電気主任技術者 受変電保護継電器

私が管理してる現場の22000V変圧器の二次側回路です。
各6600V変圧器回路の一つだけど基本仕様はすべて同じ。
回路の安全を守るための設備を保護継電器といい電気主任に
着任したら必ずわかってないといけません。

新しく現場に着任したら保安規定の確認とこれら受変電スケルトン
保護継電器を習得するのが電気主任のFirstミッションです。

インターロックとあるのはVCBが投入されているとDSを開放できない。
過電流(OCR)と不足電圧(UVR)によりVCBをトリップさせる。
トランスデューサーとは簡単に言うと測定した値をDC信号に変換して
遠隔監視のPCなどに送るための装置。
CTで300/5の比率で電流変換して電流計を指示、同時に盤についてる
電流計の最大指示値は300Aになります。
VTは母線電圧6600Vを110Vに変換して110Vあれば母線に6660V
あると認識しています。(★どこの現場でもこんな感じ)

左がUVR(不足電圧継電器27)右はOCR(過電流継電器51)
動作すると右下にオレンジの印(ターゲット)が表示されます。
ターゲットという言葉は現場で使うので覚えておいてください。
このターゲットリセットを継電器のリセットと勘違いしてる方がいます
がこれは単なる履歴で継電器の制御とは無関係です。
単に停電しただけなら再度受電すればメインVCB投入で復電
できますが過電流や地絡ではVCBを投入しようとしても入らない。
なぜなら所内事故が発生してるのだから手動で故障回路を切り
離すという行為が先に必要になるからです。
それらの異常時に何もせずVCBを再投入したら二次災害で
壊滅的に受電回路を焼損するかもしれません!
ですから過電流と地絡は処置後に盤設置のリセットSWを押す
事でVCBは投入できる様になっているのです。


変圧器の巻線の絶縁テープは30年で強度が半減するそうで
電流が通過すると線には張力が発生するためガチ古い変圧器
ではその張力低下により絶縁テープが破損して短絡事故とか
発生するというのをメーカーの方から教えて頂きました。
高圧機器で一番長寿命は変圧器で30年です。

これがUVRのシーケンスで意外と接続は単純ですね!
動作時は4番端子からDC100Vが出力されて27X-R12のリレー
がONになる事でVCBがトリップ動作するのです。

これがVCBのシーケンスで27X-R12のa接点が(緑)閉じると
DC100VがVCBの5番に入力される事でVCBはトリップします。
青線がOCR動作時の流れで同じく5番入力でトリップ。
VCBの3番に電圧がかかると通常VCBは投入されますが
過電流51が発生すると51Yリレーのb接点により投入回路
は切れた状態となります。
点検もせずに回路を生かす行為をさせないためですね!

尚現場では過電流継電器という言い方ではなく51とか
自動制御器具番号で保護継電器を呼ぶ事がほとんどです。
最低限27、51、67の3個は覚えておかないと恥をかくよ!
(業者に電気主任の立場で27って何ですか?と質問したら
それだけで相手にレベルが低いと悟られてしまいます。)

盤の中はこうなっていて専門業者に点検してもらいます。
こういうのが全体では数十個あるから半日はかかるね。
(5年に1回はVCBも分解してOHまでしてもらいます)
受変電設備は1年に1回保安規定で年次点検義務あり


★UVRに109とあるのはそのVTの電圧値を意味しています。
VTが正常かは簡易的にこれを見てもわかります。
たとえばこれが85Vで動作するとすれば一次側で言えば
6600Vが5100Vになったら動作するという事はわかるよね?
実際は時間要素(2秒程度)との二重要素で動作します。
そうでないと瞬停で動作してしまうからです。
どこの現場でも停電が発生した場合、UVR動作により
発電機を自動起動させたりVCBの切替が成されます。

OCRやDGRは事故がなければ動作しないのでまず一番よく知って
おくべきはUVR動作による機器連動、信号の流れですよ!

UVRについてはわかったと思いますが★OCRついても
基本的動作を説明します。
500/5のCTの時に一次側に800Aが流れたならCT二次側は8A。
ここでOCRのタップというのを選択しますが4Aタップならば8/4=200%
5Aタップならば8/5=160%であるとOCRは判断するのです。

CT二次側電流÷選んだタップ値が1以下ではOCRは動作しない
のが下グラフからわかると思います。
動作させたい一次側電流値に対して上の値が1を超える様に
タップを選定しないといけません。
UVR同様にOCRも値と動作時間設定があるのですがその設定を
調整する部分をダイアルと言いますがOCRには通常ダイアル=10
の時の動作時間が記載してあります。

500/5のCTの時に一次側に800A、4Aタップ選択してるならば
200%だからダイアル=10なら4.5秒でOCRは動作。
ダイアルを5にすればその半分の時間でOCRは動作します。
電流値に反比例し早く動作してますがこれを反限時特性と言います。
下の場合なら限時電流とあるのがタップで瞬時電流とは簡単に
言えば時間要素は無視して即動作させる設定です。

たとえば5000KVAの変圧器を150%負荷で設定する場合
6.6KVならば定格電流は437Aとなりますから437Aでは動作せずに
1.5×437=656Aでは動作する
必要があります。
600/5のCTなら二次電流は437×5/600=3.6Aで150%時で5.5Aに
なるのがわかると思います。
4Aタップにすれば変圧器の定格電流では動作せずに150%負荷では
動作する事になります。
5Aタップを選択すると150%の時では5.5/5=110%となりOCRの
最少動作電流はタップ値の100~105%なのでもう少し大きめの%
となる4Aタップが最適です。
後動作時間は上の特性グラフを見ながらダイアル設定をします。
電力側がビルより先に切れたら波及事故となりますからOCR設定は
保護協調が大切です。


★DGRとは方向性地絡継電器67の事で外部の地絡事故で
自らの地絡継電器が動作しない様にした物です。
地絡事故が発生するとZPDに発生する零相電圧VoとZCTで検出された
零相電流Ioの方向は自己回線では事故電流が電源側から負荷側
に向かって流れます。(ZPDとは零相電圧検出装置)
一方、他回線では事故電流が負荷側から電源側に向かって流れます。
この違いを利用して、事故の発生した回線のみを選択しゃ断します。
設定項目としてはIo、Vo、動作時間の3個だけでVoに対して
以下位相範囲のIoの時にDGRが動作するのです。

Voを基準として以下の位相範囲Ioの時にDRGは動作します。
これで建物内と外の地絡を区別できるのです。
電験三種で勉強した事は具体的な実務では使う事はないと
思ってる方がいるかもしれないけどこういう物を読んで理解
するのに電験三種で勉強した知識が必要なのです。
普通の方では下図を見てもどうして電圧と電流の関係に
図形で扱う角度なんて出てくるのか理解できません。



漏電とは単に電気が漏れる現象ですが地絡とは対地間抵抗
が低下して接地に電気が逃げてしまう事です。
ビル内で漏れた電気は必ず接地を通り変圧器B種接地に戻る
ので厳密には違うけど漏電=地絡と思ってもらっても構いません。
ZCTとCTの違い
ZCTは零相電流を検出するので3相一括で貫通する形状になり
ますがCTは1相分の貫通構造です。
漏れ電流と零相電流の違い
クランプで測定した漏れ電流を零相電流なんて言う方がいます
がまったくの間違いです。
漏れ電流は対地間抵抗低下による漏電で零相電流は不平衡
状態により発生する物です。
(正相、逆相、零相を完全理解するには電験二種程度の勉強が
必要となりますがそこまで理解してる人は現場でも稀!)

変圧器のB種接地にCTを入れてその電流値が設定以上になると
動作するのを★LGR(低圧地絡警報)と言います。
低圧側回路の漏電を監視する物ですが高圧側での上で述べた様
な各事故は正常に管理してる現場ならば通常は発生しません。
ですが低圧側漏電でのLGRは時々動作をします。
テナントでMCB回路の漏電が多めに発生した場合でこれが動作
する事となります。
貴方が電気主任として現場着任したその日に動作しても不思議では
なく、低圧側でのLGR動作は理屈だけでなく実動作としての行動を
電気主任として事前に研究しておかなといけません。
と言うよりそれをする約束で電気主任として雇用されたのですから!

ELB回路では30mAでトリップするためLGRが動作する前にELBが
先にトリップするのが私の経験上の事実です。
もしこれが動作したらどこかのMCBが切れないで500mA以上も
漏電してる状態だと思います。
テナント分電盤メインまでELBを入れると子の漏電でさえ店舗が
全停電となる可能性があるので飲食店舗では親にはELBは
入れてないケースが私の勤務してるビルではほとんど。
逆にまず漏電が発生しないSHOP系では子はすべてMCBで
親だけELBとしてる店舗が多く見られます。
各店舗分電盤の主幹がMCBかELBか程度は事前にCHECK
しておかないとLGR動作時の原因究明に時間遅れが発生しますよ。

ランプが点灯してるのは設定200mAで実際に漏電が発生した時に
撮った物です。
こうなったら調査をするのが常駐の電気主任の一番のお仕事
その場合は以下の様に調査を行ってくださいね。
⇒低圧漏電調査方法

飲食関係ではねずみによる配線の損傷事故が多く直前までのIo
測定では正常であってもそれはアテにしてはいけません。
かじられ方が浅ければ線が揺れた時に短絡でMCBが切れるか
酷いと漏電にまで至りELB回路でないとLGR警報が出ます。
飲食、スーパーなどがテナントとしてあるビルで電気主任を
される場合は低圧漏電対応は必ずいつか発生します。

原因としてはコンセントや配線取替で済む場合がほとんどです
から業者を呼ぶ必要はありません。
ただ変圧器でのLGR警報では二次側のどこかまでわからない
ためどの店舗で?次にどの回路で?をいかに迅速にできるかです。

放置しておくとMCB回路のため給電状態だからお店の人が感電
するかもしれません!
そうなると騒ぎになります。
わからないからとLGR設定を600mAとかにして警報を消してる様
な現場がある様だけどそういう人への被害意識がない身勝手
な現場だと思います。

その他そういうテナントは機器の稼働率が高いため故障する可能性
も高く製氷機などは契約業者はいますがエアコン、冷蔵庫、調理器具
が調子が悪い、動かないと電話が時々きますからこういう物のある
程度の対応はできる様に勉強しておかないといけません。
エアコンでエラーが出れば携帯でその機種のエラーコードを検索
して原因を教えてあげたり高圧カットなら室外機の様子は見に
行ってELB切れならメガ程度は電気主任として測定はしています。
冷蔵庫、調理器具では断線やプラグ破損取替修理はしてあげます。
ただテナントの所有機器本体は裏のパネルを開けてまで点検は
必要ない&してはいけません。


そこを開けてしまうとすべての責任がこちらに発生してしまいます。
取説の"専門のメーカー技術者以外は開放禁止"事項に触れる!
特に家電を気軽な気持ちで分解修理した場合もしそれで出火
でもしたら修理した人が責任を負う事になるので注意されてね。
電子レンジ、冷蔵庫など家電は専用部品で構成されていて修理
部品もないのに安易な気持で点検する意識自体も間違えです。
何でもできないよりできる方が良いに決まってるけどあくまで
それは契約上の範囲で行うのがお仕事だと思ってください。
ですが売り場の店員さんはそういう事までわからないので開けて
修理してほしいと言われますが、責任の範疇外はできない
を私は丁重に説明して理解して頂いています。
家電の修理は買った電気店で電気主任がすべきでありません。

⇒私のブログの最新記事へJAMP