価格に差があるのです。
一番安いお店で32000円で買えますが現在売切れ状態なのでその
価格で販売が再開されたら買って遊んでお仕事にも利用してみたい
と思っています。
尚、このサーモグラフィはマイクロUBSがない携帯には使えません。

現在この価格でなら楽天ですぐに購入できます。
販売店によっては5万円を軽く超えてるケースもあります。
摂氏温度表示もでき実際の温度もわかるので良さそうです。
とにかく一瞬で温度の全体イメージがわかる点がいいですね。
電気保守管理は知識はあっても測定器がない事には何もできない
会社で物を買う場合は正式な見積、請求書が発行できないとい
けないのでNETでの購入は無理、ただ会社が買ってくれないから
と何もしないのでは何も進歩しないのでこれは自分への投資です。
7/7までに3万円台で手に入らないなら楽天の販売価格で購入
するのでその時はまた使用レポートを記事にします。

赤外線放射温度計は単にある1点の温度表示しかできません。
サーモグラフィーは赤外線の波長の差を色分けして表示するので
真っ暗な闇でも相手や物の全状態がわかるのです。
この温度の世界というのに興味があるのでぜひ研究してみたい。
遠くの宇宙を見る時に可視光線のみでは宇宙の雲やチリに邪魔
されて見えない物でも赤外線で見るとそれらを透過して見えない先
まで見えます、私達が目で見てる世界は本当の世界の一部分で
あるのは以前から知っていました。赤外線で物を見るのが今から
楽しみですね。


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