2015年10月6日火曜日

電気主任技術者 仕事:デマンド説明

高圧、特高で電気を受けるビル、工場などでは電力会社
が設置した30分最大需要電力計(デマンド計)というのが
あります。
デマンドとは30分間の平均使用電力で現在デマンドの
最大値が最大デマンドとなりこの値を元に契約電力
が決定されます。

又日々の最大デマンドが電力会社と決めた契約電力値を
越してしまうと通常より割増しの違約金を支払う義務
が発生するだけでなく新たに契約電力の変更の協議が
行われることになります。

デマンドオーバーさせた場合は出費が増える事になるためなぜ
事態になったのかオーナーから納得いく説明を必ず求められます。
年間では場合によっては100万円以上電気料金が高くなるので
I am sorry.では済まず電気主任技術者は自分の現場の
デマンドには特に関心が必要です。

急な短い期間でのピーク電力は減らしその場合は負荷の稼働
時間を分散させるとか可能な限り負荷停止などの処置を
せずに越してしまうと責任を求められる事となります。

私が勤務してる現場(契約電力2700KW)で説明します。
まず現場の契約電力をデマンド制御の設定画面で登録。
契約電力2700KW、目標電力2650Wを入力しました。
(目標電力は取扱説明に従い決定した物で詳細設定は自分
が使用してるシステムをよく勉強しましょう。)
警報電力はデマンド値が指定の値になった時にアラーム
を出す物で今は未設定にしています。

デマンドは30分間の平均電力ですから30分の枠の中で
使い過ぎた分をどこかで減らし調整すれば一定値以下に
することができます。これをデマンド管理といいます。
スタート時点から常に30分終了時点でのデマンド値
の予測
を行います。
その予測した値が契約電力より大きい場合は事前に登録
した機器から停止
させる事で電力消費を下げます。

1分事に現在デマンドが表示されて今21分目ですね。
つまり残り9分で2700KWをOCERしなければいいのです。
予測値が2700KWを超えても30分の残り時間で負荷
を落とせばデマンドオーバーは発生しません。

上の場合は中間期で電気をほとんど消費していませんが
猛暑時期だと2600KWにはなります。

★契約電力を2500KWとして計算してみました。
もし最初の10分でそれを200KW超過してしまったならば?

ですが私が勤務する現場では落とせる機械がないので
現実超えそうな状況を直近の変化から予想して契約電力
最低限必要な分だけ上げる契約更新を電力会社とします。
ですからこのデマンド制御を使用していません。
その変わりに22000Vの受電点で通過電力の上限警報設定
だけは出す様にはしています。
とにかくデマンドオーバーさせるな!というオーナーもいるので
この辺の考えをよくオーナーから指示を受けてください。

この上下限警報設定は個別の変圧器でも適用できるので
負荷が多い変圧器に設定すれば24時間管理上有益ですね。
750KVAの6600/210Vの三相変圧器の二次側が2062Aに
なれば警報が出るという意味です。
仕様書にある定格負荷電流の値を入力しています。

ただ今年の夏は思うより暑くなかったので必要ありません
でしたが来年はどうかは現状はわかりません。
若干量契約電力が上がっていくのは仕方ないでししょうね。
ただ同じ上げるのでも違約金の結果そういう事態に
なると社内的に手続きが面倒なので避けないといけません!

これはH27年度の1月~9月の最大デマンドだけどターボ冷凍機
現場と違いそれほど夏と冬の差があまりないのは
高圧モータがなく冷温水発生機で冷暖房をしてるからです。
差がないほど無駄に契約電力を大きくしなくて済みます。
電力料金とは基本料金+電力使用料金で基本料金は
契約電力により決定して1年を通じて同額を毎月払う
必要があります。
そう冬に電力値が少ない需要家には負担は大きいです。
だから誰もが契約電力を必要以上に上げたくはないのです。

H27年10月6日の00:00~18:00までの最大デマンドはせいぜい
MAXで2400KW程度で、もうこの時期になると絶対に2700KWを
超える心配はありません。

中央監視PCは単に機械の運転停止、状態表示だけでなくこうした
dataをグラフにしたり検証にも使えます。
もちろん作成した物は印刷もできるため便利です。
このPCで示す値は現場のトランスデュサーから来ており正確な
値なので私の変わりに24時間受変電設備の各ポンイントの
電流、電力状態を自動保存してくれています。

その他では省エネとかの検証をするのにこの機能は便利!

Aという機械にBを連動させる場合、昔ならシーケンス上の連結が
必要になるけど、中央監視PC上で行うならAという機械が運転
状態となった時にBという機械に起動指令を出すという機能設定
をすればまったく同じ事ができます。
こういう感じで何かを追加させる事をイベントプログラムの追加と
言うのだそうです。
使いこなせれば貴方の電気主任業務を強力にサポートします。
私はアズビルのSAVIC30とパナソニックの中央監視装置は取扱い
経験あります。