電気主任技術者 分電盤説明

電気主任として着任する場合必ず分電盤は扱えないといけません。
こういうのがどこのビル、工場でも各階に最低1箇所はあります。
電気室で受電22000V⇒6600V変換⇒105/210V変換した後に
最初に各階で電気を受ける場所をEPSといいここから電気を送電。
主に共用設備電源が多くテナント、店舗はこの盤があるEPSに一旦
CVTケーブルが入り、ここから各部屋に行くパターンがほとんどです。
分電盤を構成するパーツを交換するテクは自ら施工して手で覚える
しかありませんが知識としてはこの程度知っておけばどこの現場
に着任しても恥はかかないと思います。

100V回路は外線と真ん中、200Vは両外線から接続します。
これはご承知の通りあの単相三線式(1φ3W)ですね!
皆さんの家に来てる電気と同じタイプですから現場で働いてない
方は家の分電盤で確認されてください!(基本は同じ)
ビルや工場の場合は非常灯試験SWとリモコンリレーというのだけ
余分にあります。

単相三線式の真ん中は中性線と呼び変圧器のとこで接地してるので
0電位です。0電位とは触っても感電しないという意味。
論より証拠で今回特別に新人さんに素手で触れてもらいました。
この接地線を常時計測する事でビル内では低圧地絡(LGR)を監視
してるので高圧と低圧の接触以外でもB種接地には意味がある。
尚、三相(3φ3W)回路の場合では私が着任するビルでは変圧器
二次のR相接地です。(接地は他相でも構いません)
通常三相動力変圧器の二次側はデルタ結線のはずです。

対地電圧とは簡単に言えばこの様に触れた時に感電する
電圧値
でこの中性線の対地電圧は0Vです。
単相三線式の各外線の対地電圧は100Vですから単相三線式から
分岐した単相線間200Vの対地電圧は100Vとなるのです。
R相接地の三相ではR相の対地電圧は0Vで他相は200V、仮に動力
変圧器二次側がスター結線なら3線すべて√3で割った約115Vです。
線間200V回路と言っても電源種類により対地電圧は異なるのです。
(厳密に言えば接地以外の対地電圧は感電点接地抵抗とB種抵抗
で分圧するから電圧値は各それ未満とはなります)

200Vの照明回路の絶縁抵抗値は?
対地電圧が150V以下は0.1MΩ以上ですから単相三線式からの
200V照明なら0.1MΩ以上、変圧器二次側デルタの三相からの
200V照明なら0.2MΩ以上となります。
同じ単相線間200Vでも引き出し電源で値は異なるのです。
絶縁抵抗値の区別は対地電圧であるのを意外と存知ない人が多い
ので電気主任技術者は理解しておきましょう。
ただ天井内乾燥した場所の照明回路で絶縁抵抗値が0.1や0.2
しかないのは異常で内線規定でいう1MΩ以上が好ましいとなる様に
原因を探すべき、施工時は必ず20MΩ以上絶縁抵抗値はあったはすです。
★どんなに古い建物でも経年劣化だけで20MΩが0.1MΩにはならない★
(コンセント回路と違い照明回路はほぼ固定設備なのでなお更)

私の父は工場でこういう方法で私に対地電圧の意味を教えて
くれたのでとてもよく理解はできました。
マグネットの頭が入ってるのでこれはONしてるつまり三相通電中
それでいてR相(赤)を素手で触れても平気なのはこの配給用の
三相変圧器デルタ二次側がR相で接地されているからです。
でも線間R-S、S-T、T-R間はテスターで測定するとすべて200V
なのに触っても感電してない下の事実は電気を知らない人には
手品に見えるかもしれませんね?
ただもしS相(白)が接地の場合でこんな実験をしたら感電します!
職場の後輩にいいとこを見せようと確認なくしてこんな真似をした
ら危険ですからここで見て納得するだけにしてください。

非常灯試験SWとは停電した時にだけ点灯する非常灯を正常状態
で点灯させる
ためSWで、これは電圧を拾って通常はONしてる27と
いうリレーを手動で切る事で仮想停電状態を作ります。
建築設備点検をする時にこれを使い非常灯を点検させます。
(図面で見るとR3の回路から分岐させてる線の事)

これが非常灯回路で正常時上分岐線に電圧があり右上に点灯
してるリレーが27です。
2個点灯してるのはこのEPSには写真の分電盤が2個あるから!
停電してこの27リレーがOFFになるとb接点経由でマグネットの
コイルに通電される事でONとなり下の左右のMCBに通電されます。
結果そのフロアーの非常灯が点灯するのです。

非常灯回路の電源はDC100Vで電気室からの専用回路です。
ですからACが必要な蛍光灯は非常灯では使えません。
停電し発電機も稼動しない場合は蓄電池によるDC電圧しかない
という点で非常灯回路はあえてDC電源が選択されるのです。
停電時に点灯する蛍光灯は非常照明として発電機回路で別に
接続されています。非常照明と非常灯は厳密には違います。
ただこの元の蓄電池は受変電の制御電源も兼ねているので私が
勤務する現場では非難誘導は30分あれば完了するとして点灯後
30分したら手動で非常灯を切る様に決めています。
どこの現場でも停電時の非常灯の扱いには気をつけてるはず!

これは100VのMCBで2P1Eの1Eとは過電流素子が1個ある意味
でNと書いてある方に電源のマイナス(白)、もう片方に電源側(黒)を
必ず接続します。(過電流素子に充電側が接続される)
変圧器での絶縁管理(B種での漏れ電流計測)は経済産業省の通達
で実施する指示が出てるのですが各階の分電盤、ましてテナント店舗
で私の様に毎月主幹MCB漏れ電流測定してるのは稀かなと思います。

単独回路の漏れ電流I0やI0rを計測するなら2線を一緒にクランプ
で挟めばいいのです。(1mAが計測可能な測定器である事)
単相三線式主幹MCBでの測定では3本一緒に挟んでください。
(主幹MCBの測定では口径80mmくらいのクランプが必要)
尚、Ior測定では別に電圧入力のため電圧クリップが必要となります。
⇒1万5千円でI0r測定可能
いくらリーククランプメーターで計測しようが絶縁管理について有効
なる主張ができるのはI0rしかないので私はI0rを選びます。


これは200VのMCBで2P2Eの2Eとは過電流素子が両極にある意味
200V回路は単相三線式の真ん中を飛ばして両側のバーから
接続されてるので触ったりしたらどちらも感電しますから注意!
いずれにしても2P1Eか2P2Eを見れば100Vか200V回路かわかるのです。
100Vなら2000VAまで200Vなら4000VAまで負荷使用可能
電圧が高いほど同じ電流でも多くの負荷を配給できます。

MCBは表示のアンペア値ではトリップしない
それより大きくなると値に反比例した速度でトリップする反限時特性です。
又必ず末端が元より先に落ちないとたびに元が切れていては運用上
都合が悪いでしょう?こういう考えを保護協調と言います。
飲食や店舗では必要な子回路にELBは使いますが元にはまずELBは
使いません。(一ヶ所の漏電で店内が全停電していては困る)
飲食でない通常のSHOP系はほとんど漏電事故はないので元に
ELBを使用してるケースもよくあります。

MCBの背中側の記載で普段あまり見ないでしょうがAMB.TEMP
とは周囲温度の事
で40℃の時に20Aを超えるとトリップして
以降10℃上昇する事にトリップ電流が10%下がりこういう物の
周囲温度の限界は60℃です。
通常の人間が我慢できる室温程度でMCBが影響受ける事は
ありません。
時々温度とMCBの関係については質問される事があります。

これは中央監視のフル2線という照明ユニットからの信号
を受けて動作するリモコンリレー(RC)と言います。
奥にTUという文字が見えますが照明ユニットからの信号を
まずTUが受けてこのTUにより4個のRCが制御されます。
緊急時故障でRCが遠隔動作しない場合は黄色の表示で
OFFになってるのを爪でONにさせれば強制ONさせられます。

このRCの取替程度は時々私はしますが電気主任技術者はこの
程度はできる様になりましょう。
右側の青と赤端子に接続されてる黄色線が制御で左側がMCBの
二次側と負荷先につながる電源です。
同じ4番の線がすべてのRCにあるのは渡り線でリモコンTRと接続
されています。
もし何かの理由でどれかのRCの制御を止めたい場合は右の赤端子
に接続されてる線を抜けばいいのです。
青を抜くと渡りを外す事になるので以降のRCがすべて動作しなくなる。

ただ一度に同じ場所のRCが複数同タイミングで動作不良ならRCより
TUか大元の送信ユニットの方が悪い
可能性が高くそこまでなら
照明業者に相談されてください。
(動作不良とはOFF操作を遠隔してないのに照明が切れる場合も含)
一旦ONかOFFになったRCが反対の状態になるのは手動で操作か
実際にON/OFF信号をRCが受けた場合のみで停電してもその前
の直前の状態をRCはキープします。
ビルとかで照明点灯時間以外でRCが無断でONになるのは中央監視
にある照明信号の大元のユニット不良です。
電気主任はすぐにRCが悪いと言う判断はせず総合判断で無駄な
対処はしない様にしましょう。

これは私が着任するビルの場合ですが中央監視PCの操作によりフル
2線伝送ユニットから現場のRCを点灯させるための信号送信⇒現場TU
(ターミナルユニット)が受ける⇒そのTUが該当するリモコンリレー(RC)
を点灯させる。
こういうのをフル2線方式又は多重伝送方式といいRCをアドレス
指定する事で2本の制御線のみですべての照明用RCの制御が可能です。
(もし通常でn個のRCを制御となるとn+1本制御線が必要)

盤の一番下がアースターミルでその階の各店舗内分電盤のアースが
接続されています。

もし営業中外しても機械が止まる事はありませんが接地が効かないと
人間が感電する事でしかELBが動作しないので通常ここの線を外して
はいけません。
尚、同じアースでも警備会社の装置につながるアースは外しただけで
装置エラーになります。
アースには感電防止のFG(フレームアース)と回路の一部となる
SG(シグナールアース)がありSGは解放厳禁!

線に印字してある番号は各店舗や機械を意味していて理論的には
店舗内で漏電があるとこの線に流れ変圧器のB種接地に戻るので
この接地線をリーククランプメーターで計測すれば各店舗の絶縁
管理は理論的には可能です。
分電盤内でどうしてもクランプが挟めずならここしかありません。
でも電気はどんな見えない回路導体を通じて流れるかわからない
ので計測するならここより盤主幹が一番正確だと思います。