ビル内の照明が点灯しないのですが?電気主任様






空調機が故障で稼働しない場合、真冬や真夏でなければ少しはテナント
も我慢してくださいますが照明が点灯しないのは営業活動ができないので
一時たりとも許してもらえません。

7階店舗通路、フロアーの照明が半分以上も点灯してないと営業より動揺した
電話あり、しかも開店30分前ですから電気主任技術者は早急なる回復を全員
から求められるのです。(モタついてると気の短い店長から怒られます)
広島弁で"やかましい、言い訳なんかどうでもいいから早くなおせ"って感じ!

ちょうど私は受電設備の点検をしてるとこで携帯に連絡が来ました。
こういう場合まず何を考えるかというと照明のシステムの事です。
1~2個なら通常安定器か何かでしょうがそれはありえないので7階のEPS
まず直行してリモコンリレー(RC)の状態を確認しました。
2箇所のEPSで計17個もリモコンリレーが動作してない異常な事態でした。

原因はともかく売り場前の通路を点灯させないといけないので手動でRCを
強制ONさせて現地を点灯させました。
こういう時はRCの表示のOFFを爪でONにすればいいいんです。
これだけ広範囲だとRCやそれを制御するTUではなく、間違いなくフル2線の
伝送ユニット本体から点灯のアドレス信号が出てないと直感しました。
又電源のMCBが一度に17個所も同時に同時刻切れるわけもありません。
RCに操作信号が来ないのですから消灯する場合は逆に表示のONを爪
でOFFにして行う
必要があります。

各階のEPS内のリモコンリレーは昼間ではどれが点灯するのかマークを普段
からつけておく事が大切です。
(昼間のON状態の確認)
夜間しか点灯させない物もあり、仕方なくすべてのリモコンリレーをON状態
にするとビル外の看板や外灯まで点灯してそれはそれで指摘を受けます。

中央監視PCで各エリアの照明制御時間が事前に設定してありますがテナント
工事や理由があればここで照明時間を変更させます。

上のPCの指令で動作するフル2線伝送ユニットがこれです。
使用8年目程度から誤動作が発生しだし耐用年数は10年程度らしい
のでいつかはこれも故障する存在です。
(これは今回の故障で更新した後の新品ですが工事費込で100万円
以上はかかったそうです)

中央監視PCの操作によりフル2線伝送ユニットから現場のRCを点灯させるための
信号送信⇒現場TU(ターミナルユニット)が受ける⇒そのTUが該当するリモコン
リレー(RC)を点灯させる。
こういうのをフル2線方式又は多重伝送方式といいRCをアドレス指定する事で2本
の制御線のみですべての照明用リモコンリレーの制御が可能となるのです。
フル2線伝送ユニットは中央監視室にTUやRCはその照明がある階のEPS内に
普通は設置してあるはずです。

多重伝送方式とはいろんな手法、構成部品の違いはありますが下の様な
制御方式で照明だけでなくエアコンの一括制御など今はすべてこの方式で
スマートに組まれています。

代表的な多重伝送方式として周波数領域での多重化方式である周波数
分割多重方式(FDMA)などですがこういう物は故障したら交換しかないです。

これは上フル2線伝送ユニットからの信号を受けて、各階各所の照明を
点灯させるリモコンリレー(RC)とTU(ターミナルユニット)です。

実際のTUはどこにあるのか?
RCの奥をよく見ると下の写真ではTU38というのが見えていますがこれです。
この1個のTUが4個のリモコンリレーを制御(ON/OFF)します。
RCやTUも10年~15年以内には取替しないと照明が点灯・消灯しないトラブル
が必ず発生してきます。

照明はPC上で各場所時間制御してあり、時間が経過しても照明が点灯
しない、消灯しない場合はまずリモコンリレー交換をします。
取替をこんな感じで私はしますが、配線を外す、本体取付、配線取付
作業で★1個15分程度ですね★
黄色線が24Vの制御側配線で赤、黒が100/200Vの電源側配線です。
黄色線は片側が共通となってるので特にきちんと取付の確認はしてね。
後黄色線は二次側24Vのトランスからなので短絡だけには注意!
ほとんどでこれで正常状態になりますが今回の様に一度に17個も動作
してないのは大元のフル2線伝送ユニットが故障した。と考えるべきです。

赤線側は単相三線式からの線間200V(対地間100V)がかかっていて
配線が密着してるので営業時間中に取替を行う場合は最低限上下の
リモコンリレーの電源は切ってから作業
は行ってください。
できれば営業終了後にこのEPSを停電させてした方が一番安全です。

上みたいな作業で注意してほしいのはこの様にネジが外れない時
これは過去ページの写真だけどマグネット交換で時々私はこれに遭遇
しますがリモコンリレーでも固着してドライバーでは取れない時があります。
この場合はすぐにインパクトドライバーを使用してください。
これは押さえつける様に小刻みに叩く事で打撃を回転力に変換します。
(1回目使用でダメなら556を少しネジに噴射して5分後にしましょう)

同じネジでもAの穴に入れてあったネジは同じAの穴で使用してください。
すべて同じサイズだからとAの穴にあったネジをBの穴に入れても理屈は
同じだけど締めた時のかかり具合に違いを感じます。
癖のつき方が違うせいだと思うけど私はそれにもこだわっています。
業者の方の作業を立会いする時にそれを目で見て覚え練習して自分の
技にするしかないです。(職人さんは聞いても自分の技を教えてはくれません)
よほどの職場でないと職場の先輩もこういう事はわかってはいませんから!

556を噴射してドライバーで叩いてネジ固着を解消するのも手ですがその
場合は必ず貫通ドライバーを使用してください。
グリップ後部に金属部分が露出していれば、それが貫通ドライバーです。
普通のドライバーではグリップが砕けて大ケガに至る可能性があります。
インパクトドライバーと原理が違いますがEPSではあまりするとその振動で
ブレーカーが切れたら怖いので私は使用しません。程度問題ですけどね。
屋内設置EPSではネジが錆びての固着はないのでインパクトドライバーで
回せなかったネジは私はありません。


蛍光灯をすべてLEDにしたのできっとこう思われているかもしれません
がそれはランプだけがそうであってランプに電気を配給してる線や方式
は通常既存のままなのです。
つまりLED化したとしてもこうしたフル2線伝送ユニットやTU、RCが故障
すればLEDランプでも点灯できなくなります。
ただこうした故障はまとめて1ブロックのLEDが点灯しないという状況
となるのでその場合はまずはリモコンリレーの故障を疑ってください。
新築で最初からLEDで施工してるビル以外では”照明が点灯しないの
ですが、電気主任さん
”という連絡はLEDでもいつか必ず来ます。

次に現地の分電盤回路だけど△のRがリモコンリレー(RC)を示します。
×記号があるのはMCBの事でその二次側はRCの接点に接続される。
△記号がなければただ配線のみが現地に行ってるという意味です。
そういう照明回路のON/OFFはタンブラSWで行われています。
回路番号の218の最初の2は線間電圧200Vを意味していて割り当て
られてる数字やアルファベットにも意味があります。
電気を知らない設備の方では2P2Eとか2P1Eとか見てもピンと来ない
でしょうが数字で区分けしておけば間違いは減らせます。

これはRCを現地でON/OFFさせるTUとそこに接続されるRCの接続図で
たとえばTU43はR21~R24までのRC4個の点滅に関係しています。
(RCの片側端子の配線はリモコントランスからの24Vがすべて渡りで
接続されていて、だから黄色の片側はすべて同じ線番なんです。)


どこの現場でもメーカーや仕様が異なるだけでこのフル2線方式(多重伝送)
にて照明回路は制御されてるはずです。
★ビル内で照明が複数同時に点灯しない場合★をまとめますと
1.EPSにあるリモコンリレーを確認してON状態になってない物を確認する。
(昼間ではどのそれが点灯するのかマークを普段からつけておく事)
こういう時はRCの表示のOFFを爪でONにすればいいいんです。

2.修理対策としては遠隔ON/OFF信号を受付けないリモコンリレーの交換
1で強制点灯できても以後自動での点灯・消灯ができないので修理する事。
電気主任技術者が作業として行うのはこの程度まででいいと思います。
私は在庫としてリモコンリレーを現在40個は準備していつでも取替ができる
様にはしています。
これが1個でも動作しないと10個程度の照明器具が点灯しなくなりますが"RCの
表示を爪で反転すれば"と言ってもし内部が焼き付いてそれができない事態も
想定すれば迅速に現場で交換できる様に準備は当然だと思います。


3.リモコンリレーの交換でダメならば業者に連絡を迅速に行う!
通常はこれでほとんどが回復しますがTUは交換後にアドレス設定とか必要
になるし、フル2線伝送ユニットはメーカーでないと取替・設定ができません
多数同時にRCが動作しないのであればフル2線伝送ユニットの故障の
可能性が高いと言えます。
2まで電気主任技術者としての3ですから誰からも苦情は出ません。

4.通常のタンブラSWの照明が点灯しないのは家の照明と同じ仕組みです
から今回紹介してる照明制御とは関係ありません。
(この場合は漏電、短絡、器具不良とかでしょうね)

リモコンリレーのパッケージの記載ですがビルの照明制御と連動していない
店舗のリモコン配線はこんな感じ(ワンショットリモコン方式)
多重伝送方式と比較し回路数が多くなると配線数が多くなる欠点はあります。
通常はリモコンリレー交換で動作不良は回復する事が多いはずです。
次に故障するのはリモコンスイッチかと思います。(修理はできません)
リモコントランスが壊れた話は私は一度も聞いた事はないです。
リモコンリレーの配線はリモコントランス24Vからの渡り共通線とリモコン
スイッチからの各直接続になってるのだけは記憶しておきましょう。
もし照明(リモコン)と何かの機械を連動で稼働させるなら二次側の200V
をマグネットのCOILに入れたら可能となるのはわかると思います。

リモコンリレーの動作原理です。
接点は各動作信号が流れてないならば停電したりその他の電気的原因
によりON/OFF状態が無断・自然に切り替わる事は絶対にありません!
ワンショットリモコン方式においても動作せず照明が点灯しない場合では
とりあえず点灯させないといけないので表示のOFFを爪でONにして点灯
させてください。(修理よりテナント、店舗の営業再開が最優先となります)
リモコンリレー交換は店舗内は営業時間外(早朝OR夜中)しかできません。
尚、故障ではなく漏電等でELBが切れてるならば迅速な原因究明が必要。

10年を経過したビルや工場ではフル2線伝送ユニットが故障してしまう事
はいつ発生してもおかしくありません。
(最悪店舗やフロアー全体の照明がすべて点灯しないケースもありえます)
こういう物はある日突然に故障するので相応の対応策は電気主任技術者
として準備しておきましょう。
おそらくこれが発生するのは朝1の照明点灯時刻でこれから忙しくなる
時間帯ですから自分が担当してる現場は研究が必要です。
"やかましい、言い訳なんかどうでもいいから早くなおせ"なるお叱りの
お言葉、キツいけどこれこそ★現場電気主任技術者に求められる物です★


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