2016年7月20日水曜日

電気主任技術者 ケーブル漏電事故

漏電発生による警報は電気主任として着任したら必ず時々
遭遇しますからどこも何がしかの対応をしてるはずです。
500KVAの三相変圧器で地絡警報LGRが出た!
中央監視盤にはこんな表示がアラームと共に出るの
ビルで発生した漏電はシステム的に必ず一旦接地を経由
するので漏電=地絡と扱っても問題ないと思います。

まず第一変電室に行き問題の変圧器のB種接地のとこでI0を
計測したら300mAもある。
その変圧器の二次側系統のどれかですべてI0を計測すると
A3という回路で272mAを検出!
毎月のI0計測ではこのA3のCVTは15mAしかないのです。
(ちなみにノイズ、高調波は瞬間的で値が継続しません)
間違いなくこのケーブルにつながる何かで漏電が発生中です。
通常I0値の10倍も出てる状況でI0rどうこうはもう必要ないです。
このCVTケーブルの漏れ電流の限界はその最大配給電流の
1/2000だから約150mAと決まっています。


一旦中央監視室に戻り図面で系統を確認したら2階のM-2B
という分電盤に行ってる!
M-2Bの主幹では10mAで問題なし、M-2Bから分岐してM-3Bにも
行ってるんだけどその分岐に300mAを確認...結局原因はM-3B
にある設備かと判断、ところがM-3Bの主幹でもI0は17mAしかない
これって......ケーブルの劣化かもしれない又は飲食のテナント
が近くにあるからねずみが配線をかじったりする事もあるのです。
噂では猫みたいな大きなねずみのボスがいるそうです!

根拠を言われても困るけどこの程度なら私の経験上火災には
至らない、日中の電気を止めて絶縁測定をなんて現実的じゃない
漏電箇所を確定したのが1stStepとして閉店後の今夜23時
ここのメガ測定を行う事にしました。
ただ1000mAを超えていたら即効でその場で緊急対応が必要。
この基準は私が父から教えてもらった判断で今もそれを元
に漏電事故での判断としています。
尚、その件は専門書でも以下確認(父が所有する本)

こういう緊急な状態では技術部長(この現場の保安規定上の保安
統括管理者)と関係するテナントに報告して停電させて継続調査が
必要となります。
場合によってはこの回路の電気は当面使用できないかもしれません
商売を停止させるので金銭的な問題もあり私ではなく部長に店舗
停電の交渉をしてもらいます。
これはこの会社のルールなので社員として厳守が必要なんです。

★深夜測定状況
まずM-2Bの主幹を切り更にM-3Bの主幹を切る事で負荷を回路
から切り離しました。
(ケーブルの絶縁だから分電盤要素は外す必要があります)
ブレーカーの投入レバーは上に上げて又は右にしてONとなる
様に本体は取付してあるはずです。
本体左の赤いボタンを押すと手動トリップさせられますが
あれで切ると監視PCで警報が出るので通常操作しません!

ではA3二次側で絶縁測定開始、あれ1MΩ未満しかないじゃない!
通常負荷をすべて切り離ししてるのだからここはレンジFULL
の50MΩ以上であるべき(250Vレンジで測定)
3ヶ月前の停電作業での幹線メガではそうだったのにこんな
短期間でそんな劣化値が出るのがおかしいのです。
法的に0.2MΩ以上なら0.3でも大丈夫という判断は私はしません。
ただより完全な確定にはM-2B盤のとこでCVTの主幹接続を外して
M-2B~M-3B間のケーブルのメガ測定をする必要があります。

ただ盤の主幹のケーブル接続は強固に業者が接続していて一見プラス
ドライバーで回せそうですがたぶんインパクトでマシ締めしてるため
男性でも無理です。
締付け力以上の力で回せないと滑るばかりで山をつぶすから私は
こういう部分では専用工具を最初から準備しておきます。

インパクトドライバーかこういうソケットレンチを使いますが一般的
にはソケットの方が扱いやすいとは思いまます。
これは人によりですからとにかく破損させないでねじを外せるなら
どんな方法でも構いません!

私はインパクトが得意なのでそれで外せましたのでその上で
M-2B~M-3B間のケーブルのメガを測定したら0.3MΩしかない
ちょうど○○電工のSさんから携帯に電話がありました。
丸山さんいかがでしたか?と言われました。
すでに部長が根回ししていて私の判断で取替が必要ならすぐに
手配します。との内容でした。
私が状況を説明したところ業者も"もうそれは交換しましょう"
という即答でここからは業者に任せます。

部長には遅くなっても連絡してほしいと言われていたので写真
を撮りLINEで説明は済ませました。
数日はなんとか使用できそうですがもう長くないので今週中
には取替工事が必要です。
AM1:30で日を越してますが今日業者を呼んで取替工事の打合せ
をしておかないといけない

これは私が使用してるメガと同一機種だけどメガの記録を書く時
によく∞(無限大)なる書き方をする方がいますが あれは正確
ではありません。
250Vレンジで絶縁が最高に良い状態なら50MΩ以上、500Vレンジ
では100MΩ以上と書いてください。
無限大の絶縁抵抗なんて世の中には存在しません!
メガの表示は対数表示になってるので微妙な見間違いしない
のと★コンセント回路は必ず100Vメガで行う事★
ただ機器が未接続ならばどこでも500Vメガで構いません。

テナント内の漏電事故でELBが動作した場合は30mA程度で瞬時に
その回路は切れるため前述の変圧器のLGR警報までには至りません。
その場合では原因が機器側かその手前かを調べます。
前の時は厨房の専用回路がトリップしてしまいご飯が炊けない
という店にはヤバい状況でした。
電気使用量が多いため隣のコンセントから延長コード接続なんて
するとそこが過負荷で落ちるためそれも無理な状況!

まずその回路に接続される機器を外してメガ測定をしたらほぼ0Ω
どちにしても機器側の異常ではないのはわかりました。
ただ厨房のこの時間帯では原因調査できませんから応急処置が必要
となるのです。
そのELBの不良二次側の配線を外してVAで仮設配線を行いました。
不細工な露出配線でもとにかく営業を継続させないといけません!

店長には閉店後に本修理が必要なので日中に業者に連絡しておく様
にはアドバイスをして終了です。
基本テナントの中はテナント財産なので私は何もしなくていいのですが
それは理屈の話で何か電気で異常があれば相応の対応はします。

もし何もしない対応が前任者から通る現場ならそれでもいいけど
自分の存在の意味は最低前任者以上ですから前の電気主任
がしていた対応は必ずできないといけません。
そうでないとオーナーの方にクレームがすぐ入ります間違いなく!
"今度の電気の人は何もしてくれない”という内容でしょうね?
ただ工場でも同じで結局★前任者と同等の対応するのが電気主任
が現場ですべき最低基準だと思います。

もちろん自分をアピールするならそれ以上の何かが必要です。
電験2種があるのですか?そんなの関係ないって!何ができるかです。
他人のために生かせない博学なんて意味ないです。