電気主任技術者 実務:テナント盤何かあやしい?

今日も駐車場照明盤の工作を彼としていたの(前記事続き)
もうほとんど完成に近くイイ感じだと思う。
そこへ職場の方が丸山さん申し訳ないんだけどどうしても
わからないから見てほしいと言われてきた?

何でも店舗でエアコン室外機を業者が修理するのにそれの
電源のブレーカー(MCB)がどう探しても見当たらないという話
.....実際に動いてるのだからそれはないでしょう
でも実際にテナント盤の中を見るとそれらしいMCBがない???
これってどういう事!

図面ありますかとテナントさんに聞いたらわからないという返答。
テナント財産なんだから共用部から取るわけないよね。
よく見たら厨房排水ポンプのMCBの二次側に変な2線があり
三相200Vから単相200Vを出している???なんか怪しい
この位置にこれは極めて不自然なんです。
(三相200Vから単相200Vを出す事は自家用電気工作物で
は違法じゃない、ただ低圧受電してる場合は契約上禁止)
お客様に許可を得てこのMCBを切ると業者が電気が切れました。
と言ってきたので正解!
つまり専用開閉器なしでポンプMCB二次側から兼用させて
直に施工されていました。
客先設備で写真は撮れなかったので下イメージだけ

私はこの施工に関して文句を言う立場にないのでテナントには
ありのままを告げ電気主任技術者として安全に使うアドバイス又
処置をするのが義務。
ちょうど今電装部品を触りまくっているのでその流れでポンプ回路
のMCBの一次側から20AのELB経由で室外機に接続する工事を
サービスでしました。
(この店とは設備の保守管理契約を結んでいます)

この店舗のエアコンはGHPというコンプレッサーをモーターではなく
ガスエンジンで稼動させるエアコンで電気はほとんど消費しない。
厨房がある店舗ではガスを使うからそのままGHPでも利用すれば
効率的という事で飲食店舗ではよく見かる方式。
あんなに図体が大きいけど単相200VでOKなのはそういう意味。
それで手軽に既存三相回路でも問題なしと接続したんでしょうね。

こういうテナントが業者に発注した設備の場合、施工図面が最初
からなく取説のみというケースが多いの。
エアコン業者はあくまで機械の設置だけでどこの電気屋にさせた
かも店長がわからないという事もよくある!
たぶん職場設備の人は室外機だから三相200Vで3本の配線と
いう先入観があったのでこれを見逃したんでしょう
ただ専用のMCBないのが一番の原因ですけどね!

今回は分岐回路がそれほど電気を消費しないから何も
問題なく使用されていたけど分岐先の消費電力が大きい
と最悪元回路が過電流でトリップするか分岐の配線間
だけ電圧が低下して三相が不平衡状態となり結局同じ状態
が発生する可能性があります。
三相不平衡電圧をモーターにかけると逆相トルクが
発生するので運転電流は確実に上昇する
し振動もします。

三相交流不平衡電圧が加わると、電動機から発生する正味トルク
は正相トルクと逆相トルクとの差となります。
正相電流によるトルクに対し、逆相電流によるトルクはブレーキと
して作用し、三相誘導電動機の過熱、焼損等の障害を生ずる。
このため3Eリレーを装備してる高価な設備もあります。
電気の日常点検で変圧器、特に三相電源の電圧値のアンバランス
を意識するのはそのためなんだよ。意外と気がついてないでしょ?

又NETで三相ブレーカーから単相200Vを出すなら真ん中を
飛ばせばいいみたいなこんな安易な記載を見た。
理屈はそうでしょうが単相三線式から単相200Vを出すのと異なり
三相からでは対地電圧が150Vを超えるから人が容易に
触れる機器類でこの取り方をするのは私は勧めません。

家庭の受電方式でもある単相三線式は単相200Vが取れますが
ここでの200Vというのは線間電圧の事で対地間電圧は100V。
200V機器を使える上に三相より安全性が高いのが単相三線式
の利点です。

職場の年上の後輩に体で体験してもらうのに通電中の単相三線式
の中性線に触ってもらいました。感電しません!
接地してる線に触っても人体にかかる電位差が0だから。
黒、赤の配線で同じ事をしたら100Vに感電するから触ってはダメ。
それが単相三線式の単相200Vに不幸にも感電するのと同じ状態。
(普通の着衣、靴の服装なら死ぬ事はないけど感電したら痛い)

ところが三相200Vから取った単相200V電源は線間だけでなく
対地間電圧も200Vなの。つまり上の倍の危険性あり。
(200Vに感電したらハンマーで叩かれた様な衝撃です。)
通常人が触ない天井照明器具内部や室外機では使用者は安全
でも業者には関係するから単相200Vは基本電灯盤(単相三線式)
からのみ取るべきだと私は思う。
もしビル共用部工事として相談があったら私はさせないよ。

ネオン式の検電器を持ってる方は単相三線式から出した単相200V
と三相200Vを当てて検電器の点灯具合を比較してみてください。
三相200Vの方が明るく光るんです。
(ネオン式の検電器は高抵抗を通して人体を導体とする原理で電圧
の有無を調べるからこういう事ができる。)

あくまで普通の着衣の状態で私の経験上を語ってるだけで全裸で
体が塗れた状態で感電したら100Vでも死ぬかもしれません。
感電の危険性は厳密に言えば人体の通過電流と通過時間です。
mA単位で通過電流×通過時間(秒単位)が30を超えたら人体の
限界と私は昔父から教わりました。
通常多い30mAトリップのELBは1秒未満で切れないといけない
又人が電気を感じる始めるのは1mAからでそれで電圧を割ると
100Vで0.1MΩ、200Vなら0.2MΩ、どこかで聞いた値です?
そうこれがあの絶縁抵抗値の根拠です。
これ知っておくと意外と便利なので覚えておいてね。