2015年7月29日水曜日

電気主任技術者 実務:空調自動制御説明

今日も空いてる時間で22才の新人の彼と勉強会をしました。
冷房空調設備の温度設定
まず設定温度変更方法をレクチャーした後に基本事項を説明!
黄色が設定で緑が現在温度、現在温度が設定より大きいため
すべて100%近く操作出力が出ています。(緑のバー表示)
逆にそうなのに操作出力が0か少しなら暑いのクレームになる
ので巡回時に見逃してはいけません。
今は空調機が稼動したばかりで、時間が経過して設定と現在温度
の差が減る事で操作出力表示も下がります。(だから自動制御)

すでに操作出力が全開なので上段右を除きこれ以上設定を下げ
ても冷房がより早く効く事はありません。
この中で上段中だけ少し調整が必要かな?と私はこの時に
気がついたのですがベテランの方は気がつかれましたか?
たいてい現在温度しか見ないかもしれませんが偏差つまり
現在温度と設定の差と操作出力の度合いも重要です。
故障の予兆が出てる可能性があるから

これがそのコントローラーのBACK
R1A、S1Aは電源とすぐにわかります。
コントローラーがBlackOutしてるならまずここの電圧を
最初に見てみましょう。
これはAC100Vだけど物によってはAC24Vの場合もありその
場合では変圧器が間にあるので検電器は反応しません。
(変圧器を入れると二次側が一次側から見て非接地)
と言うより自動制御を見る場合はテスターを使いましょう。
もちろん自動制御は業者とメンテ契約してるので呼べば業者が
してくれるけど不調時はまず自分で点検してダメなら業者を
呼び、どう対処したのか必ず教えてもらう様にします。
これが確実に自分のスキルが上がる方法だと思う。
業者を単なる修理屋ではなく学びの先生としましょう。

では後は何の線なのか、こういう場合は図面にある線番で
見ればわかります。
7~9は温度センサー、10~12は冷水バルブ開度で13~15は
冷水バルブへの開閉出力でしょう。
図面の右上のとこにFX1というリレー接点があるけどこれは空調機
と連動する接点で空調機が停止するとb接点のFX1接点で線番13と
15を短絡させてる事で冷水バルブを全閉させます。
a接点のFX1接点は空調運転時にONする物だけどこれがONしないと
冷水バルブはまったく開放しません。

真ん中下にはダンパー開閉回路があるけどこれも空調機が停止
するとFX2のb接点で線番33に信号を送りダンパーを閉鎖させます。
(逆に運転時は線番32に信号を送りダンパーを開放)
これらは電気的に機械停止に合わせて設備を閉鎖する仕組み
ですが信号が消失する事で機械的に閉鎖する物をスプリング
リターン機能と言います。最近はたぶん電気式が多い。
電気主任技術者の方は他設備員みたいにこうした自動制御を
BlackBOXとする認識でいてはいけません。


上コントローラーにより開閉制御されるのがこの冷水バルブで
冷温水発生機より作った冷水を空調機に量を調節して入れる装置。
(C側にいっぱいインジケーターが行くと全閉でO側で全開)
冷房が効かない場合はコントローラーの出力だけでなく実際に
バルブが開放してるのか現地確認が基本です。
もしバルブがどうしても開放しないなら応急としてこれにパラで
あるバイパス弁を手動で開放すれば冷房は可能です。
開放のままとするなら意外と30%度程度の開度でいいと思う。

余談だけどバルブという物を全開する時は最後に1/4回転戻す事。
又力一杯に左に回すとガチとかんでしまい手で戻らなく場合あり!
現場未経験の方は緊張で力が入り過ぎてそういう方が操作した
バルブを後で閉め様とした時に手で回らない事が時々あります。
そういう時はバルブの底を軽くハンマーで叩いてください。
けしてパイレンで無理に回してはいけません。中で折れる事あり

EPSにはどこでもあるMCBつまり配線用遮断器
2P2Eは200V用で2P1Eは100V用、電源が落ちた場合はその
機器電圧によりまずは分類する事。
周囲温度40℃が基準温度で10℃周囲温度が上昇するたびに
トリップ電流が10%減少する、もし仮に周囲温度が50℃になる
環境があるなら20AのMCBが18Aでトリップします。
通常最大許容周囲温度が60℃です。
あるEPS室には携帯電話会社の何かの装置がありその廃熱
で室温度が33℃にもなるので自分で調べました。
又そういう記載のあるメーカー資料のメーカーsiteのアドレス
を携帯電話に登録していていつでも根拠を見せれる様にはしています。
これ以外でも電線の許容電流の一覧表とかいつでも携帯から見れる
様にしておけば便利でスマートPhoneを有効利用しましょう。

前記事で冷却塔の話を書きましたがこれには槽内の水が汚れて
くると給水する設備もあります。(濃縮防止)
水が汚れてくると電気伝導度が上昇するのでそれが100mS/m以上
になると給水をして80mS/m以下になると停止させるという物です。
給水が開始されるとblowdownのランプが点灯。

具体的にはこの配管にある電磁弁が開放して槽内に給水されます。
滅多に自動制御本体の故障はないのでblowdownランプが点灯して
ないのに給水されていれば電磁弁の調子が悪い可能性があります。
電気的に開閉は正常でも漏れたりする事があるのが電磁弁。
電磁弁とは全開か全閉のどちらかしかなく、空調の冷水バルブ
に使用される電動弁とは0~100%で自由な開度になる物です。

意外とその違いを知らない設備員の方は多いと思います。

こういう仕事をしていて使えて便利なのがCADです。
JW-CADというフリーですがすごいCADソフトがあります。
建物図面を1から書くのはできませんが業者からもらったCADデーター
を使い加工して資料を作るのに便利です。
これは夜中に業者に照明器具の更新工事をさせるのに場所を示す
ため私が作成した物だけど場所と位置を正確に示せます。
(市販で操作本もたくさん販売されるのでお勧め)
中学生でも本気を出せば基本操作なら一週間で覚えれると思う。
こちらから⇒JW-CADダウンロード