2016年5月23日月曜日

夏場の冷凍機緊急故障~業者来ない?

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今でもはっきり覚えてる昨年の真夏一番暑い時期のトラブル
500冷凍トンの冷温水発生器を3台運転していた時NO1号機が
急に異常停止しました。

私はちょうど受変電設備の巡回のため館内のどこかにいたら携帯
に連絡が...係長からで冷凍機が停止したという事で全員中央監視室
に帰還命令でした。
すでに職場の男性が二人現地に行っていたので私も丸山さんエラーコード
ではバーナーファン過負荷だけどこれはどういう意味ですかね?
と言われてすぐ制御盤の扉を開けてざっと中のパーツを目視してみました。
あ!これだ。バーナーファンのTHRがトリップしています。
トリップすると動作表示ボタンが飛び出すんだよ、THRは!
冷房なのになぜ過熱が必要か?⇒冷温水発生器原理

すぐ業者に男性が連絡されましたが他のトラブルで技術者が現在いない
ためすぐに来れない!という返答でその後だから夕方に来る事になりました。
今日暑いから2台では大丈夫かな?と一旦中央監視室へ戻りPC画面の
温度を見てたらジワジワ冷水温度が上昇30分程度したらテナント数社
から暑いと連絡が事務所にありました。

各フロアー担当3人の方が来られて急に部屋が暑くなったけど冷房してますか?
ええ壊れたんですかと悲鳴!
2台で過負荷状態のため機械の冷却水出口温度も38℃ヤバイ...このまま
上昇して正常機まで停止するかも?業者が来るまで待っていれません。
係長が丸山さん何とか応急処置できませんか?とお願い。
テナントだけならともかく一般客もいますから
真夏でビルの中を30℃以上は絶対に許されません。

男性3名と再度現地に行き問題のバーナーファンを検証モーターが逝ったの
ならもうダメだけどマグネットの二次側でメガしたら生きてる事を確認!
なのにどうして過電流が流れたのだろう
私の薄学では運転中に単相運転となり2倍の電流が流れTHRの設定に
達してトリップ動作したしかない!
(理論的には1.73倍だけど実際倍は流れます。)
というよりこの時点ではその故障以外は対処できません。

まず状況を再現したいのでこのバーナーファンのみを単独運転したいけど
最初に見た通り電子制御なのでそういう操作はサービスマンしかできませ
んが様するにマグネットのあそこを手で押せばモーターに電圧がかかり
バーナーファンを回せます。
私の直感で制御基盤が生きてる状態でそれをすると中央監視でいう状態
不一致だからまた余計な警報を出したくないしこれで壊したらマニアルに
ない操作だから業者に後でその事を報告書上で叩かれる可能性があります。

制御電源をまず切りました。これで回路は完全に停止してる状態なので
単独でバーナーファンを回す事に支障はないはずです。

上は運転状態で停止中はその部分が飛び出しています。
制御を無視して強制的に負荷を稼動させたい場合押せばいいの
ただ5.5KW未満の直入れ起動モーターに限る。

手でそれを押したらファンが運転開始しました。
あれ?音も悪くない!でも1分くらい経過すると手で触ってるマグネッ
トがブーンとうなり音を発生。
この音と振動は単相運転になった時の状態にそっくりです。
三相モーターの単相運転は聞いた事あると思うけどそうなった時に
電流値以外でどんな感じになるか私は経験した事が過去あったの
ですぐにわかりました。
これならなんとかできる!希望が一瞬見えました。ただ
上の線を全部外して交換してる暇はありません。

マグネットのコンタクタを抜いて見るとかなり炭化して劣化状態!
これはすり合わせても30分したらダメになるかもしれない?
これと同じ製品のマグネットで同じ型式のをどこかで見た覚えがある
...あ地下のあのポンプがそうでした。
衛生関係のポンプで2日程度運転しなくでも大丈夫なので
それと中のコンタクターを交換しました。
その後で3分運転させたけど今度はまったく正常でTHRも動作しません。
すぐ携帯で中央監視室に電話して1号機の運転を依頼しました。

制御電源も入れて理論的にはこれで復活するはず。
そうなんとか正常に冷房運転を再開できたんです。
正直なんとかしないといけない肩の荷が下ろせました。
結果論で言えばたかがこんな部品だけど機器故障ってたいてい
そういう物でそれが突発的に発生して現場は翻弄されるのです。
確かに今回の部分までは点検を普通はしないから定期交換を
計画的にお願いすべきであったと反省点はあります。

急な故障が発生しても彼らも他で頑張ってるとそこを止めてすぐに
こちらに来てください。はできないんです。
その相手様もこちらと同じ様に困っていらっしゃるのですから
業者任せも必ずしもそれがいつも有効とは言えないのです。
そうなると電気関係ならば一度は職場の皆さんは電気主任の顔を
見られます。できればなんとかするしかありません。
でもこういう経験をすると将来似た事が発生しても対応できます。
経験が何でも大切っていう事をわかってほしくて今回はこの件を
記事にしました。
生かす術を教えてくれるのが現場での経験なんです。

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朝ホールのシャッターが開店15分前で上がらない。
業者には電話したけど当然開店にはこのまま間に合わないのです。
こういうのは緊急用で巻き上げ用チェーンがあるのですが普段から
それを操作していないと簡単にはそれができません!
それでいつもの強制リセットをまずするためMCB電源を強制切り
10秒後に再投入してUPボタンを押したらシャッターが動作した。
機器のリセットボタンがわからないならこれが確実なリセット方法。
後で業者は来たんだけど古くなるとメンテしていてもこうした
回路基盤の突発的なトラブルは発生するのが機械物なんです。

大きなビルでは分電盤がたくさんあり急にこの機械の電源は
どこにある?と言われても私もすべてを常時記憶はしていません。
時々施工の事情で変な箇所から電源を取っている昔の追加工事
ってどこの現場でもいくつか必ずあります。
そういうのは必ず手帳にMemoしておきましょう。
暇な時にその手帳を見る癖をつければ1年もいればわかります。
お休みの日とか設備の仲間からあれの電源の場所?とか携帯に
連絡かラインが来る事が時々あります。
電源の場所がわからないというのは電気担当として恥です。
なんとかの電気の法則なんて職場で質問してくる人なんていない
こういう設備状況を誰より詳しい人が職場で重宝されるのです。