2015年8月4日火曜日

電気主任技術者 仕事:停電発生時動作

今日も空いてる時間で22才の新人の彼と勉強会をしました。
どこのビルや工場でも必ず停電時に使用するこういう非常用
発電機という物があります。
こういう非常用発電機(めったに使用しない物)はやはりディーゼル
が一番信頼性が高くこれこそ非常電源の定番と言えます。
ただ私が勤務してるビルみたいに常用発電機ではないために
冷却塔がないので連続で何時間も運転する概念で設計されて
くあくまで消防法にもとずいた1時間程度の運転を想定しています。
これは消防設備のための電源でこれが稼動してもテナントまで
電気はいかないので日中と同じ営業活動はできません。
(容量的には大きくてもせいぜい500KVA程度でしょうね)

停電発生後の一般的な動きとして
停電発生⇒2~5秒後⇒受電VCB遮断⇒各VCB切替⇒発電機起動が
基本動作で発電機単体では
高圧空気を挿入⇒回転上昇⇒速度継電器動作⇒高圧空気停止
⇒電圧確立⇒発電機VCB投入といった感じでしょうか?
(これは圧縮空気でエンジンを起動させる方式)
売電(電力会社)の電気に逆送電しない様に発電機VCBは
受電VCBとは同時にON状態にはならないインターロック
という仕組みがしてあるはずです。

発電機容量500KVA表示ならこういう物は0.8を掛けた値をKW
とするので実質の出力は400KWになるので頭に入れておいてね。
(KVAは皮相でKWが有効電力はわかるよね。)
途中から余裕があれば何かの装置をここに接続したい案が
出た時は残容量の算出が必要になります。
よくこの発電機は300キロなんて言われるけどVAかKWか
何人の方がそこまで意識してるか疑問?

この方式でも起動時には直流電源が必要になります。
簡単に言えば軸を電磁石にする事でそれを回転させ電気を
発生させるわけでただエンジンを回転させただけでは
電圧は発生しません。
起動させる瞬間のみでこれを初期励磁といい電圧送電後
はそれを変性させて使用するので必要なし

復電後の一般的な動きとして
受電⇒10秒後⇒発電機VCB遮断⇒受電VCB投入⇒各VCB切替
停電、復電後のこれら動作は通常は全自動で行われますが
以前私が勤務していた父が電気主任をしてる工場では
復電時には復電操作開始というボタンがわざわざあって
人間が必ず状況を確認しないとできませんでした。

工場では生産してるので切替えるなら絶対に売電が受電
してないといけません。
もっとも受電とか停電感知はUVR(27)で行われるために
私は間違いはないと思うのですがこの辺は会社の方針
だからそれに苦言をいう資格はありません。

その頃にあったトラブルを1個紹介します。
この発電機を毎週1回、父の勤務する工場では試運転
されていたのですが、なぜか発電機の定格回転速度1800rpm
が1700rpmしか上昇しませんでした。
この事で発生電圧が規定より低いでも一番問題は周波数が
60Hzのところ55Hzしかない点です。

私が消火栓ポンプのモーターは50と60の両方が使える
のだから非常時の運用には問題ないのでは?と質問したら
丸山さん仮に60Hzの時に1800rpmで回るポンプがあるとして
55Hzになったら何回転になるのですか?
(職場では父は私を娘ではなくて一個人としてしか扱わない)

60Hz、1800rpmだから極数はN=120f/Pから逆算すると4
逆にその式で55Hzの時の回転を暗算すると1650rpm
あ!結構回転数が落ちるからもしかして所定の水圧が確立
できないかもしれないを私も理解できた。
それに蛍光灯の安定器などコイルはリアクタンスが周波数低下
で下がるので電圧は同一として電流が増加する事で加熱や
故障に至るかもしれない
今の私の勤務するビルでは停電時はビル全体の1/3の照明
は点灯するので消防ポンプだけの問題ではない。
周波数が下がるのは設備全体で広範囲に影響する

後で言われたら電気工事士以上の試験を受けた人ならこの
理屈理解できるけどこういう現場のトラブル時にさっとその場
でそれが思いつけるかと言えば意外とそれは難しいのです。
又それを異常と宣言するという事は業者に何か作業させた
場合は費用も発生するので責任も発生します。
もちろんこれは異常です。と宣言するには根拠も必要でその事
で何がどう影響するかもきちんと上司に説明しないといけません。
私はそういう父の行動を見ながら勉強して今があります。

お金が発生する事はまず会社に報告、即見積を業者にmail
してもらい会社の発注書をもって修理開始が正規手順で
先に修理して後でお金の相談するというのは最近はないです。
確か下請け業法とかで定められいてお金も決めてないのに
先に仕事だけしろ!という圧力は法的にも禁止
されてます。
もちろん長い付き合いがあり相手が認めてくれるなら可能
だけど大手のメーカーでは発注書を提出しないと作業は
してくれません。(メンテナンス契約の範囲内は無償)
電気主任技術者は業者を使う事もあるので保守契約
の範囲やそれ以外の手続きの流れも熟知が必要です。


今朝11時だけどすでに室内が28℃もある!
エンジニアとしてアドバイスすると電気代がもったいないから
我慢して32℃まで辛抱してエアコンを入れるのは逆効果なんだよ。
エアコンは設定と現在温度差に比例して電気を消費するの
エアコンの冷房設定は高くても28℃だから32℃だと4℃差
もあるからFULL運転状態になる。
どうせ昼からエアコンを入れるつもりなら自分が希望する
室温になった時点から冷房運転をしてね。

私たちの場合は昼から6畳の部屋に移動してその部屋で
26℃設定にして二人すごします。
リビングの200Vのエアコンを運転するよりこの部屋なら
狭いので早く冷えるし電力消費も少ないからね。
食事をした後にKISSしたくなるくらい涼しくなると急に体の
いろんな機能が活性化してくるのがすぐにわかる。
やはり30℃を越す温度って私たちでも少なからず負担に
なってるから年配の方とかは無理しないでくださいね。