2016年4月10日日曜日

電気主任技術者 トラブル対応

●⇒私のアートブログ_Full of sensitivity
作品タイトルI am what I am.(私は私)
人間お仕事や詰め込みの勉強ばかりでは視野が狭く
なるから絵は私の潤滑オイルです。
この絵を作る時は私はこの絵の人物と同化するの


飲食店には厨房があり当然そのために排気ファンがあります。
それ1台が数店舗の排気を兼ねているのです。
一週間前からファン内部から異音があり業者が解放して点検
する予定でしたが急に排気を出さなくなりました。
電流値も5Aしかなく完全空転状態でもう一式交換しか無理!
ですが制作に1ヶ月かかるためそれまでの仮設排気ファンが
必要となったのです。


実際は相当深刻な状況で厨房の排気ができないので通路に
それら客場に臭いが充満して商売にならずB店舗からは
正常になるまで営業ができないから日数×1日売上を
会社は請求されています。(数百万円)
仮設は工事用の移動ファンを県外からリースしてそれを
夜中にリフトで上げて設置、配線、ダクト接続工事となる
ため数日先までこの4店舗は営業できないのです。
ビルの出入りの空調業者が主役となり準備、対応してる
けど電気主任の私にもいくつか質問がありました。
つまりどこから電源を取ればいいか、今後どう運用すれば

仮設排気ファン運転用の電圧変化のない三相200Vが必要
まず既設スターデルタモーターの端子台のUVWから仮設排気
の電源を取らせます。
ただ既存回路のXYZは切り離す必要があると返答しました。
これ以外の動力源が仮にあってもそれでは遠隔発停ができなく
なりますから必ずここから電源を取らせます。
業者はどこでもいいから電源を取りファンが回ればいい程度
しか考えていません。それでは運用が困りますからね!
貴方が着任した現場で何かの機械が壊れ代替を臨時に設置
する場合も電源は既設機械から取る様にされてください。

XYZを切離せば既存モーターはスターもデルタも回路を構成しない
ため起動しません。
(モーターは正常でもファンが壊れてるので回してはいけません)
スター結線によりコイルにかかる電圧を電源電圧の√3分の1
まで下げますがUVWの配線より配給される線間電圧は常に電源
電圧なのです。
頭でわかっていても現場機器を前にすると真っ白になるのは
経験不足
ですから現場と図面を常にリンクさせておきましょう。
下のスケッチは職場の新人さんに教えた時のです。
現場電気主任はこの実線図を完全に覚えておかないといけません。

上スケッチは下現場回路の物で実際の物と対比してしてね。
現場経験のない方に説明するとこういうケーブル接続部は
ドライバーでは回らないほど硬いためボックスレンチが必要です。
(モンキーやプライヤーでは噛ませられないので無理。
絶対に側面のプラスチックのガードが先に割れます)
こんな作業は建物設備なので電気主任が当然行います。
又写真ではわかり難いけど一番右スターマグネット一次側には
短絡金具があるのです。(配線で短絡の場合もあり)
片側を短絡してあるのがスター回路のマグネットと見分ける!

同じスターデルタでもこんな組み方もあります。
上の場合はマグネット二次側配線で結線を組んでますがこれは
マグネット一次側で組んでる私はあまり見た事がない事例です。
最初並列送電してるのか思いましたがここってスターデルタ
のはずなのにと冷静に考えたらデルタ結線してるので違いない!
スターもわざわざ面倒な組み方していて私は好きじゃない。
とにかくモーターに配線が6本あるのはスターデルタです。
3本しかないのは電源電圧で直に起動する小型モーターです。
仮設排気ユニットの場合は内部ですでにスターデルタを持って
るので電源としては固定電圧の配給が必要となります。

コンドルファ始動やリアクトル始動はビルではターボ冷凍機
がある様な昔の現場でないと見る事はないと思う。
昔父の勤務する工場に私も勤めていた時にターボ冷凍機が
あり6600Vで225KWのコンドルファ始動高圧モーターでした。
空調機、ファン、ポンプはスターデルタ起動です。
5.5KW以下なら電源直入れ起動と言われますが実際負荷が
軽い排気ファン程度なら7.5KW程度まで直入れでいけます。
私がここで述べたすべてを知ってれば普通の現場に着任するに
当たり馬鹿にされる事はない。むしろ詳しいと言われるでしょう!
実際の電気主任でも全体の1/3は詳しくない状況と思う。

家に帰りふと考えたのはそういう移動用排気ファンだから当然
運転SWがあるはずです。
ただそれでは中央監視PCの指令で設定した時間に仮設排気
に電圧はかかるでしょうが現地で誰かがSWを入れないと
いけないのでは?という事です。
それが業者もリースなので物が来ないとわからいそうです。
又その仮設排気の設置予定場所は足場が悪いため私や若い
人なら問題ないけど50才以上の高齢者の設備夜勤者から
絶対に職場で苦情が出ます。(実際足が悪い方もいます)

完全なオーナーと下請けの関係なら現地まで毎日SWを入れ
る命令で終わりだけどグループ会社なのでもし誰かが怪我
をしたら労災事故となりオーナー会社まで社内で責任追及
されてしまうので部長も悩まれました。
私なりに検討したら様はその仮設排気が直入れでも
スターデルタでもONボタンのとこをジャンパーすればいい
と判断しました。

つまりONボタンの両端を短絡させればONの入りぱなし!

係長がスナップSW式の排気ファンならいいのでは?と言われ
ましたが私の経験ではたぶん配電盤にある様なON/OFF
ボタン式でそのONは押した瞬間だけa接点動作するのです。
(その後は自己保持するのでONの導通は不要)
スナップSWは移動式では物を当てたら壊れるため凹凸のない
押しボタン式のデザインとされるのが多い!
とにかくジャンパー処理をすれば電圧がかかればファンは起動し
電圧が停止すればファン停止して同時に回路もリセットされます。
これなら中央監視PCの操作で既存排気用マグネットさえ入れば
現地SWを操作しなくても仮設ファンを制御できるはずです。

物が来るのは工事日で今は回路はまったくわかりませんが
"大丈夫です。私がなんとかしますからこのまま計画を実施
しましょう"と進言しました。
だってそれしか解決方法はないので選択肢はないのです。
修理業者は運用方法までわかりませんからシステムが
一番わかる電気主任がしっかりしないといけません。

丸山君、工事日は夜中から朝までかかるだろうが僕も残る
からぜひ一緒に工事立ち合いをしてください。
と部長からも言われましたがそれは当然です。

電気主任技術者というお仕事は365日24時間いつでも
笑顔でお仕事が受ける覚悟がないとできません

電気主任になりたい方はその覚悟だけは持ってください!
もちろん勤務外は残業手当は出ますからサービス残業は
一切ありませんがお金より個人の時間を優先される方は
実際このお仕事は辛いかもしれません!
トラブルで年に数回夜中の2時とか出社する事もあります。

余談ですがこういう機械設置をしたら絶縁とI0測定は必ず行う。
深夜で作業員も疲れてるからファンが運転したから終了として
運用後に漏電とか出たら電気主任として恰好悪いです。
リース品であちこちで使用してるので過信は私はしません!
絶縁は線路の状態のみ、I0は運転状態なので線路とモーター
の状態を判定できるのです。

前記事で余った中古LED器具を希望テナントに無料で取付
するサービスをしたら評判が良くて数社から希望が来ています。
お客様が喜んでくださるから苦ではないけど最近忙しいです。